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スー・バードがクラーク記録更新を期待:「5年で破らないと困る」と笑顔で激励

女子バスケ史上最高のパサーからの期待

女子バスケットボール史上、スー・バードほど優れたパス技術を持つ選手はいないでしょう。4度のWNBAチャンピオン、13度のWNBAオールスター、5度のオリンピック金メダリストである彼女は、WNBA通算アシスト記録3234という偉大な記録の保持者でもあります。

しかし、バードのアシスト記録について最も驚くべき点は、彼女がWNBAの1シーズンで記録した最多アシスト数がわずか221であることです。この数字は、リーグ史上のシーズン記録では22位タイという位置にあります。

その22位という数字が奇妙な巡り合わせを生んでいます。

インディアナ・フィーバーのスターガード、ケイトリン・クラークは2024年のルーキーシーズンに337アシストを記録し、シーズン記録を更新しました。もしクラークが健康を維持し、彼女に運命づけられているように見える長く輝かしいキャリアを送ることができれば、バードの通算アシスト記録は十分に手の届く範囲にあります。

試合数増加がもたらす記録更新の現実

バードは6月10日の「No Offseason: The Athletics Women’s Basketball Show」への出演で、この興味深い状況について語りました。クラークが自身の通算アシスト記録を破る可能性について聞かれた際、彼女は率直な分析を示しました。

「これらの記録にはもうチャンスがない。なぜなら今の選手たちは遥かに多くの試合をプレーしているからだ」

とバードは説明しました。

「試合数のことであまり混乱したくはないが、現実は現実だ。記録は破られるためにあるものだから、それについて特別な感情はない」

さらに彼女は、現代の選手たちへの期待を込めてこう続けました。

「私はキャリアの大部分を34試合でプレーした。だから今の選手たちはこれらの記録に対して時間的な猶予があるんだ。5年くらいでそれらの記録を破らないと困る」

この発言は、WNBAのレギュラーシーズンが現在44試合に拡大し、2024年には40試合だったという事実を踏まえています。

さらに、2026年に新しい労働協約が締結されれば、シーズンスケジュールはさらに拡大される可能性が高いとされています。

世代を超えた記録継承への理解

バードの発言で最も印象的なのは、記録更新に対する彼女の前向きな姿勢です。多くのアスリートが自身の記録に固執する傾向がある中で、バードは記録が破られることの自然さと必要性を理解しています。

「記録は破られるためにあるもの」

という彼女の哲学は、スポーツの進歩と世代交代の美しさを体現しています。より多くの試合機会を得た新世代の選手たちが、前世代の記録を上回ることは自然な流れであり、それこそがスポーツの発展を示すものだという考え方です。

バードの「5年くらいで破らないと困る」という冗談交じりの激励は、クラークに対する期待の高さを物語っています。これは単なる記録更新への期待ではなく、クラークがWNBAと女子バスケットボール界全体をさらなる高みへと押し上げる存在であることへの確信を示しています。

現在のWNBAを取り巻く環境の変化は急速です。試合数の増加、観客動員数の向上、メディア露出の拡大、そして新しいスター選手たちの登場。これら全ての要素が、リーグの歴史的な記録を塗り替える絶好の機会を生み出しています。

クラークはすでにルーキーシーズンでシーズンアシスト記録を更新し、バードの予言通りのペースで記録更新への道を歩んでいます。

もし彼女が健康を維持し、現在のレベルを10年以上続けることができれば、バードの通算記録更新は現実的な目標となるでしょう。

スー・バードからケイトリン・クラークへ。この記録継承は、単なる数字の変更以上の意味を持ちます。それは、女子バスケットボールの発展と、世代を超えて受け継がれる技術と情熱の証明なのです。


引用:YARDBAKER

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