アトランタ・ドリームが、自分たちが「ただの好調なチーム」ではないことを証明しました。
ライン・ハワード不在という大きなハンデを背負いながら、フェニックス・マーキュリー(90-79)とミネソタ・リンクス(4点差勝利)をアウェイで連続撃破。リーグトップ3チームすべてに勝利を収めたのは、シアトル・ストームに続いて今シーズン2チーム目という快挙です。
10勝4敗から失速した中盤戦の真実
シーズン序盤、ドリームは10勝4敗という素晴らしいスタートを切り、一時はWNBAのトップチームとしての地位を確立しました。しかし、その後の11試合で6敗を喫し、ミネソタ、ニューヨーク、フェニックスの上位3チームに差をつけられる展開に。
多くの評論家が「やはりドリームは偽物だった」と断じ始めた矢先の、この連続アウェイ勝利。しかも、チームの主力選手の一人であるハワード抜きでの達成です。
アリーシャ・グレイが28得点を挙げたマーキュリー戦は、相手がついに全スター選手を揃えた状態での勝利。続くリンクス戦では、フィジカルなゲームプランでリーグ首位チームの攻撃を封じ込め、後半の猛追をしのぎ切りました。
スメスコ監督が語る「プレイオフへの自信」
カール・スメスコ監督は、ミネソタ戦後にこう語りました。
「プレイオフに向けて、最高のチームを相手にアウェイでビッグゲームに勝つ経験を積むことは重要だと思います。今年、ミネソタ以上のチームはいませんでした。我々がこのようなプレーをして勝利を収めたことは、自分たちにその能力があることを思い出させてくれるものになるでしょう」
現在15勝10敗で、フェニックスにわずか1ゲーム差の4位。攻撃力でリーグ4位、守備力で6位という両面でのバランスの良さを誇ります。
層の厚さが生む「怪我に強いチーム」
ドリームの真の強さは、その層の厚さにあります。
主力選手の活躍:
- アリーシャ・グレイ:シーズン通してリーグ最高レベルのパフォーマンス
- ライン・ハワード:怪我前にオールスター選出
- ブリオナ・ジョーンズ:怪我による交代でオールスター選出
- ナズ・ヒルモン:シックスウーマン賞の有力候補
- ブリトニー・グライナー:リンクス&マーキュリー戦で2試合連続ビッグゲーム
さらに注目すべきは、ロールプレイヤーたちの貢献です。シーズン開始時、ルーキーのテヒナ・パオパオがジョーディン・カナダの代役を務め、マヤ・コールドウェルはハワードの怪我後にスターティングラインナップに入りました。
プレイオフでの「台風の目」となる可能性
現在の順位のままシーズンが終われば、ドリームはファーストラウンドでシアトル・ストームと対戦することになります。ネカ・オグウミケ、ギャビー・ウィリアムズ、スカイラー・ディギンズらオールスター級の選手を擁するストームは、確かに手強い相手です。
しかし、今シーズンの対戦成績は1勝1敗。決して勝てない相手ではありません。
そして何より、ドリームはすでにそれ以上の強豪チーム(ミネソタ、ニューヨーク、フェニックス)を倒しているという事実があります。ファーストラウンドを突破すれば、準決勝でも十分に波乱を起こせる力を持っています。
ハワード不在でトップチームを連続撃破したこの2連勝は、単なる勝利以上の意味を持ちます。それは、アトランタ・ドリームが「本物の優勝候補」であることの、これ以上ない証明なのです。

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