WNBAトレードデッドラインを前に、ダラス・ウィングスが大胆なロスター 再編に乗り出しました。ガードのディジョナイ・キャリントンをミネソタ・リンクスへ放出し、フォワードのダイアモンド・ミラー、ガードのカーリー・サミュエルソン、そして2027年の2巡目指名権を獲得するトレードが成立しました。
ESPNはこのトレードについて、リンクスに「A-」、ウィングスに「B」の評価を与え、ミネソタにとってはプレーオフに向けた即戦力補強、ダラスにとっては長期的視野に立った現実的な方向転換と分析しています。
期待外れに終わったキャリントンのダラス時代
ウィングスにとって、このトレードはキャリントンとの実験が完全に失敗に終わったことを意味します。昨オフシーズンにチームの守備改革の中心選手として獲得されたにもかかわらず、ダラスのシステムへの適応は最後まで実現しませんでした。
キャリントンがコートにいた497分間で、ウィングスのネットレーティングは-12.4という悲惨な数字を記録しました。これはローテーション選手の中で最悪の成績です。守備面でも、キャリントンがプレーしている間のディフェンシブレーティングは100ポゼッションあたり110.2点と、チーム内で最も高い失点率となってしまいました。
ゼネラルマネージャーのカート・ミラーは、コネチカット時代に自身がドラフトしたキャリントンの獲得を「最優先事項」と位置づけ、記者会見で「ディジョナイは2024年のリーグで間違いなく最高のガードディフェンダーでした。彼女の獲得は最優先事項でした。このチームの守備のアイデンティティを作り直すために、誰かが必要でした」と語っていました。
しかし、キャリントンの献身的な守備もダラスの構造的な問題を解決することはできませんでした。ウィングスの守備レーティングは依然として10位に留まり、さらに彼女の攻撃面での限界が新たな障害となりました。ハーフコートで200ポゼッション以上プレーした53人のWNBA選手の中で、キャリントンのポゼッションあたりの得点(0.634 PPP)は最下位という衝撃的な数字を記録しています。
「確かに適応は必要でした」とキャリントンはベンチロールへの移行について語っています。「ダラスに来た理由は役割を拡大することだったので、私にとっては困難でした」
ダイアモンド・ミラー獲得でサイズと多様性を追求
ダラスが見返りとして獲得したのは、身長6フィート3インチのウィングプレーヤー、ダイアモンド・ミラーです。ミネソタではまだリズムを見つけられていませんが、ウィングスが求める双方向での多様性を備えた選手です。2023年の全体2位指名選手であるミラーは、今シーズン平均9.7分の出場時間に留まっていますが、限られた試投ながらキャリアベストの53.8%という3ポイント成功率を記録しています。
ヘッドコーチのクリス・コクラネスは「彼女のサイズとアスレチシズムが第一ですが、コート上での彼女のスピードも魅力です。彼女はダウンヒルでプレーし、リムとペイントにプレッシャーをかけます。適切なスペースを作れれば、クローズアウトを攻撃してリムに向かう機会を見つけるでしょう」と期待を語っています。
スタッツ比較
- ディジョナイ・キャリントン(ダラス時代):497分出場、ネットレーティング-12.4、ディフェンシブレーティング110.2、ハーフコートPPP 0.634(リーグ最下位)
- ダイアモンド・ミラー:今シーズン平均9.7分出場、3ポイント成功率53.8%(キャリアハイ)
- ティアイラ・マッコワン(解雇):フランチャイズ史上最高のフィールドゴール成功率(.570)、通算896リバウンド(チーム歴代6位)
まとめ
リーボックとの契約も結び、飛躍の年となるはずが真逆の結果になってしまっているキャリントン。昨年の輝きを今回のトレードを機に取り戻せるのか、今後に注目です。

WNBA FAN BLOG運営者/バスケットボールジャーナリスト
WNBA・NBAをこよなく愛し、バスケットボール歴30年以上。特にWNBAの魅力を日本に広げるため、2025年5月に WNBA FAN BLOG をスタートしました。試合結果や選手情報だけでなく、独自の視点による戦術分析や選手インタビュー、海外ニュースの速報翻訳まで幅広くカバーしています。
現在、日本国内では数少ないWNBA専門メディアとして、最新ニュースをどこよりも速く正確にお届けすることをミッションにしています。
得意分野
試合分析・戦術解説
選手のデータ分析(EFF、PER など)
海外ニュース速報翻訳(英語 → 日本語)
サイト目標
日本最大の WNBA 情報ポータルサイト構築
日本のバスケットボールファンコミュニティ作り
関連 SNS アカウント
X(Twitter):@WNBAJAPAN
フォローしてWNBA の最新情報をキャッチしてください!