WNBAディフェンディングチャンピオンのニューヨーク・リバティに、超大物選手が加入することが決定しました。ヨーロッパ最高峰の選手の一人、エマ・メーセマンです。しかし驚くべきことに、リバティはこの元ファイナルMVPを「ベンチスタート」で起用する可能性が高いというのです。その理由には、2019年の成功体験という「完璧な青写真」が存在していました。
目次
メーセマンとは何者か?ヨーロッパが誇る「万能型ビッグマン」
エマ・メーセマン(ベルギー代表)は、WNBAとヨーロッパバスケットボール界で最も実績のある選手の一人です。身長193cmの万能型ビッグマンで、インサイドもアウトサイドもこなせる現代バスケの申し子。
主な実績:
- 2019年WNBAチャンピオン(ワシントン・ミスティックス)
- 2019年WNBAファイナルMVP
- ヨーロッパ選手権複数回優勝
- ベルギー代表の絶対的エース
2019年の奇跡:ベンチスタートでファイナルMVPを獲得
メーセマンのキャリアで最も輝かしい成功は、2019年のミスティックスでの優勝でした。しかし、この時の彼女の役割を知ると驚くかもしれません。
レギュラーシーズン:
- スタメン出場はわずか6試合
- 平均出場時間:23.6分
- それでもチーム2位の得点源
プレーオフ:
- スタメン出場は3試合のみ
- 平均出場時間:約29分
- チーム最多得点を記録
- ファイナルMVPを受賞
つまり、ベンチスタートでありながら、最も重要な場面でチームを優勝に導いたのです。
リバティの現在のスタメンは「完璧な化学反応」
なぜリバティはメーセマンをベンチスタートで起用する可能性があるのか?それは現在のスタメンが既に完璧に機能しているからです。
現在のスタメン:
- サブリナ・イオネスク(PG):チームの司令塔
- ナターシャ・クラウド(SG):守備の要
- レオニー・フィービヒ(SF):ドイツ代表のシューター
- ブリアナ・スチュワート(PF):元MVP
- ジョンケル・ジョーンズ(C):2021年MVP
この5人は、スター性、守備力、サイズ、シュート力の完璧なバランスを持っています。シーズン終盤にこの化学反応を崩すのはリスクが高すぎます。
ベンチの層を「スタメン級」に引き上げる戦略
現在のリバティのベンチビッグマンは:
- ニャラ・サバリー:才能ある若手
- イザベル・ハリソン:堅実なロールプレーヤー
彼女たちも優秀ですが、メーセマンが加われば「格段のアップグレード」となります。スタメンと控えの実力差がほぼなくなり、40分間高いレベルを維持できるのです。
ジョーンズの保険としても完璧な存在
もう一つの重要な要素は、ジョンケル・ジョーンズの健康問題です。2021年MVPの彼女は今季、足首の怪我で複数試合を欠場。インディアナ・フィーバー戦で復帰予定ですが、シーズン終盤に向けて「保険」が必要です。
メーセマンなら、ジョーンズが休養を必要とする時にスタメンとして完璧に穴を埋められます。昨年のファイナルでジョーンズが見せた活躍を考えると、彼女を失うリスクは避けなければなりません。
リンクス、マーキュリーとの優勝争いで決定的な差に
現在、優勝候補は以下の3チーム:
- ニューヨーク・リバティ(ディフェンディングチャンピオン)
- ミネソタ・リンクス(コリアー擁する強豪)
- フェニックス・マーキュリー(新戦力で復活)
メーセマンの加入により、リバティは他の2チームに対して「決定的な優位性」を得ることになります。
まとめ:「最強のシックスマン」が生む相乗効果
エマ・メーセマンをベンチスタートで起用することは、一見すると贅沢な使い方に見えるかもしれません。しかし、2019年の成功体験が証明するように、彼女は「スタメンでなくても試合を支配できる」特別な選手なのです。
リバティは既に強力なチームですが、メーセマンの加入により「スタメンも控えもオールスター級」という恐るべき布陣が完成します。2025年の連覇に向けて、これ以上ない補強と言えるでしょう。
日本のファンにとっても、世界最高峰の選手たちが集結するリバティの試合は必見です。特に、ベンチから登場するメーセマンがどのようにゲームを変えるのか、注目してみてください。

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