NBA界に激震が走りました。デトロイト・ピストンズのマリク・ビーズリーが、NBAの試合と個人成績への賭博疑惑で連邦検察の捜査を受けていることが明らかになったのです。この疑惑により、ピストンズとの3年4200万ドルの契約交渉は完全にストップ。昨シーズン6thマン賞の次点に選ばれ、フリーエージェント市場でも注目株だった28歳のシューターのキャリアが重大な岐路に立たされています。
2024年1月から異常なベッティング活動!スポーツブックが連邦当局に通報
この疑惑の発端は、2024年1月頃から始まった「異常なベッティング活動」でした。大手スポーツブックが、ビーズリーの個人成績に関するプロップベット(特定の選手の得点やリバウンドなどに賭けること)で不自然な動きを察知し、連邦当局に通報したのです。
当時ビーズリーはミルウォーキー・バックスでプレーしており、77試合に先発出場して平均11.3得点、3ポイント成功率41%という安定した成績を残していました。しかし、その裏では自身に関する賭けが行われていた可能性があるということになります。
ビーズリーの弁護士スティーブ・ハニーは「捜査は起訴ではない。マリクは米国憲法の下で誰もが持つ無罪推定の権利を有している。現時点で彼は何も起訴されていない」と強調しています。また、NBA広報担当のマイク・バスも「我々は連邦検察の捜査に協力している」との声明を発表しました。
この種の捜査は、プロスポーツ界において極めて深刻な問題として扱われます。選手自身が自分の成績や試合結果に賭けることは、競技の公正性を根本から揺るがす可能性があるためです。
3年4200万ドル契約が白紙!フリーエージェント市場14位の価値が一瞬で蒸発
この疑惑により、ビーズリーのキャリアは大きな打撃を受けています。ピストンズとは3年4200万ドルという大型契約の「最終段階の交渉」を行っていましたが、現在は完全に中断されています。
昨シーズンのビーズリーは、まさにキャリア最高の年を送っていました。1年600万ドルという格安契約で加入したにも関わらず、平均16.3得点、3ポイント成功率41%という素晴らしい成績を残し、NBA6thマン賞の投票で2位に選ばれました。
特に注目すべきは、彼がシーズン中に成功させた3ポイントシュート319本という数字です。これはミネソタ・ティンバーウルブズのアンソニー・エドワーズの320本に次ぐリーグ2位の記録で、「300本以上の3ポイント成功と40%以上の成功率を両立」というNBA史上3人目の偉業も達成していました。
Yahoo Sportsのフリーエージェント市場ランキングでは14位、シューティングガード部門では4位という高い評価を受けていたビーズリーでしたが、この疑惑により市場価値は一瞬にして不透明になりました。
ピストンズの補強計画にも大打撃!緊急プランB発動の可能性
この疑惑は、ビーズリー個人だけでなく、ピストンズの今後の戦略にも大きな影響を与えています。チームは昨シーズン、2019年以来初のプレーオフ進出を果たし、その原動力の一つがビーズリーの活躍でした。
ピストンズは既に代替案の検討を始めており、先週のNBAドラフト2巡目でテネシー大学のシューター、チャズ・ラニエを指名しています。また、フリーエージェントのニキール・ウォーカー・アレクサンダー獲得の有力候補としても報じられており、ビーズリー問題により、これらの動きが加速する可能性があります。
ビーズリーの疑惑は、現代のスポーツ界における賭博問題の複雑さを浮き彫りにしています。合法化が進むスポーツベッティング市場の拡大と、選手たちのSNS等を通じた情報発信の増加により、「インサイダー情報」の価値は以前にも増して高まっています。
現時点では捜査段階であり、起訴されたわけではありませんが、この問題の行方はビーズリーのキャリアはもちろん、NBA全体の賭博問題への対応にも大きな影響を与えることになりそうです。プロスポーツの公正性を守るための戦いは、まだ始まったばかりなのかもしれません。
引用:YAHOOSPORTS

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