大学時代の活躍
ペイジ・ビューカーズはコネチカット大学 (UConn) で輝かしい活躍を遂げました。2020-21年の1年生シーズンからエースとしてチームを牽引し、同年には全米大学女子バスケットボール界で史上初めて新人にして年間主要個人賞(ウッデン賞、ネイスミス賞、AP通信年間最優秀選手賞など)を総なめにしています。
UConnでの4年間でチームを毎年NCAAトーナメントのファイナルフォー(ベスト4)に導き、2022年と2025年には全国大会の決勝に進出しました。特に在学最終年の2024-25シーズンには主将として平均約20得点の活躍を見せ、UConnを通算12回目の全米優勝に導いています。
大学通算で1試合平均19.8得点という高水準の得点力を記録し、これはUConn女子チーム史上最高の平均得点記録となりました。またビッグ・イースト・カンファレンス(所属リーグ)で3年連続で年間最優秀選手に選出されるなど、大学在学中に数多くの栄誉に輝きました。
怪我と復帰
華々しい成績の一方で、大学時代には大きな怪我にも見舞われました。2年生シーズン中の2021年12月に膝の骨折と半月板損傷の重傷を負い、約3か月間戦列を離れました。
しかし懸命なリハビリの末、2022年3月には復帰してチームのNCAAトーナメント準優勝に貢献します。
その後、3年生に進級した直後の2022年8月には今度は右膝の前十字靭帯断裂という大怪我を負い、2022-23シーズンは全休となってしまいました。
約1年に及ぶ治療とリハビリを経て迎えた4年生(レッドシャツ・ジュニア)としての2023-24シーズン、ビューカーズは見事復活を遂げます。1試合平均21.9得点・5.2リバウンド・3.8アシストというエースとしての大黒柱の働きを見せ、シーズンを通じて全39試合に先発出場しました。
復帰後初戦では本人は「感覚を取り戻すまで時間がかかる」と語ったものの8得点・7リバウンドを記録し、長期離脱からの順調な回復を印象付けました。そのシーズンのNCAAトーナメントでも活躍を続け、チームはファイナルフォーに進出しています。
さらに大学5年目(レッドシャツ・シニア)となった2024-25シーズンには主将としてチームを牽引し、自身も平均19.9得点・4.6アシストという成績で数々の個人賞を受賞しました。
NCAAトーナメントでは1試合で自己最高の40得点を挙げる圧巻のパフォーマンスも披露し、UConnを2016年以来となる全米チャンピオンに導いています。
名将ジェノ・オリエマ監督も「彼女は世界最高の選手」と称えるほどの存在感を示し、ビューカーズは大学で成し遂げ得るあらゆる栄誉を手にした形です。
国際大会での経験
ビューカーズはユース年代から米国代表として活躍しており、国際大会の経験も豊富です。2017年のFIBA U16女子アメリカ選手権で金メダルを獲得したのを皮切りに、2018年にはFIBA U17ワールドカップとユースオリンピック(3×3)でも金メダルを獲得しました。
さらに2019年のFIBA U19ワールドカップでもアメリカ代表の主力として優勝を果たし、大会MVPに選出されています。これらの活躍により、2019年にはUSAバスケットボール協会から年間最優秀女性選手にも選ばれました。若くして世界を相手に培った国際舞台での経験は、彼女のメンタル面とプレーの幅を一層成長させる糧となりました。
WNBAドラフトとプロキャリアの開始
大学で圧倒的な実績を残したビューカーズは、最終学年終了後にプロ入りを表明し、2025年のWNBAドラフトにエントリーしました。
2025年4月のドラフトでは全体1位指名を受け、ダラス・ウィングスへの入団が決定します。UConn出身の全体1位指名選手は史上6人目で、ブレイナ・スチュワート(2016年指名)以来の快挙でした。
ドラフト指名直後、ウィングスのゼネラルマネージャーはビューカーズと電話で交信し、「ペイジ! レッツ・ゴー!(行くぞ!)」と興奮気味に声をかけて歓迎しました。
本人も「チームに加われてとても興奮している」と喜びを語り、球団全体が彼女を将来のフランチャイズの顔となるスター選手として大いに期待しています。
WNBAでの活躍と最新情報
プロ1年目となる2025年シーズン、ビューカーズはダラス・ウィングスで開幕ロースターに名を連ねました。5月16日の開幕戦(対ミネソタ・リンクス)では先発ガードとしてWNBA公式戦デビューを果たし、10得点・7リバウンドを記録しました。
試合は惜しくも敗れましたが、ビューカーズはチームのシーズン第1号得点を挙げるなど新人らしからぬ落ち着きを見せています。
その後の試合でも徐々にプロの舞台に適応し、5月29日のシカゴ・スカイ戦では36分間の出場で15得点・8アシスト・5リバウンド・3スティール・3ブロックとオールラウンドな活躍を見せました。
しかし同試合中の接触で脳震盪を負ってしまい、翌日からリーグの脳震盪プロトコルに入ったため5月末から6月上旬にかけて4試合を欠場しています。チームも彼女不在の間は白星を挙げられず苦戦しましたが、幸い脳震盪の症状自体は軽減し、6月にはプロトコルを無事クリアしました。
ただし直後に体調不良にも見舞われたため復帰はもう少し先になる見込みです。ウィングスのチームメイトやファンは「スター新人」であるビューカーズの不在を嘆きつつ、1日も早い復帰を待ち望んでいます。大学時代から圧倒的な勝負強さとリーダーシップで活躍してきた彼女だけに、プロの舞台でも万全の状態で本領を発揮してくれることが期待されています。

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