試合展開
第1Qは両チームとも堅い立ち上がりとなる中、シカゴ・スカイがエンジェル・リースやアリエル・アトキンスの得点で21-17と僅かにリードしました。
第2Qもスカイが主導権を維持し、アトキンスの連続得点などで前半を44-38と6点リードで折り返しました。
後半開始直後、スカイは9-0のランで勢いに乗り、第3Q途中には速攻からのコートニー・ヴァンダースルートのレイアップで最大16点のリードを奪いました。
しかし、第3Q終盤にフェニックス・マーキュリーが反撃します。ルーキーのキティヤ・ラクサが第3Q残り3分に3ポイントを沈めて12-2の猛反撃を締めくくり、マーキュリーは第3Q終了時に71-67と点差を4点まで詰めました。
第4Q序盤、サトゥ・サバリーのドライブからのレイアップが決まり、マーキュリーが74-73と試合開始直後以来となるリードを奪います。
さらにモニーク・アコア・マカニとラクサが立て続けに3ポイントシュートを成功させ、第4Q残り5分で80-75とマーキュリーが5点のリードを築きました。
終盤、スカイも反撃して逆転を狙いましたが、マーキュリーは集中を切らさずにリードを守り抜き、最終スコア94-89で劇的な逆転勝利を収めました。
注目選手とスタッツ
マーキュリーではフォワードのサトゥ・サバリーが32分間の出場でチーム最多の20得点・8リバウンドを記録し、勝利に大きく貢献しました。
ルーキーのキティヤ・ラクサは今季自己最高となる18得点を挙げ、そのうち3本の3ポイントシュートでチームの追い上げに火を付けました。
オールスター選手のアリッサ・トーマスは10得点・15アシスト・7リバウンド・3スティール・2ブロックと攻守にわたって活躍し、開幕から5試合連続での「2桁得点・5リバウンド・5アシスト以上」というWNBA史上初の快挙も達成しました。
さらにキャスリン・ウェストベルドとモニーク・アコア・マカニもそれぞれ13得点をマークし、第4Qだけで2人合わせて5本の3ポイントシュートを沈める勝負強さを見せました。
一方、シカゴ・スカイではガードのアリエル・アトキンスがチーム最多の21得点に6リバウンドを記録しオフェンスを牽引しました。
エンジェル・リースは13得点・15リバウンドのダブルダブルを達成し、この試合でWNBA史上最速となる通算500得点・500リバウンドをデビューから38試合で成し遂げています。
センターのカミラ・カルドーソも16得点・9リバウンドとインサイドで奮闘し、ポイントガードのコートニー・ヴァンダースルートは15得点・11アシストで攻撃を組み立てました。
また、キア・ナースも3ポイントシュートを4本沈めるなど14得点を挙げ、スカイは先発全員が二桁得点を記録しました。
試合後のコメント
シカゴのタイラー・マーシュHC(ヘッドコーチ)は大量リードを守れずに逆転負けを喫したことに悔しさを滲ませ、試合を通して締めくくる力に課題が残ると振り返りました。
エンジェル・リースは自身の記録達成よりチームの勝利の方が重要だと強調し、「連敗が続いて苦しい状況だが、チーム一丸となって乗り越えるしかない」と早期の立て直しへ意気込みを示しました。
マーキュリーのネイト・ティベッツHCは「どんな状況でも選手たちは決して諦めなかった」と16点差を跳ね返したチームの粘り強さを称賛し、終盤まで集中力を保った点を評価しました。
逆転勝利の立役者となったサバリーは「全員で掴んだ勝利だ」と試合を振り返り、ホームでの戦いに自信を深めていました。