わずか2年で築いた圧倒的実績と残された伸びしろ
シカゴ・スカイの実況アナウンサー、リサ・バイントンが、エンジェル・リースの成長と課題について興味深い証言をしています。リーグ2年目にして既に2度のオールスター選出を果たしたリースですが、最前列でプレーを見続けてきたバイントンだからこそ見える、次のステップへの道筋があるようです。
「10年以上プレーしてもオールスターに選ばれない選手がいる中で、彼女は2年連続で選出されている」というバイントンの言葉が、リースの特別な才能を物語っています。
直近の試合や成績の詳細
リースは7月29日以降試合に出場していませんが、それでもなおWNBAのリバウンド部門で首位を維持しています。今シーズンの成績は驚異的です。
2025シーズン成績(23試合先発)
- 平均14.2得点(昨季13.6から上昇)
- 平均12.6リバウンド(リーグトップ)
- 平均3.7アシスト(昨季1.9から大幅上昇)
- 平均1.5スティール
- FG成功率44.4%、3P成功率20.0%、FT成功率79.0%
- 17回のダブルダブル、1回のトリプルダブル達成
特筆すべきは、コートニー・バンダースルートの離脱後、タイラー・マーシュHCがリースにボールハンドリングとオフェンス創出の役割を与えたことです。その結果、コネチカット戦でキャリア初のトリプルダブルを記録。ポイントフォワードとしての新たな可能性を示しました。
過去との比較や背景解説
2024年ドラフト全体7位で指名されたリースは、ルーキーイヤーから圧倒的なリバウンド力を発揮。初年度の平均13.1リバウンドは、WNBA史上でも屈指の記録でした。
キャリア通算57試合での成績は、平均13.8得点、12.9リバウンド、2.6アシスト、1.4スティール。わずか2年でWNBA史上最高のリバウンダーの一人としての地位を確立しています。
しかし、チーム成績は芳しくありません。リース出場時のスカイの成績は19勝38敗。個人の活躍がチームの勝利に直結していない現実があります。これは、LSU出身のメリーランド州出身選手が次のステップに進むための重要な課題となっています。
今後の展望や影響
バイントンが指摘する「改善すべき点」は明確です。「コート上のあらゆる場所からの配球とフィニッシュ」。これはリース自身も認識している最優先課題だといいます。
現在の3ポイント成功率20.0%という数字は、現代バスケットボールにおいて改善の余地が大きい部分です。また、フィールドゴール成功率44.4%も、ペイントエリアでのプレーが多い選手としては向上の余地があります。
契約面では安定しています。2024年に4年総額32万4383ドルの契約を結び、さらにリーボックとも複数年のエンドースメント契約延長に合意。経済的基盤は整っています。
現在は背中のリハビリに専念しているリースですが、復帰時期は未定です。しかし、2年目でアシスト数を倍増させ、ポイントフォワードとしての新たな役割も担えることを証明した彼女の成長曲線は、まだ上昇の途中にあります。
「オールスターレベルでプレーし続けるために」というバイントンの言葉通り、リースが配球力とシュート精度を向上させれば、単なるリバウンドマシーンから、真のフランチャイズプレーヤーへと進化する可能性を秘めています。スカイの浮沈は、この若きスターの成長にかかっているといえるでしょう。

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