インディアナ・フィーバーが3連勝を飾った7月16日のコネチカット・サン戦。85-77での勝利の陰で、エースのアリーヤ・ボストンが今季最悪とも言える不調に陥っていました。
わずか11得点、シュート成功率25%(2/8)という数字は、シーズン平均の16.0得点、成功率57.7%を大きく下回るもの。しかし、試合後の記者会見で、チームメイトのソフィー・カニンガムがボストンへの強いメッセージを発信しました。
「彼女は注目を集めることで全員のスペースを作る」カニンガムが明かすボストンの真価
記者から「ボストンの厳しいシューティングナイト」について質問されたカニンガムは、迷うことなくボストンの重要性を強調しました。
「彼女はとても多くの注目を集めるんです。相手は彼女をガードしなければならない。彼女がその注目を引きつけることで、タシュ(ナターシャ・ハワード)のような選手にスペースが生まれる。彼女は私たちのチームで最も無私な選手の一人で、その役割を受け入れている。そして、このような試合に勝つためには、まさにそれが必要なんです」
元フェニックス・マーキュリーのガードであるカニンガム自身も、この試合でベンチから11得点(4/6シュート)、3リバウンド、3スティールを記録。ボストンが作り出したスペースを有効活用していました。
元MVP相手に奮闘!ハワードも称賛「ティナ・チャールズ相手に大変だった」
ナターシャ・ハワードも、ボストンのプレーメイキングを高く評価しました。特に、この試合でボストンは元WNBAMVPのティナ・チャールズとマッチアップしていたことを指摘。
「アリーヤはティナ相手に手一杯だった」とハワード。チャールズという強力な相手と対峙しながら、4アシストを記録したボストンの貢献度を認めています。
ボストンのスタッツライン:
- 得点:11点(シーズン平均16.0点)
- シュート成功率:25%(2/8)(シーズン平均57.7%)
- リバウンド:6本(シーズン平均7.8本)
- アシスト:4本(プレーメイキングで貢献)
数字だけ見れば確かに物足りない内容でした。しかし、チームメイトたちは彼女の見えない貢献を理解していたのです。
3連勝の陰で新たな不安…クラークがまたも鼠径部負傷で途中退場
フィーバーは12勝10敗と勝ち越しを決め、プレーオフ進出に向けて大きな一歩を踏み出しました。しかし、新たな不安材料も生まれています。
ケイトリン・クラークが試合終了間際に鼠径部を負傷し、コートを去ったのです。これは今シーズン2度目の鼠径部の問題で、復帰のタイムラインは不明。チームは彼女がこれ以上欠場しないことを祈るばかりです。
「無私の精神」が生む真のチームワーク
カニンガムの言葉が示すのは、バスケットボールにおける「貢献」の本質です。得点やリバウンドといった目に見える数字だけが全てではありません。
ボストンが体現する「無私の精神」:
- 相手の注目を集めてチームメイトにスペースを作る
- 不調でも自分の役割を全うする
- チームの勝利を個人の数字より優先する
- 困難な状況でも前向きな姿勢を保つ
この精神こそが、フィーバーが3連勝を達成できた理由の一つでしょう。スター選手のクラークが注目を集める中、ボストンのような選手の存在がチームを支えているのです。
次戦はリバティとの大一番!クラーク不在の可能性も
フィーバーの次戦は、7月17日午後7時30分(東部時間)からニューヨーク・リバティとのアウェイゲーム。リーグ屈指の強豪との対戦で、クラークの出場が危ぶまれる中、ボストンの役割はさらに重要になります。
もしクラークが欠場となれば、ボストンがオフェンスの中心として活躍する必要があります。コネチカット戦での不調を払拭し、本来の力を発揮できるか注目です。
カニンガムが語った「無私の精神」。それは単なる美談ではなく、勝利への確かな道筋です。数字に表れない貢献を理解し、評価し合えるチーム。それがインディアナ・フィーバーの強さの源泉なのかもしれません。
ボストンは「アリーヤ・ボストン・デー」制定という名誉を受けたばかり。しかし、彼女の真の価値は、こうしたチームメイトからの信頼と尊敬にこそ表れているのです。
引用:YARDBARKER

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