ゴールデンステート・ウォリアーズのオフシーズンが異常事態に陥っています。NBA全30チーム中、唯一フリーエージェントで選手の獲得も再契約も行っていないウォリアーズ。その原因は、22歳の若手スター、ジョナサン・クミンガの去就問題にありました。
NBA インサイダーのジェイク・フィッシャーが木曜日のブリーチャーレポートのライブ配信で報じたところによると、クミンガの代理人側は積極的にシカゴ・ブルズへのサイン&トレードのシナリオを模索していたというのです。しかも、ブルズが制限付きフリーエージェントのジョシュ・ギディーを保持したまま、クミンガを獲得できる方法を探っていたという驚きの内容でした。
ロンゾ・ボール獲得の可能性が消滅!ウォリアーズが求めた条件とは
フィッシャーの報道によれば、この取引がウォリアーズにとって意味を持つためには、ある重要な条件がありました。それは、シカゴからベテランポイントガードのロンゾ・ボールを見返りとして獲得することでした。
しかし、この可能性は完全に消滅しました。ボールは今月初めにクリーブランド・キャバリアーズへトレードされてしまったのです。これにより、ウォリアーズがクミンガとのトレードで得られる対価が大幅に減少することになりました。
さらに興味深いのは、ウォリアーズがベテランビッグマンのニコラ・ブチェビッチ獲得に消極的だという点です。フィッシャーは「ゴールデンステートは、契約最終年の選手のためにクミンガを失うことへの熱意に疑問がある」と報じています。
制限付きフリーエージェントの罠!22歳の才能が引き起こす組織の停滞
クミンガは制限付きフリーエージェントという特殊な立場にあります。これは、他チームがオファーシートを提示しても、ウォリアーズにはそれにマッチする権利があることを意味します。しかし、この状況が逆にチームの動きを完全に止めてしまっているのです。
ウォリアーズがフリーエージェント市場で全く動けない理由は明白です:
- クミンガの契約状況が決まらない限り、サラリーキャップの計画が立てられない
- 他の選手との交渉を進めても、クミンガ問題次第で白紙になる可能性がある
- トレードの可能性も含めて、あらゆるシナリオを想定する必要がある
22歳という若さで、すでにNBAで3シーズンの経験を持つクミンガ。身体能力の高さと将来性から、多くのチームが興味を示すのは当然です。しかし、ウォリアーズにとっては、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンという王朝の中核メンバーが年齢を重ねる中、若い才能を手放すことは大きなリスクとなります。
「ウィンディシティ」への移籍は実現するか?残された選択肢
クミンガのシカゴ行きについては「最低限のデューデリジェンス(事前調査)が行われた」とフィッシャーは表現しています。これは、本格的な交渉というよりも、可能性を探る段階だったことを示唆しています。
しかし、ロンゾ・ボールという重要なピースを失った今、ブルズとの取引が成立する可能性は大幅に低下しました。ウォリアーズが求める対価と、ブルズが提供できるものの間にギャップが生じているのです。
現在の状況を打開するためには、別の道を探る必要があります:
- 他チームとの三角トレードの可能性
- クミンガとの長期契約で合意
- 制限付きフリーエージェント市場での駆け引きを続ける
ウォリアーズのオフシーズン計画は、このクミンガ問題が解決するまで完全に停止状態です。チームの将来を左右する22歳の決断が、フランチャイズ全体を人質に取っているような状況。
ファンにとっては、新たな補強の話題もなく、じれったい夏が続きます。しかし、この膠着状態がいつまでも続くわけにはいきません。近いうちに、何らかの動きがあることは確実です。果たしてクミンガはウォリアーズに残るのか、それとも新天地を求めるのか。その答えが、ゴールデンステートの次の時代を決定づけることになるでしょう。

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