2025年2月、WNBAのスター選手ケルシー・プラムは大型トレードを通じてロサンゼルス・スパークスに加入しました。
このトレードはラスベガス・エーシズ、ロサンゼルス・スパークス、シアトル・ストームの3チーム間で行われ、WNBA史上初めて複数のドラフト全体1位指名選手(プラムとジュエル・ロイド)が絡む歴史的取引となりました。
プラムはエーシズからコア指定選手として1年契約のサイン&トレードで移籍し、2025年シーズン後もスパークスに残留する意向を示しています。
プラムは、
「昨シーズンは最下位だったが、それはすべてリセットされた。自分がここに来たのには理由がある」
「リーダーシップや投資の面で新たな局面を迎えている。それがここに来ることを決めた理由だ」
と語り、低迷していた名門チームの文化改革に強い意欲を示しました。
スパークスは2024年シーズンにリーグ最下位に沈みましたが、新ヘッドコーチ就任や球団体制の強化など、新たな一歩を踏み出しています。
移籍後のプラムはすぐにその実力を発揮しています。
2025年5月16日、サンフランシスコのチェイス・センターで開催されたスパークス対ゴールデンステート・ヴァルキリーズ戦でプラムはデビューを飾り、後半だけで26得点、試合合計37得点の大活躍でチームを84対67の勝利に導きました。
この37得点はプラムのWNBAキャリアで2番目に高い記録であり、新天地での初戦からエースとして格の違いを示しました。
キャリアの歩み:大学からWNBAまで
大学時代の活躍
ケルシー・プラムはワシントン大学で卓越した成績を残しました。4年間の通算得点は3,527得点にのぼり、女子大学バスケットボールNCAAディビジョンI歴代2位の記録となっています。
最終学年の2016‑17シーズンには平均31.7得点と圧倒的な成績を収め、チームをNCAAトーナメントのファイナルフォーへ導きました。
2017年にはネイスミス賞、ジョン・ウッド賞、AP年間最優秀選手賞など主要な大学女子バスケ個人タイトルを総なめにしました。
WNBAでの経歴
2017年のWNBAドラフトで全体1位指名を受け、サンアントニオ・スターズに入団。翌2018年にチームがラスベガス・エーシズへ移転した後もプレーを続け、計7シーズンを過ごしました。
2020年にアキレス腱を断裂して全休するも、2021年に平均14.8得点でシックスウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞。
2022年には平均20.2得点でオールスターゲームMVP、オールWNBAファーストチームに選出され、エーシズを球団初優勝に導きました。
翌2023年もエーシズの連覇に貢献し、オールスターには3年連続で選出されています。
オリンピック・代表歴
プラムは2021年の東京オリンピックで3×3バスケットボール米国代表として金メダルを獲得。
さらに2024年のパリオリンピックでは5人制バスケットボール代表として金メダルを手にし、種目の異なる2つのオリンピックで金メダルを獲得した稀有な選手となりました。
年表で見るキャリアとニュースのハイライト
年・時期 | 出来事・ハイライト(所属チーム) |
---|---|
2013–2017年(大学) | ワシントン大学でプレー。通算3,527得点はNCAA女子歴代2位。最終年に主要個人賞を受賞。 |
2017年 | WNBAドラフト全体1位でサンアントニオ・スターズに入団。オールルーキーチーム選出。 |
2018年 | チームがラスベガス・エーシズへ移転。以降2023年までエーシズでプレー。 |
2020年 | アキレス腱断裂によりシーズン全休。 |
2021年 | 平均14.8得点でシックスウーマン賞受賞。東京五輪3×3で金メダル。 |
2022年 | 平均20.2得点でオールスターMVP、オールWNBAファーストチーム。エーシズ初優勝。 |
2023年 | エーシズがWNBA2連覇。オールスター3年連続選出、スキルチャレンジ優勝。 |
2024年 | パリ五輪5人制で金メダル。 |
2025年 | 大型トレードでロサンゼルス・スパークスへ移籍。5月16日のデビュー戦で37得点。 |
主な実績・受賞歴
- WNBAチャンピオン: 2回 (2022年, 2023年)
- WNBAオールスター選出: 3回 (2021年–2023年)
- WNBAオールスターゲームMVP: 1回 (2022年)
- WNBAオールWNBAファーストチーム: 1回 (2022年)
- WNBAシックスウーマン・オブ・ザ・イヤー: 1回 (2021年)
- WNBAオールルーキーチーム: 1回 (2017年)
- WNBAスキルチャレンジ優勝: 1回 (2023年)
- オリンピック金メダル: 2回 (2021年東京=3×3, 2024年パリ=5人制)
- NCAA女子通算得点歴代2位: 3,527得点
- 2017年 ネイスミス賞・ウッデン賞・AP年間最優秀選手賞
以上のように、ケルシー・プラムは大学からプロ、代表に至るまで数々の記録とタイトルを打ち立ててきました。
その勝負強さと得点力でWNBAを代表するスターの一人となっており、現在はロサンゼルス・スパークスの新たな顔としてチーム再建の中心的存在となっています。
今後もプラムの活躍から目が離せません。
参考・出典
WNBA公式サイト、ロサンゼルス・スパークス公式発表、ESPN、AP通信、Los Angeles Times ほか複数の報道を総合。