WNBAで注目を集める新人、ダラス・ウィングスのペイジ・ベッカーズが、先輩選手からの批判に対して見せた冷静な対応が話題となっています。8月15日、ロサンゼルス・スパークスとの試合前に行われた記者会見で、インディアナ・フィーバーのソフィー・カニンガムの発言について問われたベッカーズは、わずか一文で状況を収束させる大人の対応を見せました。
カニンガムの不満が爆発した8月12日の試合
事の発端は8月12日のフィーバー対ウィングスの試合でした。カニンガムはベッカーズの主要なディフェンダーとして奮闘していましたが、審判のファウル判定に強い不満を示す場面が何度もありました。
特に第2クォーター終盤、タイトなディフェンスを仕掛けるカニンガムに対し、ベッカーズが軽くプッシュした場面でカニンガムにファウルが宣告されると、彼女は思わず「ゴッドダムイット!」と叫び、フラストレーションを露わにしました。さらにベッカーズの3ポイントシュート時に着地スペースを侵害したとして、フラグラントファウルも取られる結果となりました。
ポッドキャストで語られた本音と不公平感
8月13日、カニンガムは自身のポッドキャスト「Show Me Something」で、この試合の審判について率直な意見を述べました。「ペイジのことは大好きです。誤解しないでください。彼女は素晴らしい選手で、いつか一緒にプレーしたいと思っています」と前置きした上で、「でも昨夜の審判は、彼女にあらゆるファウルを与えていました。文字通り彼女に触れることすらできませんでした」と不満を表明しました。
カニンガムは続けて、「もしそういう判定をするなら、私たちのガードにも同じように判定してほしい。私が最も嫌うのは、この一貫性のなさです」と、審判の公平性について疑問を投げかけました。この発言はソーシャルメディアで瞬く間に拡散され、大きな注目を集めることとなりました。
ベッカーズの一言が示したプロフェッショナリズム
8月15日、スパークス戦を前にした記者会見で、記者からカニンガムの発言についてコメントを求められたベッカーズは、極めて簡潔かつ冷静に答えました。「誰もが自分自身のユニークな個人的意見を持つ権利があります」という一文でした。
この短いながらも的確な返答は、わずか1時間でX(旧Twitter)上で20万回近く閲覧され、多くのファンから称賛の声が上がりました。ベッカーズは相手を批判することなく、かといって自己弁護に走ることもなく、状況を見事に収束させたのです。
新人が示した成熟度の高さ
ベッカーズのこの対応は、彼女がルーキーであることを考えると、特に印象的です。WNBAという最高峰のリーグで、経験豊富な選手からの批判に直面しても、感情的にならず冷静さを保つことは容易ではありません。彼女の返答からは、バスケットボールの実力だけでなく、メンタル面での成熟度の高さもうかがえます。
おそらくベッカーズには、カニンガムの発言に対してより率直な意見があるかもしれません。しかし、それを公の場で表現せず、プロフェッショナルな態度を貫いたことは、彼女のキャリアにとってプラスに働くでしょう。このような振る舞いは、チームメイトやコーチ陣、そしてファンからの信頼を獲得する上で重要な要素となります。
今後の両選手の関係に注目
残念ながら、ウィングスとフィーバーは今シーズンのレギュラーシーズンでは再戦の機会がありません。また、ウィングスが2025年のプレーオフに進出する可能性は極めて低いため、両選手が再びコート上で対戦するのは2026年シーズンまで待たなければならないでしょう。
しかし、この一連の出来事は、WNBAにおける世代交代の象徴的な場面として記憶されることでしょう。カニンガムのような経験豊富な選手が持つ競争心と、ベッカーズのような新世代の選手が見せる冷静さ。この二つの要素が交錯することで、リーグ全体のレベルアップにつながっていくのです。
今回の一件は、スポーツにおけるライバル関係の健全な形を示すものでもあります。カニンガムはベッカーズの実力を認めつつも、審判の判定基準について意見を述べ、ベッカーズはそれを個人攻撃と受け取らず、相手の意見を尊重する姿勢を示しました。このような成熟した関係性こそが、女子バスケットボール界の発展に寄与していくのではないでしょうか。
引用: yardbarker
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