WNBA史上最高の選手の一人、エイジャ・ウィルソンに異変が起きています。これまで輝かしい実績を誇ってきた絶対王者が、今シーズンは思わぬ苦戦を強いられているのです。ラスベガス・エースの低迷と共に、彼女個人のパフォーマンスにも暗雲が立ち込めています。
史上最速記録達成も!隠しきれないシュート成功率の大幅低下
エイジャ・ウィルソンの輝かしい経歴は語り尽くせないほどです。3度のMVP、6度のオールスター選出、5度のオールWNBA選出、ファイナルMVP受賞など、まさに現代WNBAを代表するスーパースターです。今週には、WNBA史上最速となる238試合での5000得点達成という新記録も樹立しました。
しかし、栄光の裏で深刻な問題が浮上しています。今シーズンの彼女のフィールドゴール成功率は44%と、キャリア最低を記録しているのです。昨シーズンの51.8%から大幅に下落し、平均得点も26.9点から21.3点へと5点以上も減少しています。
特に問題となっているのは、5-9フィート(約1.5-2.7メートル)の距離からのシュート成功率です。この範囲での成功率はわずか30%と、コート上で最も効率の悪いエリアとなってしまっています。昨シーズンの同距離での51%と比較すると、その落ち込みの激しさが分かります。
戦術変更の罠?得意な中距離を封印した代償
詳細な分析により、ウィルソンの不調の原因が明らかになってきました。彼女は今シーズン、得意としていた15-19フィート(約4.5-5.8メートル)からのシュートを大幅に減らしています。昨シーズンは全シュートの19%を占めていたこの距離からの試投が、今シーズンはわずか7.8%まで減少しているのです。
代わりに増えているのが、苦手な5-9フィートからのシュートです。この距離での試投が全体の31%を占めるようになり、結果として全体の効率を大きく下げる要因となっています。なぜ得意な距離でのシュートを避け、不得意な距離での攻撃が増えたのか、戦術面での疑問が残ります。
3ポイントシュートでも苦戦は続いており、成功率は20%と昨シーズンの31.7%から11.7ポイントも下落しています。エースの主力武器が軒並み不調に陥っている状況は、チーム全体の戦力低下に直結しています。
ベッキー・ハモン監督の痛烈批判!「基本もできていない」
チームの低迷を受けて、ベッキー・ハモン監督は記者会見で選手たちに対する痛烈な批判を展開しました。「私たちは基本的なバスケットボールができていません。スクリーン、ボックスアウト、これらは選手たちが生涯聞き続けてきたことなのに、うまくできていないのです」
さらに監督は「基本をマスターしなければならないのに、私のチームはそれができていない。だから我々は2フィートの水でも溺れ続けるのです」と、厳しい言葉でチームの現状を表現しました。
2度の優勝を誇る王者チームとは思えない言葉です。ウィルソンの個人的な不調に加え、ベンチの薄さ、ディフェンス面での課題、ケルシー・プラムの代役となったジュエル・ロイドの力不足など、問題は山積みです。
現在7勝8敗と負け越しているエースが、再びチャンピオンシップを目指すためには、ウィルソンのMVPレベルでの復活が不可欠です。歴史的に優秀な中距離シューターである彼女が、シーズン後半に向けてコンディションを立て直せるかどうかが、チームの命運を握っています。
引用:YARDBARKER

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