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ジャシー・シェルドン──努力で道を切り拓くガードの成長物語

コネティカット・サンでプレーするジャシー・シェルドン(背番号4)。2024年シーズン終了後、シェルドンは4チーム間にまたがる大型トレードによりコネティカット・サンへ移籍しました。

ダラス・ウィングスでルーキーシーズンを戦った後、新天地サンで2年目のシーズンに臨んでいます。2025年開幕戦では先発出場し、デビュー戦でいきなり11得点をマークする順調なスタートを切りました。

以降、一時は無得点の試合も経験しベンチスタートに回る場面もありましたが、5月下旬の試合では6得点・7アシスト・4スティールとオールラウンドな活躍を見せるなど着実に適応を深めています。

特に6月8日に行われた古巣ワシントン・ミスティクス戦では、シェルドンが今季自己最多となる15得点を記録して存在感を発揮しました。

この試合でシェルドンはフィールドゴール6/8、3ポイントも3/5成功と高いシュート成功率を残し、23分の出場ながら1リバウンド・1アシスト・1スティール・1ブロックもマークしています。

ベンチからの出場で効率良く得点を重ねたこのパフォーマンスについて、現地メディアも「非常に効率的な活躍」と評価しています。

2025年シーズン序盤はチームのガード陣に故障者が出たこともあり先発起用される試合もありましたが、近頃では主にシックスマンとして貴重な得点源になりつつあります。幸い大きな怪我の情報は無く、シェルドンは2年目の飛躍を目指して与えられた役割を全うし、着実に経験を積んでいるようです。

キャリア

ジャシー・シェルドンは2000年生まれのオハイオ州出身で、高校時代から州を代表するガードとして注目されました。

幼い頃から憧れていた地元の名門オハイオ州立大学(Ohio State)に進学し、2019年から5年間プレーしています。

1年生から主力として頭角を現すと、3年生時の2021-22シーズンには平均19.5得点・4.0アシストの成績を残してビッグ・テン・カンファレンスのファーストチーム及びオールディフェンシブチームに選出され、AP通信オールアメリカンのオナラブルメンションにも選ばれました。

4年生となった2022-23シーズンは足の負傷により大半を欠場する逆境に見舞われますが、シーズン終盤に復帰すると迎えたNCAAトーナメントで躍動します。

3月のトーナメント2回戦(ラウンド32)では残り1.8秒で決勝のジャンプショットを沈めてチームを劇的な勝利に導き、続くスウィート16(Regional Semifinal)では強豪コネチカット大学相手に17得点7リバウンドの活躍を見せ、オハイオ州立大を30年ぶりのエリート8(Regional Final)進出へと導きました。

怪我から立ち直りチームの躍進を支えたシェルドンは、最終学年となった5年生シーズン(2023-24)にキャリア最高の平均18.0得点・3.7アシストを記録し、チームをビッグ・テンのレギュラーシーズン優勝に導いて自身もAP通信オールアメリカンセカンドチームに選出されています。

大学5年間での通算得点は2,009点に達し、オハイオ州立大学女子バスケ史上6番目の記録となりました。通算247スティール(歴代6位)・通算187本の3ポイント成功(同8位)などスタッツ面でもチーム史に名を残す存在で、少なくとも1,900点・400リバウンド・350アシスト・200スティール・150本の3ポイントという数字を全て達成した同校史上わずか3人の一人でもあります。

在学中には1試合11スティールを記録してスクール記録に並ぶ離れ業も達成しており、攻守両面でチームに貢献するオールラウンドなプレースタイルが持ち味でした。身長178cmのガードながら高い得点力と機動力を兼ね備え、大学最終年度には全米トップポイントガード賞であるナンシー・リーバーマン賞の候補(ファイナリスト)にも名を連ねています。

こうした活躍からWNBAでも有望株と目され、ドラフト前には多くの予想で1巡目指名が確実視されていました。

実際の2024年WNBAドラフトではダラス・ウィングスから全体5位指名を受けて入団します。ルーキーイヤーとなった2024年シーズン、シェルドンは開幕当初こそ控えからのスタートでしたが、チームの負傷者続出もあって徐々に出場時間を増やし6月には先発ローテーションに定着します。

最終的にレギュラーシーズン全40試合中26試合で先発を任され、平均5.4得点・2.5アシストの成績を残しました。

特にフリースロー成功率では92.6%を記録しルーキー中トップとなる安定感を示しています。7月5日の試合ではシーズンハイの17得点をあげ、8月25日には8アシストを記録するなど着実にプロの舞台に順応しました。チーム自体は残念ながら下位に沈みプレーオフ進出はなりませんでしたが、新人として期待以上の存在感を発揮したシーズンだったと言えるでしょう。

迎えたオフシーズン、さらなる飛躍を期すシェルドンに転機が訪れます。

2025年2月、主力選手を含むトレードに絡めてダラスからコネティカット・サンへの移籍が電撃的に成立しました。

移籍先のサンでは若手のシェルドンにとって新たな挑戦の場となりましたが、前述のとおり2025年シーズン序盤から早速持ち味を発揮しており、チーム内での役割も徐々に大きくなっています。

また、競技と並行して母校オハイオ州立大学のスタッフ職にも就いており、2024年11月には同大学女子バスケットボール部の育成ディレクターに就任しました。オフシーズンには後進の指導にも携わりつつ、WNBA選手として自身の成長にも余念がないようです。

シェルドンはまだキャリア2年目ながら、大学で培った得点力と守備力を武器にWNBAでも着実に存在感を高めています。

今年2025年は新天地での飛躍が期待されるシーズンとなっており、今後さらなる成績向上やチームへの貢献次第ではリーグ内での評価も一層高まることでしょう。その若さと情熱で、今後のワシントン・ミスティクス…いえ現在所属するコネティカット・サンでの活躍から目が離せません。

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