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リバティ、ヴァルキリーズとの激戦を制し無敗維持

現地時間2025年5月29日、昨季王者のニューヨーク・リバティ(5勝0敗)が今季から新規参入したゴールデンステート・ヴァルキリーズ(2勝3敗)をホームのバークレイズ・センターで迎え撃ち、82‑77で競り勝ちました。

両チームは2日前にも対戦し、その際はリバティが95‑67でヴァルキリーズを圧倒しましたが、今回の再戦は開始から拮抗した展開となりました。

第1クォーターはリバティが一時12‑3のランでリードを広げる場面もありましたが、ヴァルキリーズもシシリア・ザンダラシニの投入で流れを立て直し、20‑18と僅差で第1Qを終えます。前半終了時には37‑37と同点まで追いつき、前回大敗したヴァルキリーズが王者相手に見事な巻き返しを見せました。

後半に入っても緊迫した攻防が続きました。リバティはターンオーバーがかさみ攻撃が停滞し、第3Qまでに主力のブリアナ・スチュワートとナターシャ・クラウドがフィールドゴール1/8と静かな立ち上がりでしたが、代わってサブリナ・イオネスコが前半だけで17得点を挙げる活躍でチームを支えました。

一方、ヴァルキリーズでは新人フォワードのジャネル・サラウンが果敢にゴールを狙い、前半だけで10得点を記録してチームを牽引します。

第3クォーター終了時点でもスコアは57‑56とリバティの1点リードに過ぎず、試合は最後まで予断を許さない展開となりました。迎えた第4クォーター、序盤にリバティが5連続得点で一旦リードを広げましたが、ヴァルキリーズも粘りを見せます。残り3分54秒、ヴァルキリーズはセンターのテミ・ファグベンルが速攻からレイアップを沈め、72‑71とこの試合で初めてリードを奪いました。

以降も一進一退のシーソーゲームが続き、この試合ではリードが20回入れ替わり、16回もの同点を数える激戦となりました。

残り1分35秒にはスチュワートがフリースローを2本決めてリバティが78‑77と再び優位に立ちます。

ヴァルキリーズも最後まで食い下がりましたが、直後の3本の3ポイントシュートが決まらず、さらにタイムアウト後のスローインで5秒バイオレーションを犯してチャンスを逃しました。

逆にリバティは残り24秒、クラウドがスチュワートの存在感を利用して生まれたスペースから果敢にドライブし、貴重なレイアップを沈めて80‑77とリードを広げます。最後はヴァルキリーズの同点を狙った3ポイントもリングに嫌われ、試合終了のブザーが鳴りました。リバティは辛くも接戦を制して開幕からの無敗を守り抜きました。

注目選手とスタッツ


この試合で光ったのは両チームのエースの働きでした。

リバティではブリアナ・スチュワートが27得点・7リバウンド・4アシスト・3ブロックの活躍を見せ、特に後半はリバウンド争いで粘り強さを発揮して自らフリースローを勝ち取り、着実に得点を重ねました。

サブリナ・イオネスクも24得点を挙げ、前半だけで5本の3ポイントシュートを沈める猛攻で会場を沸かせました。クラウドは得点こそ控えめでしたが、試合終盤の勝負所でドライブからレイアップを成功させ、さらにフリースローでダメ押し点を加える勝負強さを発揮しています。

なおリバティはこの日インサイドでの得点が伸び悩み、ペイント内得点は今季最低の18点に留まりました。主力センターのジョンケル・ジョーンズを右ハムストリングの負傷で欠いていたことも影響し、リバウンド面で苦戦する場面が見られました。敗れたヴァルキリーズも得るものの多い内容でした。

新人のジャネル・サラウンはチーム最多の18得点・13リバウンドと意地を見せ、自身初のダブルダブルを達成しています。

サラウンはチームで唯一二桁得点を記録し、重要な局面でも積極的にシュートを狙い続けました。

またフォワードのモニーク・ビリングスはベテランとして要所でリバウンドや守備に貢献し、前半には途中出場のシシリア・ザンダラシニがベンチから即座に得点を重ねてチームに流れを引き寄せるなど、ヴァルキリーズは総力戦で王者にあと一歩まで迫りました。

試合後のコメント

試合後、ニューヨークのサンディ・ブロンデロ・ヘッドコーチは、

「ゴールデンステートを称賛します。2日前に28点差で勝利した後の試合はメンタルの面で難しく、さらにJJ(ジョーンズ)不在という状況でした。しかし、それでも私たちはもっとタフに戦わなければいけなかった」

と振り返り、相手の健闘を称えつつ自チームの課題にも言及しました。

ブロンデロHCはまた、エースのスチュワートについて、

「彼女は“負けたくない”という強い意志を体現してくれました」

とその闘志を評価しています。
同席したサブリナ・イオネスコも、

「だからこそ彼女(スチュワート)は史上最高の選手の一人なのです」

と続け、チームメイトのリーダーシップを称賛しました。
一方、当のスチュワートは、

「勝利のためにできることは何でもやるつもりでした」

と淡々と語り、自らのプレーを振り返りました。

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