2025年WNBAドラフト全体1位指名のペイジ・ベッカーズが、驚くほど率直な発言をしました。
「不動産パートナーシップが欲しいです。そうすれば家賃を払わなくて済むから。カーディーラーとのパートナーシップも欲しい。車代を払わなくて済むから」
LandonBuford.comのインタビューでの発言です。これは単なる贅沢願望ではありません。ルーキー年俸78,831ドル(約1,180万円)という現実と、ダラスの高額な生活費の間で苦悩する若きスターの本音なのです。
ダラスの住宅事情が突きつける残酷な現実
Realtor.comによると、ダラスの住宅事情は以下の通りです:
賃貸の場合:
- 1ベッドルーム:月額1,312ドル(約20万円)
- 2ベッドルーム:月額1,705ドル(約26万円)
- チーム本拠地アーリントン近くの高級高層マンション:月額2,400ドル超(約36万円)
- ダウンタウンの高級賃貸:月額4,000ドル超(約60万円)
購入の場合:
- ダラスの中央値:423,500ドル(約6,350万円)
- 20%頭金、6.62%の住宅ローン金利で月々の支払い:約2,168ドル(約33万円)
年俸78,831ドルから税金を引いた手取りを考えると、家賃だけで収入の30-50%が消えていく計算になります。これがWNBAルーキーが直面する現実です。
NIL時代の恩恵と限界
ベッカーズは大学時代、On3の評価で年間140万ドル(約2億1,000万円のNIL収入を得ていました。WNBAの年俸の約18倍です。
さらに、ブリアナ・スチュワートとナフィーサ・コリアーが共同設立した3×3リーグ「アンライバルド」とも契約。ESPNによると、10週間のシーズンで得る報酬は、WNBAの4年分の年俸を超えるといいます。
しかし、これらの収入があっても、ベッカーズは生活費の削減を真剣に考えています。「すべてのパートナーシップから最大限の価値を引き出す」という彼女の言葉は、WNBAプレイヤーが置かれた経済的現実を如実に物語っています。
「タダで欲しい」発言が示すWNBAの構造的問題
23歳のベッカーズは、リーグで最も注目される若手スターの一人です。企業とのコラボレーションやエンドースメント契約も増えています。それでも「家も車もタダで欲しい」と公言せざるを得ない。
これは個人の金銭感覚の問題ではありません。WNBAの労使協定(CBA)で固定されたルーキー年俸と、大都市の生活費のギャップが生む構造的な問題です。
NBAのルーキー最低保証額が約110万ドル(約1億6,500万円)であることを考えると、その差は歴然です。同じプロバスケットボール選手でありながら、WNBAプレイヤーは副業やパートナーシップに頼らざるを得ない状況に置かれています。
ベッカーズの率直な発言は、WNBAが抱える根本的な課題を浮き彫りにしました。トップドラフト指名選手でさえ、基本的な生活費の確保に苦慮する。これが2025年のWNBAの現実なのです。
彼女の「家も車もタダで欲しい」という言葉は、贅沢ではなく必要に迫られた切実な願いだったのかもしれません。
引用:DALLAS HOOPS

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