まるでジキルとハイドのような試合でした。
7月18日(木)、ラスベガスで行われたサマーリーグのボストン・セルティクス戦。ブロニー・ジェームズは前半と後半で全く別人のようなパフォーマンスを見せ、観客を驚かせました。
前半:0得点、6ターンオーバーという悪夢 後半:18得点、華麗なハイライトプレーの連続
最終的にレイカーズは78-87で敗れましたが、ブロニーの後半の爆発は、彼の潜在能力の高さを改めて証明するものでした。
目次
前半の悪夢:「迷子」状態で6ターンオーバー
試合前半のブロニーは、まさに「迷子」でした。プライマリーボールハンドラーとしての役割を任されながら、得点は0。さらに6つものターンオーバーを記録する散々な内容でした。
前半のミスの内訳:
- 左肘を伸ばしたオフェンシブファウル
- パスに熱を込めすぎてジェイレン・ブリッジスにスティール許す
- 潜んでいたケネス・ロフトンJr.を見逃しインターセプト
- コーナーにいるはずのダルトン・ネクトへのパスミス
特に、コートビジョンの欠如から生まれたロフトンへのパスミスは、まだ経験不足な面を露呈しました。
後半の覚醒:「ジェリー」レイアップにユーロステップ!
しかし、後半に入ると別人に変身しました。
第3クォーター早々、マックス・シュルガに対して肩を下げて分離を作り、フローターで初得点。これが堰を切ったように、ブロニーの得点ラッシュが始まりました。
後半のハイライトプレー:
- 「ジェリー」アンド1:クロスオーバーでヒューゴ・ゴンザレスを揺さぶり、柔らかいタッチでフィニッシュ
- ユーロステップ:ロフトンを完全にフェイクアウト
- コーナー3ポイント:冷静に決める
- 力強いアンド1:ロフトンを押し込みながらの得点
第3クォーターだけで10得点を記録し、完全に流れを変えました。
最終スタッツが物語る「両極端」な試合
ブロニーの最終成績:
- 18得点(試合最多)
- 5アシスト
- 3リバウンド
- 1スティール
- 8ターンオーバー(試合最多)
- シュート成功率53.8%(13本中7本)
得点とターンオーバーの両方で試合最多を記録するという、まさに「アップ・アンド・ダウン」な内容でした。
ラスベガス4試合の成長曲線:平均14.3得点!
しかし、全体的に見れば確実な成長が見られます:
ラスベガス・サマーリーグ4試合の平均:
- 14.3得点
- 3.8アシスト
- 2.8リバウンド
- 4.0ターンオーバー
- シュート成功率47.6%
ターンオーバーの多さは課題ですが、得点力とシュート効率の向上は明らかです。
セルティクス側も若手が躍動!ウォルシュがウィンドミル
セルティクス側では、2023年ドラフト2巡目指名のジョーダン・ウォルシュが存在感を示しました。第3クォーターでのパワフルなダンク、第4クォーターでのウィンドミルに加え、3ポイントも2本成功。
ロフトンも12得点、7リバウンド、5アシスト、3スティール、1ブロックと万能な活躍を見せましたが、8ファウル(サマーリーグは10でファウルアウト)と5ターンオーバーという荒さも目立ちました。
ベイズリーの負傷退場がレイカーズに痛手
レイカーズにとって痛かったのは、ダリウス・ベイズリーの負傷退場でした。2019年の1巡目指名選手である彼は、守備の多様性と改善されたオフェンスでロールプレーヤー候補として期待されていました。
第2クォーターに右下肢の怪我で退場する前、8得点、4リバウンド、2ブロックを記録。2つのアンド1も決めており、好調だっただけに残念な退場となりました。
「アスレチックポテンシャル」が開花した後半
ブロニーの試合を総括すると、まだ安定感には欠けるものの、「アスレチックポテンシャル」は間違いなく本物です。
前半の散々な内容から、後半に「スコアリングスイッチ」を入れて18得点を奪う能力。これは、多くの選手が持っていない特別な才能です。
今後の課題:
- ターンオーバーの削減
- コートビジョンの向上
- 試合を通じての安定感
- プレッシャー下での判断力
20歳のブロニーにとって、このような浮き沈みは成長過程の一部です。重要なのは、困難な状況から立ち直る能力を示したこと。
「見るのが辛い」前半から、「なぜ彼が興味深い見込み選手なのかを示した」後半へ。この劇的な変化こそが、ブロニー・ジェームズという選手の可能性を象徴しています。
レイカーズは試合に敗れましたが、ブロニーの成長という意味では、貴重な収穫を得た一戦となりました。
引用:YAHOO!SPORTS

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