厳しい現実と期待の狭間で
レブロン・ジェームズの息子としてNBA入りを果たしたブロニー・ジェームズですが、レイカーズでの立ち位置は決して安泰ではありません。プレシーズン開幕戦では8得点を記録したものの、フィールドゴール成功率はわずか1/12という厳しい数字でした。父親の存在が大きすぎるがゆえに、彼は「レブロンの息子」以上の何かを証明しなければならないプレッシャーの中にいます。今回のプレシーズンは、ブロニーがレギュラーシーズンでのローテーション入りを勝ち取れるかどうかを占う重要な試金石となっています。
直近の試合と成績:数字が語る厳しい現実
プレシーズン開幕戦、フェニックス・サンズとの対戦でブロニーは8得点、5リバウンド、2アシストを記録しました。一見すると悪くない数字に見えますが、問題はシュート成功率です。12本打って1本しか決まらないという1/12のフィールドゴール成功率は、NBA選手として求められる水準を大きく下回っています。この試合ではレブロン・ジェームズが欠場していたため、ブロニーには通常以上のプレー時間が与えられましたが、その機会を十分に活かすことはできませんでした。
第2戦のゴールデンステート・ウォリアーズ戦では、5得点、3リバウンド、2アシストと控えめな数字ながらも、開幕戦と比較すると改善の兆しが見られました。ブロニーは徐々に感覚を取り戻しつつあるようですが、まだローテーション入りを確実にするレベルには達していません。
昨シーズンのレギュラーシーズンでは、27試合に出場したブロニーの平均出場時間はわずか6.7分で、平均2.3得点、0.7リバウンド、0.8アシストという数字でした。フィールドゴール成功率も31.3%と低迷しており、これらの数字は彼がまだNBAレベルでの安定したプレーには程遠いことを示しています。
過去との比較:プレッシャーの源泉
ブロニーのキャリアを語る上で避けられないのが、父親レブロン・ジェームズとの比較です。レブロンは高校卒業後、直接NBAドラフト1位指名を受け、ルーキーイヤーから平均20.9得点、5.5リバウンド、5.9アシストという圧倒的な成績を残しました。この比較は残酷かもしれませんが、ブロニーが背負う期待値の高さを物語っています。
レイカーズのフロントオフィスは、ブロニーを2025-26シーズン以降も2年間保証する契約を結んでいます。しかし、契約があるからといってローテーション入りが保証されているわけではありません。むしろ、この保証契約がプレッシャーを増幅させています。もしプレシーズンで結果を出せなければ、レギュラーシーズンではベンチの奥深くに座り続けることになるでしょう。
J.J.レディックヘッドコーチは、ブロニーのオフシーズンの成長を公に評価していますが、賞賛だけでは試合には出られません。実際の試合で結果を出すことが求められています。
今後の展望:父の引退後を見据えた選択
ブロニーにとって最も重要なのは、レブロンが引退した後のレイカーズで自分の居場所を確保できるかという点です。現時点では、ブロニーは「開発途上の選手」という位置づけにあり、潜在能力は認められているものの実績が伴っていません。
レイカーズは、ウイングポジションで「シュート、ディフェンス、クリエイト」の3つをこなせる選手を求めています。ロースター枠は限られており、特にウイングの競争は激しくなります。ブロニーがこのプレシーズンで安定したシュート力、正確なパス判断、献身的なディフェンスを示すことができれば、レブロン引退後の新しいチーム構想の中での役割を確保できるかもしれません。
しかし、もしシュートが不安定で、ターンオーバーが多く、ディフェンスでミスを犯すようであれば、フロントオフィスは彼をローテーションに組み込むことを正当化できなくなります。より完成度の高いウイング選手がトレードや新人選手として加わってくる可能性もあり、ブロニーの立場はさらに危うくなるでしょう。
ブロニーに求められているのは、圧倒的な活躍ではありません。ただ「重要な存在になれる」ことを示すだけでいいのです。ストーリー以上の価値を持つ選手であることを証明する必要があります。なぜなら、レイカーズがレブロン時代から完全に移行したとき、ローテーションに入る全ての選手には「潜在能力」ではなく「実力」が求められるからです。
このプレシーズンは、ブロニー・ジェームズがその新しい章での役割を確実にするための、おそらく唯一のチャンスかもしれません。
スタッツ
- プレシーズン第1戦:8得点、5リバウンド、2アシスト、FG1/12
- プレシーズン第2戦:5得点、3リバウンド、2アシスト
- 昨シーズン平均:2.3得点、0.7リバウンド、0.8アシスト(27試合、6.7分)
- フィールドゴール成功率:31.3%(昨シーズン)
- 契約状況:2025-26シーズン以降2年間保証
試合後のコメント
J.J.レディックヘッドコーチは、ブロニーのオフシーズンの成長について肯定的なコメントを残しています。レイカーズは彼に対して真剣な評価を行っており、ベテラン選手が休む中でも出場時間を与えています。今期こそ「親の七光り」から脱却できるのか。注目です。
引用: yardbarker

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