ブリアナ

スチュワートのMRI検査が示すリバティの不安定な王座防衛への道

ニューヨーク・リバティのエース、ブリアナ・スチュワートが膝のMRI検査を受けることが明らかになりました。プレイオフ第1戦の延長戦勝利という劇的な幕開けの裏で、ディフェンディングチャンピオンは早くも最大の試練に直面しています。今回の負傷が与える影響と、リバティの今後の展望について深掘りしていきます。

新たな負傷箇所とMRI検査の意味

ESPNのラモーナ・シェルバーン記者の報道によると、スチュワートは9月15日のフェニックス・マーキュリー戦で負傷した膝のMRI検査を受けています。重要なのは、今回の負傷が右膝ではなく、これまでとは異なる箇所である可能性が高いという点です。

スチュワートは今シーズン、右膝の骨挫傷により13試合を欠場していました。レギュラーシーズン44試合のうち約3割を欠場したことになり、チームの戦力維持に大きな影響を与えていました。今回の負傷が左膝である場合、両膝に問題を抱えることになり、長期的な影響が懸念されます。

MRI検査の実施自体が、チームが負傷の深刻さを慎重に見極めようとしていることを示しています。軽微な打撲程度であれば、通常はMRI検査まで行わないケースが多いため、少なくとも数日間の経過観察が必要な状況と推測されます。

リバティが直面する厳しい現実

ビッグ3の共演がわずか13試合という異常事態

今シーズンのリバティの最大の問題は、主力3選手の同時起用機会の少なさです。スチュワート、ジョンクエル・ジョーンズ、サブリナ・イオネスクの3人が揃って最初から最後まで出場した試合はわずか13試合に留まりました。その13試合では全勝という圧倒的な強さを見せていただけに、この状況は非常にもどかしいものです。

一方で、この3人が揃わなかった試合での成績は15勝17敗と負け越しており、チーム力の不安定さを露呈しています。レギュラーシーズンを第5シードで終え、プレイオフ初戦をアウェイで迎えることになったのも、この不安定さが原因でした。

元MVP・ジョーンズも13試合欠場という二重苦

スチュワートだけでなく、元MVPのジョーンズも13試合を欠場していたことは、リバティにとって大きな痛手でした。2人の主力が同じ数の試合を欠場したことで、チームは常に誰かを欠いた状態で戦うことを余儀なくされました。

この状況下で第5シードを確保できたことは、ある意味では評価できる部分もあります。しかし、ディフェンディングチャンピオンとしての期待値を考えると、明らかに物足りない結果と言わざるを得ません。

第2戦への影響と戦術的課題

9月18日に予定されている第2戦は、ニューヨークのホームで開催されます。ホームコートアドバンテージを活かして、シリーズを決めたいところですが、スチュワートの欠場となれば状況は一変します。

スチュワートは2度のMVP受賞、7度のオールスター選出という輝かしい実績を持つ選手です。彼女の不在は単なる得点力の低下だけでなく、チーム全体の士気や戦術面にも大きな影響を与えます。特に、彼女のストレッチ4としての能力は、リバティの攻撃パターンの要となっているため、代替策を見つけることは容易ではありません。

第1戦では、ナターシャ・クラウドが23得点という素晴らしい活躍を見せ、延長戦での勝利に貢献しました。しかし、クラウドだけでスチュワートの穴を埋めることは不可能です。他の選手たちがどれだけステップアップできるかが、第2戦の鍵となります。

プレイオフという特殊な舞台での負傷の重み

ベスト・オブ・スリーという短期決戦では、1試合の重みが通常以上に大きくなります。第1戦を勝利したとはいえ、第2戦でスチュワートを欠いて敗れれば、第3戦は再びアウェイでの決戦となります。フェニックスでの第3戦を、主力を欠いた状態で戦うことになれば、番狂わせの可能性も十分にあります。

また、仮に第1ラウンドを突破できたとしても、スチュワートの状態次第では、その後のラウンドでの戦いがさらに厳しくなることは明白です。特に、ミネソタ・リンクスやラスベガス・エーシズといった強豪との対戦を考えると、フルメンバーでなければ勝ち抜くことは困難です。

王座防衛への険しい道のり

リバティは昨シーズンのチャンピオンとして、今年も優勝候補の一角に挙げられていました。しかし、シーズンを通じて主力の負傷に悩まされ続け、プレイオフでも同じ問題に直面しています。

スチュワートのMRI検査結果次第では、王座防衛の夢が早くも潰える可能性があります。第2戦での彼女の出場可否は、単なる1試合の勝敗を超えて、リバティの今シーズン全体を左右する重大な分岐点となるでしょう。

チームは現在、最悪のシナリオも想定した準備を進めていることでしょう。スチュワート不在でも戦える体制を整えつつ、彼女の早期復帰を祈るという、非常に難しい局面を迎えています。ディフェンディングチャンピオンの真価が問われる時が来ています。

引用: sports.yahoo.

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