ハーデン

【仕掛け人】ジェームズ・ハーデンがビール獲得の「キーボイス」に!エージェントまで説得する異例のリクルート作戦

ブラッドリー・ビールのクリッパーズ移籍の裏で、ジェームズ・ハーデンが異例のリクルート活動を展開していたことが明らかになりました。

ESPNのブライアン・ウィンドホーストによると、ハーデンはビール獲得における「キーボイス(中心的な声)」として、フロントオフィスとビール本人の両方に働きかけ、この移籍を実現させたとのことです。

最も驚くべきは、ハーデンがビールのエージェント、マーク・バーテルスタインとも直接話をしたこと。「スター選手が他のスター選手をリクルートするのはNBAでは普通。でも、他のエージェントをリクルートするのは普通じゃない」とウィンドホーストは指摘しています。

ハーデンが語った「クリッパーズでの成功ストーリー」

ハーデンはビールに対し、自身の経験を例に挙げて説得しました。

「ブルックリンとフィラデルフィアでの失望的な時期を経て、評判が傷ついた後、クリッパーズがどのように自分を受け入れ、キャリアの転換を助けてくれたか」

フェニックスでの失敗により、同じようにリーグ全体での価値が下がっていたビールにとって、この話は心に響いたことでしょう。

さらにハーデンは、昨季キャリアベストのシーズンを送ったノーマン・パウエルを例に挙げ、「ビールがパウエルとどれだけうまくやれるか」を説明。皮肉なことに、そのパウエルはビール獲得のためにトレードで放出されましたが、ハーデンは彼の成功例を使ってビールの可能性を示したのです。

驚異の数字!ハーデンからパウエルへ114アシスト

実際、ハーデンの説得には説得力がありました。昨季、ハーデンはパウエルに114本のアシストを記録。これはNBA全体で19番目に多いアシストコンビネーションでした。

パウエルは、ポール・ジョージに代わってスターターとなり、これまでで最も重いショットクリエイションの負担を担いながら、キャリアベストの得点数を記録。これこそが、ハーデンがビールに示したビジョンです。

ハーデンの実績:

  • 5年連続でアシスト数トップ5入り目前
  • カワイ・レナード復帰後のクリッパーズをトップ10のオフェンスに導く
  • パウエルをキャリアベストシーズンへ導く

ビールにとって「最高のプレイメーカー」との再会

興味深い事実があります。ビールはここ数シーズン、ラッセル・ウェストブルック、デビン・ブッカー、ケビン・デュラントといったスーパースターと共にプレーしてきました。

しかし、ハーデンは「怪我前の全盛期ジョン・ウォール以来、ビールが共にプレーする最高の純粋なプレイメーカー」なのです。

ウォールからのサービスを定期的に受けていた頃、ビールは「真の将来のスーパースター」に見えました。ハーデンとの組み合わせで、その輝きを取り戻せる可能性があります。

エージェントの心を動かした言葉

マーク・バーテルスタインはこう語りました。

「誰も解雇されたくない。それには心の痛みが伴う。でもブラッドリーは、解雇されたことを誰も覚えていないような立場になりたがっている。来シーズンの彼のプレーを覚えていてもらいたいんだ」

この言葉は、ハーデンとの会話がいかに効果的だったかを物語っています。

「たくさんのIF」が付きまとう挑戦

もちろん、この移籍には多くの「もし」が付きまといます:

成功の条件:

  • ビールが昨季のパウエルのようにプレーできるか
  • 怪我の多い30代後半の元スーパースターたちが健康を保てるか
  • 年俸が4500万ドル減っても、モチベーションを維持できるか
  • チームケミストリーが機能するか

しかし、もしこれらが上手くいけば、50勝を挙げ、プレーオフ1回戦でナゲッツを追い詰めたクリッパーズは、来春さらに手強い相手となるでしょう。

そしてビールも、2026-27シーズンの選手オプションを持っているため、活躍次第では来夏により高額な契約を求めて市場に戻ることができます。

ハーデンが示した新たなリーダーシップ

今回の一件は、ハーデンの新たな一面を見せました。かつて「わがまま」「チームを壊す」と批判されていた彼が、今やチームメイトをリクルートし、さらにはエージェントまで説得する「チームビルダー」となっています。

ハーデンの変化:

  • ブルックリン、フィラデルフィアでの失敗から学ぶ
  • クリッパーズで「アシスト王」として復活
  • 若手(パウエル)の成長を助ける
  • ベテラン(ビール)の再生を支援

この変化は、ハーデン自身の成熟と、クリッパーズという環境の良さを示しています。

紙の上では機能しない?それでも…

「ゲームは紙の上でプレーされるものではない」という言葉通り、クリッパーズは実際にコート上で証明する必要があります。

しかし、ビールの加入により、彼らは「より大きな絵」を描く新たな機会を得ました。そしてそれは、「髭のテーブルセッター」ことハーデンのおかげなのです。

サンズで失敗し、年俸を大幅に減らしてまで新天地を求めたビール。彼の再生物語の第一章は、ハーデンという意外な「著者」によって書き始められました。

果たして、この物語はハッピーエンドを迎えるのでしょうか。その答えは、2025-26シーズンのコート上で明らかになります。

引用:YAHOO!SPORTS

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