インディアナ・フィーバーの2025年シーズンが崩壊の危機に瀕している。ケイトリン・クラークという超新星を中心に優勝候補として期待されたチームは、相次ぐ負傷者により厳しい現実に直面している。8月8日のフェニックス・マーキュリー戦で、ポイントガードのアリ・マクドナルドとシドニー・コルソンが今季絶望的な負傷を負ったことで、チームの窮地はさらに深刻化した。
フィーバーを襲った不運の連鎖
フィーバーは2023年と2024年の連続ドラフト1位指名権を活用し、センターのアリヤ・ボストンとポイントガードのケイトリン・クラークという将来のフランチャイズプレーヤーを獲得した。今季は優勝を狙えるロスターを構築していたが、シーズンが始まると不運が続いた。
クラークはシーズンの半分以上を様々な負傷で欠場している。ソフィー・カニンガムも負傷で離脱期間があり、ベテランのデワナ・ボナーはチームとの関係が悪化して退団した。そして今回、マクドナルドとコルソンの今季絶望により、チームのポイントガード陣は壊滅状態となった。
現在フィーバーで出場可能な選手はわずか9人。チームは「ライバルリー・ウィーク」のシカゴ・スカイ戦後に、ハードシップ契約で選手を補強する予定だが、選択肢は限られている。最近ウェーブされたジア・クックやジェイリン・シェロッド、ベテランのモライア・ジェファーソン、シェイ・ペディ、オデッセイ・シムズなどが候補に挙がっている。
クラークの復帰時期は不透明
最大の懸念材料は、MVP候補のクラークの状態である。彼女はオールスター休暇前に右鼠径部の負傷で離脱し、当初ステファニー・ホワイト監督は「良いニュース」で「日々の様子見」と楽観的だった。しかし1週間後、チームは「長期的な健康を最優先する」との声明を発表し、復帰時期は未定となった。
クラークの負傷は全て軟部組織系(左大腿四頭筋の張り、左大腿四頭筋の肉離れ、左鼠径部負傷)で、回復の予測が困難だ。本人も「6週間で復帰」といった明確な目標を立てにくいと語っている。最近フルコートでの全速力ランニングは開始したと報告されているが、バスケットボールの実戦練習はまだ行っていない。
プレーオフ進出への厳しい現実
現在フィーバーは5位につけているが、状況は予断を許さない。4位のフェニックス・マーキュリー(19勝11敗)との差は2.5ゲーム、8位のゴールデンステート・バルキリーズとロサンゼルス・スパークス(共に14勝15敗)とは2ゲーム差となっている。残り13試合、34日間という短期間で、この激戦を勝ち抜く必要がある。
問題は、クラークが復帰しても最低数試合は調整が必要なことだ。7月15日以来実戦から遠ざかっており、13試合しか出場していない状況では、すぐに本来のパフォーマンスを発揮するのは困難だろう。
冷静な判断が求められる局面
フィーバーのフロントオフィスは重要な決断を迫られている。今季のチャンピオンシップ獲得は現実的ではなくなり、若い中心選手たちの将来を考慮した長期的な視点が必要だ。
もしフィーバーが7位や8位のシードに落ちた場合、ミネソタ・リンクスやニューヨーク・リバティといったリーグ最強チームとの激しいプレーオフ戦でクラークを危険にさらす価値があるのか。チームの上限は依然として高いが、マクドナルドやコルソンを失った現在、リスクの方が大きいかもしれない。
1か月前にコミッショナーズカップを制覇した時点では、現実的な優勝候補だったフィーバー。しかし、WNBAの厳しい現実が、若いチームの野心を打ち砕いている。クラークという未来のスーパースターを抱えるチームとして、今季は我慢の時期と割り切る冷静な判断も必要かもしれない。
引用: sports.yahoo.com

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