NBAトレード市場でまたしても大きな動きがありました。サクラメント・キングスがヨナス・バランチュナスをデンバー・ナゲッツにトレードし、引き換えにダリオ・サリッチを獲得したことが発表されました。指名権なしの直接交換という形で成立したこの取引により、ナゲッツは今オフシーズンでバランチュナス、ブルース・ブラウン、キャム・ジョンソンという大物選手の獲得に成功し、「フロントオフィスによる強奪劇」と評される充実ぶりを見せています。
ナゲッツのオフシーズン補強が驚異的
デンバー・ナゲッツの今オフシーズンの動きは目を見張るものがあります。まずキャム・ジョンソンを獲得し、続いてブルース・ブラウンとの再契約、そして今回のバランチュナス獲得と、わずか数日で大幅な戦力アップを実現しました。特に今回の取引は「ナゲッツフロントオフィスによる新たな強奪劇」と専門家からも絶賛されています。
バランチュナスは昨シーズン、出場時間あたりのリバウンド数でNBA首位を記録し、インサイドでのフィニッシュ成功率67%、フックショット成功率44%という素晴らしい数字を残しています。31歳のベテランセンターは、ニコラ・ヨキッチと組むことで、ナゲッツのインサイド攻撃に新たな次元をもたらすことが期待されます。
一方で、この取引によりナゲッツは第1段階贅沢税ライン(First Apron)でハードキャップされることになりました。キャップ専門家によると、ナゲッツは第1段階ラインを約630万ドル下回る状況で、今後の大型補強は困難になる見込みです。それでも、現在のロスター構成を考えれば十分すぎるほどの戦力を整えたと言えるでしょう。
バランチュナスの短いキングス時代
ヨナス・バランチュナスにとって、サクラメントでの時間は非常に短いものでした。今年2月にワシントン・ウィザーズからトレードで加入したものの、わずか32試合の出場に終わりました。キングスとしては期待していたほどのフィット感を得られなかったというのが実情のようです。
バランチュナスの契約は2年総額2040万ドルで、2年目(1000万ドル)は無保証となっています。ナゲッツとしては比較的リスクの少ない契約で質の高いセンターを獲得できたことになります。キングスが受け取ったサリッチは540万ドルの1年契約で、2026年にはUFAとなる予定です。
興味深いことに、複数の専門家がこの取引がキャム・ジョンソン獲得と連動した複合取引の一部である可能性を指摘しています。ボビー・マークスは「バランチュナスとキャム・ジョンソンの取引が相互に関連している可能性が高い。それによって第1段階ハードキャップを回避できる」と分析しています。
3チーム取引の可能性と今後の展望
一部の専門家は、この取引がより大きな3チーム取引の一部である可能性も示唆しています。ライアン・ブラックバーンは「ナゲッツ、キングス、ネッツによる3チーム取引として、ナゲッツがキャム・ジョンソンとバランチュナスを獲得、キングスがサリッチを獲得、ネッツがマイケル・ポーターJr.と2032年1巡目指名権を獲得する構想もあり得る」と予想しています。
ただし、現時点では単純な2チーム間の直接交換として処理されており、追加条件はないことが確認されています。ナゲッツとしては、今回の取引でロスターの深さと多様性を大幅に向上させることに成功しました。
今回の取引により、ラッセル・ウェストブルックのデンバー復帰の可能性は低くなったとの見方もあります。バランチュナスのプレースタイルは、ウェストブルックが好む速いペースのバスケットボールとは相性が良くないためです。
ナゲッツは現在、ヨキッチ、ジャマール・マレー、アーロン・ゴードンに加えて、キャム・ジョンソン、バランチュナス、ペイトン・ワトソン、クリスチャン・ブラウンという充実したロスターを擁しており、来シーズンのタイトル争いでも有力候補として名前が挙がることは間違いないでしょう。
引用:HOOPSHYPE

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