2025年5月26日(現地)のWNBA、ワシントン・ミスティックス対フェニックス・マーキュリーの一戦は、最終クォーターまで勝敗の行方がもつれる接戦となりました。
第1クォーターは15-13でミスティックスがリードして終えます。ミスティックスはこの試合でアリーヤ・エドワーズがシーズン初出場を果たし、交代直後に初得点を挙げる活躍でチームに勢いを与えました。
しかし、第2クォーターに入るとマーキュリーが反撃します。サトゥ・サバリーが同ピリオドだけで9得点をあげる活躍を見せ、マーキュリーが19-7とこのクォーターを支配し、前半を32-22と10点リードで折り返しました。
後半、第3クォーターではミスティックスが反撃を開始します。
ソニア・シトロンがこのクォーターだけでチーム最多の12得点を挙げて追い上げ、ミスティックスは一時4点差まで点差を縮めました。
マーキュリーはこのクォーターに9つのターンオーバーを犯すなど苦戦し、第3Q終了時には46-44とリードはわずか2点にまで減少します。
第4クォーター序盤、エミリー・エンストラーとジェイド・メルボルンの連続3ポイントシュートが決まり、ミスティックスが第2Q以来となるリードを奪いました。
さらにメルボルンのバスケット・カウント(ゴール+ファウル)で残り5分には4点のリードを築きます。キキ・イリアフェンもレイアップを沈め、残り4分23秒でスコアは58-52とミスティックスが6点差をつけました。
しかしその後、ミスティックスはフィールドゴールを1本も決めることができず、終盤の得点はフリースローによる4点のみにとどまります。
マーキュリーは残り1分30秒に控えフォワードのキャスリン・ウェストベルドが貴重な3ポイントシュートを沈めて流れを引き寄せました。
続いてモニーク・アコア・マカニが試合残り約1分の場面で勝ち越しとなる3ポイントを決め、64-62とリードを奪います。
その後マーキュリーはマカニとアリッサ・トーマスが立て続けにフリースローを沈めてリードを広げ、最終的に68-62で逃げ切りました。
注目選手とスタッツ
マーキュリーはこの試合、ルーキーのモニーク・アコア・マカニが13得点・3スティールを記録し、殊勲の活躍を見せました。
マカニは第4Q終盤に勝負を決めるクラッチシュートを含む3本の3ポイントを沈め、チームの勝利に大きく貢献しています。
サバリーも12得点9リバウンドをマークし、トーマスは11得点8リバウンド5アシストとオールラウンドな活躍でチームを支えました。
守備面ではマーキュリーが相手から15スティールを奪い、ミスティックスに27ものターンオーバーを犯させた点が勝利の要因として特筆されます。
一方、ミスティックスは若手の奮闘が光りました。
2年目のソニア・シトロンがチーム最多の14得点を挙げ、ルーキーのキキ・イリアフェンも11得点13リバウンドとダブルダブルの活躍を見せます。
しかし、イリアフェンはターンオーバーが7回、シトロンも6回とミスも散見されました。ベテランのブリトニー・サイクスは10得点を記録したものの、フィールドゴール成功は13本中1本に留まりシュート面で苦しみました。
なおミスティックスでは、この試合でエドワーズが怪我から復帰し初出場を果たす明るい材料もありました。
試合後のコメント 試合後、勝利したマーキュリーの選手たちは守備の踏ん張りとミスを引きずらない姿勢の重要性を語りました。
キャスリン・ウェストベルドは接戦を制した要因について、
「失敗にこだわらず、次のショットに集中するだけです」
と振り返り、好機を逃した後でも前を向く姿勢を強調しました。
モニーク・アコア・マカニも、
「結局はゲームなのですから、とにかくプレーを続けるだけ」
と語り、常に最後まで戦い抜くことの大切さを改めて示しています。
また、フェニックスのネイト・ティベッツ・ヘッドコーチは、
「この試合はディフェンスが勝利をもたらした」
とコメントし、特に前半のシュートミスが続く中でも守備で流れを引き寄せたチームの戦いぶりを称賛しました。
ミスティックスはこれで3連敗となり課題が残る結果となりましたが、マーキュリーはホームでの強さを発揮しシーズン戦績を3勝1敗としています。