バスケットボールだけに集中できた特別な環境
レブロン・ジェームズが、自身の全てのチャンピオンシップの中でも特別な位置を占める2020年NBAバブルについて、スティーブ・ナッシュとの「Mind the Game」ポッドキャストで興味深い見解を示しました。
レイカーズをその年の優勝に導いた彼にとって、バブルは「ゲームの最も純粋な形」だったといいます。
「多くの人がそれを最も純粋なバスケットボールの形だと言うことに同感だ。それは完全にバスケットボールだった。私たちは皆、人生で好きなことを何でもする能力を持っている。大金を稼いで、あらゆるアクセスを持っているが、バブルではそれがなくなった」
とレブロンは振り返ります。
この発言は、現代のスーパースターアスリートが直面する日常の贅沢と誘惑から完全に切り離された環境で、純粋にスポーツに専念することの価値を浮き彫りにしています。
「『レストランに行こう』とか『これをしよう』と言えない。そういうことは一切できない。バブルでの全てはバスケットボールに関することだけだった」
この制約された環境は、一見すると不便に思えるかもしれませんが、レブロンにとっては究極の集中状態を生み出す要因となりました。
社会問題や警察による暴力といったコート外の重要な議論も行われていましたが、バスケットボールの部分に焦点が当たった時、それが全てでした。
究極の集中力が試される環境
レブロンが特に強調するのは、バブルでの集中力の維持がいかに困難で、同時に価値あるものだったかという点です。
「私が獲得した全てのチャンピオンシップの中で、その集中レベルは特別だった。仕事を成し遂げるために、どれだけ長く集中を維持できるか?」
彼は、慣れ親しんだライフスタイルから切り離されることで生じる心理的な挑戦について率直に語りました。
「集中から外れる理由は山ほどある。特定のライフスタイルに慣れているから『もうたくさんだ、こんなことはしたくない、なぜここにいるのか?』となってしまう。特定の食事が取れない、これができない、家族に会えない。そして、なぜそこにいるかを簡単に見失ってしまう可能性がある」
この心理的な葛藤こそが、バブルでの優勝をより価値あるものにしている要因だとレブロンは考えています。物理的な制約と心理的なプレッシャーの中で、最高レベルのパフォーマンスを維持することは、通常のプレーオフ以上の精神的な強さを要求されました。
予期せぬチームの絆深化
バブルでの体験で最も予想外だったのは、チームメイト同士の絆が深まったことでした。
「最初は部屋に1〜2人のチームメイトしかゲストとして招けなかった。でも、その規則を一度破ったんだ。お互いの部屋に勝手に居座ってトランプをした」
とレブロンは笑いながら回想します。
「それは狂った絆の体験に変わった。通常、ファイナルやプレーオフでの遠征中、チームメイトの部屋にそれほど頻繁に行くことはない。みんな自分のルーティンがあるからだ。でもバブルでは選択肢がなかった。俺と、チームメイトと、コーチングスタッフしかいなかった」
この強制的な共同生活は、選手たちに新しい形のチームワークを築かせました。
「『おい、来いよ、ワイン一杯飲もう』『何かしなきゃ。妻もいない、子供たちもいない。一緒に過ごそう』となった」
この状況は、通常では得られない深いレベルでの選手同士の理解と信頼関係を生み出しました。
興味深いことに、レブロンはバブルでの人間関係についても言及しています。
リーグ関係者から「メディアの人々やホテルスタッフに対してとても親切にしていたので、自分たちにホームコートアドバンテージを作り出した。ファイナルでそこにいた全員があなたを応援していた」と言われたとのことです。
レブロンは謙遜しながらも、
「母親が私をある方法で育てた。状況に関係なく、人々に親切にしろと。それに、96日間毎日その人たちと顔を合わせなければならない。俺が食べたい食べ物に何をされるか分からない!」
と冗談交じりに語りました。
最終的に、レブロンはバブルでの体験を「素晴らしい体験だった。挑戦的だった。人生で最も素晴らしく、最もクレイジーな体験の一つだった」と総括しています。
この言葉は、2020年のバブルが単なるバスケットボールの大会を超えて、参加者全員にとって人生を変える体験だったことを物語っています。
引用:HOOPSHYPE

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