まさに「家に帰る」という言葉がぴったりの展開となりました。
ミルウォーキー・バックスから衝撃的にウェイブされたデイミアン・リラードが、古巣ポートランド・トレイルブレイザーズと3年4200万ドル(約63億円)で契約合意に達したと、ESPNのシャムズ・シャラニアが報じました。
アキレス腱断裂という選手生命を脅かす大怪我から、リラードは慣れ親しんだポートランドの地で再起を図ることになります。
目次
悪夢のシーズン:血栓からアキレス腱断裂へ
リラードの2024-25シーズンは、まさに悪夢でした。
リラードの負傷歴(2024-25シーズン):
- ハムストリング、鼠径部、ふくらはぎの怪我で58試合出場
- シーズン終盤に右ふくらはぎに血栓が発見される
- 奇跡的に回復し、プレーオフ復帰
- ペイサーズ戦第4戦で左アキレス腱断裂
- わずか2試合半でシーズン終了
健康な時は平均24.9得点、7.1アシスト、4.7リバウンドという「いつものリラード」だっただけに、この怪我の連鎖は残酷すぎました。
バックスの冷酷な決断:1億1300万ドルをウェイブ
最も衝撃的だったのは、バックスの決断でした。
リラードにはまだ1億1300万ドル(約170億円)の契約が残っていましたが、バックスは7月のフリーエージェンシー開始時に彼をウェイブ。ストレッチ条項を使用し、この巨額を複数年に分散してキャップヒットを軽減することを選びました。
アキレス腱断裂から数ヶ月の回復期間が必要な34歳のガード。バックスは「待てない」と判断したのです。
争奪戦から一転、「家」への帰還を選択
The Athleticによると、ウェイブ後は複数の優勝候補チームがリラードに接触したといいます:
リラードに興味を示したチーム:
- ボストン・セルティクス
- ゴールデンステート・ウォリアーズ
- ロサンゼルス・レイカーズ
これらの強豪チームは、怪我のリスクを承知で、リラードの得点力とリーダーシップに賭けようとしました。
しかし、リラードが選んだのは優勝候補ではなく、キャリアの大部分を過ごした「家」でした。
GM、HCとの「複数回の会談」で実現した復帰
シャラニアによると、リラード、ジョー・クローニンGM、チョーンシー・ビラップスHCは、ここ数週間で複数回の会談を重ねたとのこと。
この会談で話し合われたであろうトピック:
- リラードの役割と期待値
- リハビリ計画とタイムライン
- 若手選手との関係性
- チームの将来ビジョン
ブレイザーズにとって、リラードは単なる選手以上の存在。フランチャイズの顔であり、街のヒーローです。
13年のキャリアが物語る偉大さ
リラードのキャリア実績を振り返ると、その偉大さは明白です:
デイミアン・リラードの実績:
- 2012-13年:新人王
- オールスター選出:9回
- オールNBA選出:7回
- MVP投票トップ10入り:5回
- 通算平均:25.2得点、6.7アシスト
特に、クラッチタイムでの決定力は「デイム・タイム」という言葉を生み出したほど。数々の劇的なブザービーターは、NBA史に残る名場面となっています。
アキレス腱断裂からの復帰…34歳での挑戦
しかし、現実は厳しいものです。アキレス腱断裂は、特に30代の選手にとって選手生命に関わる大怪我です。
アキレス腱断裂から復帰した選手の例:
- コービー・ブライアント:35歳で負傷、完全復活ならず
- ケビン・デュラント:30歳で負傷、別人のような選手として復活
- ジョン・ウォール:29歳で負傷、以前のスピードは戻らず
リラードは34歳。年齢的にはコービーに近く、完全復活は簡単ではありません。
なぜポートランドなのか?3つの理由
優勝を狙えるチームからのオファーがあったにも関わらず、なぜリラードはポートランドを選んだのでしょうか?
1. 心理的な安心感 11年間過ごした街での、ファンからの無条件の愛情。リハビリ期間中、この環境は精神的に大きな支えとなるでしょう。
2. プレッシャーの軽減 優勝候補チームでは、早期復帰へのプレッシャーが強くなります。ポートランドなら、じっくりとリハビリに専念できます。
3. レガシーの完成 ポートランドでキャリアを終えることで、フランチャイズ史上最高の選手としての地位を確固たるものにできます。
「まだ終わってない」証明への動機
シャラニアは「バックスからの衝撃的な解雇の後、彼はまだタンクに十分な燃料が残っていることを証明したがっているはずだ」と記しています。
3年4200万ドルという契約は、最盛期の年俸から大幅減となりますが、それでも年平均1400万ドル。ブレイザーズの期待の大きさが伺えます。
今後の注目ポイント:
- 復帰時期(早くても2025-26シーズン中盤?)
- プレースタイルの変化(スピードから技術重視へ?)
- 若手選手へのメンタリング
- フランチャイズとの新たな関係構築
アキレス腱断裂という試練を乗り越え、再び「デイム・タイム」を見せることができるのか。ポートランドのファンは、彼らのヒーローの復活を信じて待つことでしょう。
引用:YAHOO!SPORTS

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