NBAフリーエージェント市場の残り物には、意外な大物の名前が並んでいます。ロサンゼルス・クリッパーズが39歳のクリス・ポール獲得を「強く検討している」という情報が入ってきました。一方、怪我に苦しんできたベン・シモンズには、ニューヨーク・ニックスとサクラメント・キングスが興味を示しているとのこと。両選手とも全盛期は過ぎたものの、適切な役割と価格であれば、チームに貢献できる可能性を秘めています。
20年目でも全82試合先発!39歳ポールが証明した「衰えない価値」
クリス・ポールの耐久性は驚異的です。サンアントニオ・スパーズでの20年目のシーズン、39歳にして全82試合に先発出場。平均8.8得点、7.4アシストという数字は、決して派手ではありませんが、チームに安定感をもたらす十分な成績です。
興味深いのは、クリッパーズがポール獲得を検討している理由です。ポールは2011年から2017年まで6年間クリッパーズでプレーし、パス面で最高のシーズンのうち2つをこの期間に記録しています。「ロブシティ」時代の中心選手として、フランチャイズに黄金期をもたらした功労者でもあります。
現在のクリッパーズは、カワイ・レナードとポール・ジョージという2大スターを擁しながらも、安定したポイントガードに欠けています。ポールの経験とリーダーシップは、優勝を狙うチームにとって貴重な資産となるでしょう。
年齢的な懸念はありますが、全試合出場という実績が、その不安を払拭しています。ベテランミニマム契約であれば、リスクは最小限に抑えられます。
背中の手術から復活?シモンズに賭ける「一か八かの投資」
一方、ベン・シモンズの状況はより複雑です。ブルックリン・ネッツでの3シーズンで、わずか90試合しか出場できませんでした。背中の問題が主な原因で、可用性に大きな疑問符が付いていました。
しかし、今年3月に受けた顕微鏡下部分椎間板切除術が転機となった可能性があります。今シーズンは33試合に出場し、平均6.2得点、5.2リバウンド、6.9アシストを記録。フィールドゴール成功率は54.7%と効率的でした。
SNYのイアン・ベグリーによると、ニックスはベテランミニマム契約で選手を獲得する枠を残しています。シモンズとルーキー契約1人を加えることで、サラリーキャップの第2アプロン(贅沢税の厳しいライン)を回避できるとのこと。
キングスも興味を示しているとされ、両チームともシモンズの才能に賭ける価値があると判断しているようです。
「最小コストで最大リターン」を狙う各チームの思惑
シモンズは2016年の新人王、2度のオールディフェンシブチーム選出という輝かしい経歴を持ちます。しかし、2020-21シーズンの76ers時代を最後に、その生産性は怪我により大幅に低下しています。
現在のフリーエージェント市場で目立った選手が残っていない中、シモンズは「費用対効果の高い控え選手」として見られています。新しいチームは基本的に「賭け」をすることになります。健康なシモンズがベンチから質の高いプレー時間を提供できることを期待しての獲得となるでしょう。
シモンズ獲得のメリット
- 最小限のコスト(ベテランミニマム契約の可能性)
- 高いバスケットボールIQとパス能力
- 守備での貢献(健康時)
- 若手選手への指導的役割
リスク
- 怪我の再発リスク
- 3年間で90試合という可用性の低さ
- シュート力の欠如(特に3ポイント)
ポールとシモンズ、2人の元オールスター選手の去就は、それぞれのチームの戦力を大きく左右する可能性があります。ポールは「確実性」を、シモンズは「可能性」を提供します。
クリッパーズがポールを獲得すれば、優勝への最後のピースとなるかもしれません。ニックスやキングスがシモンズに賭ければ、低コストで大きなリターンを得る可能性があります。
フリーエージェント市場の終盤戦で、これらの動きがどう決着するか。両選手にとっても、キャリアの重要な岐路となりそうです。
引用:CBSSPORTS

WNBA FAN BLOG運営者/バスケットボールジャーナリスト
WNBA・NBAをこよなく愛し、バスケットボール歴30年以上。特にWNBAの魅力を日本に広げるため、2025年5月に WNBA FAN BLOG をスタートしました。試合結果や選手情報だけでなく、独自の視点による戦術分析や選手インタビュー、海外ニュースの速報翻訳まで幅広くカバーしています。
現在、日本国内では数少ないWNBA専門メディアとして、最新ニュースをどこよりも速く正確にお届けすることをミッションにしています。
得意分野
試合分析・戦術解説
選手のデータ分析(EFF、PER など)
海外ニュース速報翻訳(英語 → 日本語)
サイト目標
日本最大の WNBA 情報ポータルサイト構築
日本のバスケットボールファンコミュニティ作り
関連 SNS アカウント
X(Twitter):@WNBAJAPAN
フォローしてWNBA の最新情報をキャッチしてください!