WNBAファイナルが史上初のベストオブセブン形式で開幕しました。第1戦は2シードのラスベガス・エーシズが、4シードのフェニックス・マーキュリーを89-86で下し、シリーズ1-0とリードしています。
試合展開
マーキュリーが試合序盤から主導権を握る展開となりました。第1クォーター開始8分6秒の時点でリードを奪うと、前半を通じてアドバンテージをキープしました。カヒーラ・コッパーが前半だけで19得点を記録し、3ポイントシュート5本を沈める活躍を見せました。この5本は、ファイナルにおける前半の3ポイント成功数としてタイ記録となります。
第3クォーターでは、マーキュリーが最大9点差をつける場面もありました。アリッサ・トーマスがペイント内で得点とアシストの両面で存在感を発揮し、マーキュリーの攻撃をけん引しました。
しかし、エーシズは粘り強く食らいつきました。ベンチメンバーのダナ・エバンスとジュエル・ロイドが大きな役割を果たし、試合の流れを引き寄せていきます。特にエバンスは3ポイントシュートを次々と決め、第4クォーターにはコーナーからの3ポイントでエーシズをリードに立たせました。
第4クォーター、マーキュリーのオフェンスが失速します。フィールドゴール18本中6本しか決められず、3ポイントに至っては12本中2本という低調な成績に終わりました。エーシズのゾーンディフェンスが効果を発揮し、特に第4クォーターでマーキュリーを苦しめました。
試合終盤、トーマスがクラッチなレイアップを決めてマーキュリーを1点差に迫らせると、続いてエイジャ・ウィルソンからスティールを奪い、ファウルをドローしました。しかし、トーマスは決定的な場面でフリースロー2本を外してしまいます。これはWNBA史上初めて、プレーオフの試合終了2分以内に同じトリップで2本のフリースローを外し、同点のチャンスを逃したケースとなりました。
その後、ジャッキー・ヤングがフリースロー2本を決めてエーシズのリードを3点に広げました。最後のポゼッションでサトゥ・サバリーが同点を狙う3ポイントシュートを放ちましたが、ボールはリングに嫌われ、試合終了となりました。マーキュリーのネイト・ティベッツヘッドコーチは試合後、「おそらく残り6秒くらいでタイムアウトを取るべきだった」と振り返りました。
注目選手・スタッツ
ラスベガス・エーシズ
- エイジャ・ウィルソン:21得点、10リバウンド、5アシスト(前半14分で12得点を記録)
- ダナ・エバンス:21得点、3ポイント5/6成功、4スティール(ファイナルで3ポイント5本成功と4スティールを両立した史上初の選手)
- ジュエル・ロイド:18得点、4リバウンド(ベンチから先発級の活躍)
- チェルシー・グレイ:8得点、7リバウンド、10アシスト
- ジャッキー・ヤング:10得点、7リバウンド、5アシスト
- ベンチ合計:41得点(フランチャイズのファイナル史上最多、2025年シーズン全体でも2番目の多さ)
フェニックス・マーキュリー
- カヒーラ・コッパー:21得点、3ポイント5/9成功
- サトゥ・サバリー:19得点、4リバウンド
- アリッサ・トーマス:15得点、10リバウンド、9アシスト(トリプルダブルまであと1アシスト)
- デワナ・ボナー:10得点、8リバウンド
- ベンチ合計:16得点
チームスタッツ
- エーシズのターンオーバー:7個(ファイナル史上タイ最少記録)
- マーキュリーのターンオーバー:14個
- エーシズのフリースロー:20本中14本成功
- マーキュリーのフリースロー:13本中10本成功
試合後のコメント
エイジャ・ウィルソンは、ベンチの貢献について語りました。
「何度も言っているけど、ダナは私たちのバッテリーなの。彼女が私たちを違うペースでプレーさせてくれる。私は彼女に『私たちは、あなたについていく』と伝えているわ。速いペースだけど、私たちは常に彼女についていこうとする。なぜなら、彼女はこのリーグで止めるのがとても難しい選手だから。彼女がダウンヒルで良いシュートを打てると、それが私たちに有利に働くの」
マーキュリーのネイト・ティベッツヘッドコーチは、最後のポゼッションについて反省しました。
「おそらく残り6秒くらいのところでもう1回タイムアウトを取るべきだった。反対側のエンドだったから少し難しくなった。でも、彼らが良いディフェンシブスタンドをしたね」
ゲーム2は現地時間10月5日(日)午後3時、引き続きラスベガスで行われます。マーキュリーはホームコートアドバンテージを奪い返すチャンスを、エーシズは2連勝でシリーズを有利に進めるチャンスを狙います。

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