シカゴ・スカイのエンジェル・リースが、オールスター明けの試合でWNBA史上初の記録を達成しました。しかし同時に、テクニカルファウルでの出場停止が目前に迫り、チームは91-68という大差でミネソタ・リンクスに敗れるという、まさに「光と影」が交錯する一夜となりました。
WNBA史上初!複数回の10試合連続ダブルダブル達成
リースは11得点11リバウンドを記録し、10試合連続ダブルダブルを達成。これにより、WNBA史上初めて「10試合以上の連続ダブルダブルを複数回達成した選手」となりました。
昨年のルーキーシーズンに15試合連続(WNBA歴代最長記録)を達成したリースが、今季も早速10試合連続を記録。まさに「ダブルダブルマシーン」と呼ぶにふさわしい活躍です。
WNBA歴代連続ダブルダブル記録:
- エンジェル・リース(2024年):15試合
- キャンディス・パーカー(2009-10年):12試合
- エンジェル・リース(2025年):10試合
- シルビア・ファウルズ(2011-12年):10試合
キャリア通算42回のダブルダブルは驚異的ペース
さらに驚くべきは、リースのキャリア通算ダブルダブル数です。わずか56試合で42回のダブルダブルを達成し、歴代33位タイに浮上。同じ42回を記録した2度のMVP、エレナ・デレ・ダンは241試合かかっており、リースのペースがいかに異常かが分かります。
現在の10試合連続ダブルダブル期間中の平均成績:
- 17.4得点
- 14.5リバウンド
- 4.0アシスト
- FG成功率50.4%
暗転:キャリア最多9ターンオーバーと7回目のテクニカル
しかし、この試合のリースには大きな問題もありました。
まず、キャリア最多となる9ターンオーバーを記録。ボールを失う回数があまりにも多く、チームの大敗の一因となってしまいました。
さらに深刻なのは、第1クォーター終盤にダイアモンド・ミラーとの小競り合いで受けたテクニカルファウルです。これで今季7回目となり、リーグ最多タイ。WNBAの規定では、8回目のテクニカルファウルで自動的に1試合の出場停止となります。
今季から44試合制になったことで、出場停止基準も7回から8回に引き上げられましたが、リースはすでにその限界ギリギリ。あと1回でチームの大事な戦力を失うことになります。
スカイの苦境は続く:7勝16敗でプレーオフ圏外
リース個人の活躍とは裏腹に、スカイはリーグ最下位争いの真っ只中です。
現在の順位(7勝16敗):
- 下位にいるのはコネチカット・サンとダラス・ウィングスのみ
- プレーオフ圏の8位ワシントン・ミスティックスとは4ゲーム差
- 3連敗中
オールスター前は調子を上げていたリースでしたが、チーム状況は依然として厳しく、個人記録とチーム成績のギャップが広がる一方です。
まとめ:「記録」と「規律」の両立が課題
エンジェル・リースの才能は疑いようがありません。WNBA史上初の記録を次々と打ち立て、ダブルダブルを量産する能力は驚異的です。
しかし、ターンオーバーの多さやテクニカルファウルの累積は、若さゆえの課題とも言えます。特にテクニカルファウルは、あと1回で出場停止という瀬戸際。チームが苦しい時期だけに、エースの離脱は避けなければなりません。
今季序盤は歴史的な不振でしたが、見事に立て直したリース。次は「記録」だけでなく「規律」も身につけ、真のスーパースターへと成長できるか。彼女の今後に注目です。
引用:CBSSPORTS

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