元NBAチャンピオンのケンドリック・パーキンスが、ESPNのポッドキャスト番組「Road Trippin’」で興味深い提案を行いました。現在フリーエージェントとなっているラッセル・ウェストブルックを、ポイントガード不足に悩むミルウォーキー・バックスが獲得すべきだという主張です。この提案は実現可能なのでしょうか。
ウェストブルックの現状とバックスの事情
2024-25シーズン、ウェストブルックはデンバー・ナゲッツでベンチプレイヤーとして75試合に出場しました。平均13.3得点、6.1アシスト、4.9リバウンドという数字を残し、シックスマン・オブ・ザ・イヤー投票では7位にランクインする活躍を見せました。36歳という年齢を考えれば、まだまだNBAで貢献できる力を持っていることを証明したシーズンでした。
一方のバックスは、今オフに大きな変革を迎えました。デイミアン・リラードがアキレス腱断裂という重傷を負い、チームは彼を放出してマイルス・ターナーと契約する道を選びました。この決断により、バックスは先発ポイントガードのポジションが空席となり、現在はケビン・ポーターJr.とコール・アンソニーが先発争いを繰り広げています。ドック・リバースHCは最終的にポーターJr.を先発に指名しましたが、両者ともウェストブルックほどの経験と実績は持ち合わせていません。
パーキンスの提案内容
パーキンスは番組内で「彼は今すぐミルウォーキー・バックスにいるべきだと思う。本当にそう思うんだ」と断言しました。彼の理論は明快です。ウェストブルックがバックスに加われば、即座に先発ポイントガードとして機能できるというものです。
ウェストブルックの強みは、速攻を主導する能力、リバウンドを確保する力、そしてペイントアタックで相手ディフェンスを崩す技術にあります。これらの能力は、バックスの3点シューターたちにオープンショットの機会を生み出すでしょう。さらに、ウェストブルックとヤニス・アデトクンポのピックアンドロールは、両者の強みを活かした電撃的なプレーになる可能性を秘めています。
実現を阻む課題
しかし、この提案には大きな問題点があります。最も深刻なのはスペーシングの問題です。ウェストブルックもヤニスも、外角からのシュートよりもペイントアタックを得意とする選手です。2016-17シーズンのMVPである二人が同時にコート上にいる場合、相手ディフェンスはドロップカバレッジを採用し、ペイントエリアで待ち構える戦術を取るでしょう。
この問題を解決するには、二人の周りを3点シューターで固めるか、プレイタイムをずらして運用する必要があります。しかし、バックスは昨シーズン、リーグ6位の速攻効率(ポゼッションあたり1.16得点)を記録しており、高いテンポでプレーすることで、ハーフコートでのスペーシング問題を緩和できる可能性はあります。
さらに大きな問題は、バックスの戦略方針です。ESPNのシャムス・シャラニアによれば、バックスは今シーズン、ヤニスにボールをより多く持たせ、プライマリープレイメーカーとしての役割を拡大する計画を立てています。この方針の下では、ボールを持ってプレーするウェストブルックの起用は冗長になってしまいます。
ロサンゼルス・レイカーズ時代、オフボールでのプレーを求められたウェストブルックがうまく機能しなかったことは、NBAファンの記憶に新しいでしょう。ベンチから起用する選択肢もありますが、それではポーターJr.やアンソニーとの役割が重複してしまいます。
今後の展望
ウェストブルックは間違いなくNBAでプレーする価値のある選手です。近い将来、新しいチームとの契約が成立するでしょう。バックスは紙の上では魅力的な移籍先に見えますが、実際のコート上での成功は保証されていません。
ポーターJr.は昨シーズン、リラードの不在時に平均13.9得点、4.9リバウンド、4.6アシストという好成績を残しています。アンソニーもまた、オーランド・マジックで先発経験を持つベテランガードです。バックスはこの二人の成長に賭けるのか、それともウェストブルックのような実績ある選手を補強するのか。チームの未来を左右する重要な決断が迫っています。
ウェストブルックがバックスのユニフォームを着る日は来るのでしょうか。それとも、別のチームが彼の経験と情熱を必要とするのでしょうか。2025-26シーズンの開幕が近づく中、元MVPの次なる挑戦から目が離せません。
引用: yardbarker

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