WNBAオールスターゲーム後の記者会見で、ケルシー・プラムがケイトリン・クラークらチーム・クラークのメンバーに向けて放った「皮肉コメント」が大きな波紋を呼んでいます。しかし、ESPN記者の最新レポートによって、この発言の真相が明らかになりました。実はこの「対立」の裏には、WNBAの未来を左右する重要な動きが隠されていたのです。
「給料上げろ!」Tシャツ騒動の発端は土曜朝の秘密会議
7月20日(土)に行われたWNBAオールスターゲーム。選手たちはウォームアップ時に「Pay Us What You Owe Us(私たちに正当な報酬を)」と書かれたTシャツを着用し、リーグに対して強烈なメッセージを発信しました。
現在のWNBA選手会と球団オーナー間の労使協定は今シーズン終了後に失効します。選手たちは収益配分の大幅な増加を求めており、このTシャツはその要求を可視化したものでした。
問題の発端は、土曜朝に開かれた選手ミーティング。ここで最終的にTシャツ着用が決定されたのですが、プラムは記者会見で笑いながらこう発言したのです。
「今朝、みんなでこれをやることに決めたんです。でも、チーム・クラークからはゼロ人しか会議に出席しませんでした」
ESPN記者が暴露!1週間前から計画されていた抗議行動
この発言は多くの人に「クラークたちが選手の権利向上に無関心」という印象を与えました。しかし、月曜日にESPNのラモナ・シェルバーン記者が衝撃の事実を報道。
実は、このTシャツ着用計画は1週間以上前から選手間で議論されていたというのです。土曜朝の会議は最終確認に過ぎず、チーム・クラークの選手たちも事前に賛同の意思を示していました。
シェルバーン記者のツイート: 「複数の情報源によると、WNBA選手たち(ケルシー・プラムを含む)は1週間以上前から『Pay Us What You Owe Us』Tシャツについて議論していました。土曜朝の朝食会で最終決定しましたが、早朝開始だったためチーム・クラークの選手はほとんど出席しませんでした。しかし…」
朝寝坊をからかっただけ?プラムの真意とクラークの反撃
つまり、プラムの発言は「朝早い会議に起きられなかった」ことをからかっただけの可能性が高いのです。しかし、多くのメディアやファンはこれを「クラーク批判」と解釈してしまいました。
興味深いことに、クラークもSNSで反撃とも取れる投稿をしています。この「友好的なライバル関係」は、むしろWNBAの注目度向上に貢献しているとも言えるでしょう。
実際、今回のオールスターゲームはチーム・コリアーが151対131でチーム・クラークに圧勝。プラムは勝者として、敗者のクラークをちょっとからかいたかっただけかもしれません。
WNBAの未来を左右する労使交渉の行方
今回の騒動の本質は、選手同士の対立ではなく、WNBA全体の待遇改善要求にあります。現在のWNBA選手の平均年俸は約10万ドル(約1500万円)程度。NBA選手の平均年俸が約1000万ドル(約15億円)であることを考えると、その差は歴然としています。
選手たちが求めているのは:
- リーグ収益の配分率向上
- 最低年俸の大幅アップ
- 移動・宿泊環境の改善
- マーケティング投資の増加
クラークのような新世代スター選手の登場により、WNBAの人気は急上昇中。この機会を逃さず、選手の待遇改善を実現できるかが注目されます。
対立ではなく団結へ
表面的には「プラム vs クラーク」の対立に見えた今回の騒動。しかし実際は、WNBA選手全体が団結して待遇改善を求める動きの一部でした。
プラムの皮肉も、クラークの反撃も、すべては「注目を集めるための演出」だったのかもしれません。なぜなら、話題になればなるほど、選手たちの要求がメディアで取り上げられるからです。
今後の労使交渉の行方によって、WNBAの未来は大きく変わるでしょう。クラークのような若手スター選手が、プラムのようなベテラン選手と共に、リーグの発展のために戦う。この「美しい団結」こそが、今回の騒動から見えてきた真実なのです。
引用:YARDBARKER

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