ダラス・ウィングスのクリス・コクレーンズ監督が、金曜日のゴールデンステート・バルキリーズ戦(86-76で敗戦)後に語った言葉が物議を醸しています。
「毎晩違うんです。私たちの競争力のある層の厚さが好きです。この試合では、マッチアップを考慮して、スモールでプレーすることが効果的だと思いました。本当にスモールで、時にはヘイリー・ジョーンズを5番でプレーさせました。毎晩何が起こるか分からないものです」
この「毎晩分からない」という発言の裏で、好調だったセンターのリー・ユエルーはわずか13分の出場に制限されました。
4試合連続好成績から一転、13分のベンチ暮らし
金曜日の試合前まで、リー・ユエルーは絶好調でした:
- 平均13.0得点
- 平均8.3リバウンド
- 平均1.3ブロック
- FG成功率61.1%
- 3ポイント成功率53.3%(センターとしては驚異的)
この4試合のストレッチで、彼女はローテーションの中核として確固たる地位を築いていました。それが突然、13分の出場時間へ。コクレーンズは「パフォーマンスの問題ではない」と主張しますが、好調な選手をベンチに座らせる戦略的判断には疑問符が付きます。
スモールボールがもたらした惨劇
ウィングスがスモールラインナップを採用した結果:
- リバウンド:39-29で完敗
- セカンドチャンスポイント:11失点
- 第4クォーターのフリースロー:バルキリーズが13/15成功(全体で23/25)
ヘイリー・ジョーンズを4番や5番で起用する「超スモールボール」は、オフェンスの流れを作ったかもしれませんが、インサイドでのミスマッチを露呈させました。特に終盤の重要な場面で、高さの不利が致命的となりました。
ルイーザ・ガイゼルゾーダーは試合後、「これはチーム全体の責任です。全員がクラッシュし、ボックスアウトし、ボールを掴まなければいけません。私たちには長さがあるのだから、ボールを掴まなければ」と語りましたが、センターを13分しか使わずに「長さ」を活かせるはずがありません。
「健康と安全が最優先」の建前と現実
コクレーンズは過密日程(8日間で5試合、日曜日からは6日間で4試合)を理由に挙げています。
「健康と安全が最優先です。選手が丸一日休む必要があったり、出場時間制限が必要な日もあります。そういった会話を常にしています」
しかし、リー・ユエルーは怪我をしているわけではありません。好調な選手を「健康と安全」を理由にベンチに座らせ、結果として39-29でリバウンドを支配されるのは、本末転倒ではないでしょうか。
「毎晩分からない」では勝てない
「You just never know from night to night(毎晩何が起こるか分からない)」というコクレーンズの言葉は、戦略的柔軟性を示しているようで、実は一貫性の欠如を露呈しています。
好調な選手を突然ベンチに座らせ、明らかに機能していないスモールボールに固執し、リバウンドで圧倒される。これは「競争力のある層の厚さ」ではなく、単なる迷走です。
日曜日からのラスベガス戦を皮切りに、厳しい日程が続きます。果たしてコクレーンズは、リー・ユエルーのような実績ある選手を適切に起用できるのか。それとも「毎晩分からない」ローテーションを続けるのか。
ウィングスの今後は、監督の采配にかかっています。ただし、好調な選手をベンチに座らせて負けるようでは、その采配に疑問符が付くのは避けられないでしょう。
引用:DALLASHOOPS

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