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エイジャ・ウィルソンの劇的ブザービーターでエーシズがファイナル3連勝、王座まであと1勝に迫る(90-88)

試合展開

第1クォーターから激しい攻防が繰り広げられました。エーシズはベンチから出場したジュエル・ロイドが2分足らずで4本の3ポイントシュートを決める驚異的なパフォーマンスを見せ、試合途中で17-0のランを展開しました。一時は21-8とリードを広げましたが、マーキュリーも黙っていませんでした。13-0のランで応戦し、試合を23-23の同点に持ち込みました。第1クォーター終了時点では26-23とエーシズがリードしていました。

第2クォーターでエーシズがペースを掴みました。3ポイントシュートの精度が驚異的で、前半だけで16本中9本を成功させ、成功率は56.3%に達しました。特にベンチメンバーのロイドとダナ・エヴァンスが合わせて6本の3ポイントを沈め、ハーフタイムには55-43と12点差をつけました。マーキュリーのネイト・ティベッツヘッドコーチは試合前にディフェンスの改善を訴えていましたが、前半だけで55失点という厳しい展開となりました。

第3クォーターでエーシズはさらに攻勢を強めました。エイジャが11得点を挙げる活躍を見せ、第4クォーター開始時点で76-59と17点差まで広げました。エーシズは第3クォーターで3ポイントシュートが6本中0本と冷え込みましたが、それでも支配的な試合運びを続けました。

しかし第4クォーター、マーキュリーが猛烈な反撃を開始しました。プレーオフを通じて何度も大逆転を演じてきたマーキュリーは、この試合でも粘りを見せました。カリーヤ・カッパーの3ポイントシュートで残り3分06秒に84-83まで詰め寄り、デワナ・ボナーが残り1分33秒に3ポイントを決めて86-86の同点としました。そして残り1分01秒、ボナーのフリースローで88-88の同点となりました。

残り5秒、タイムアウトが取られました。ベッキー・ハモンヘッドコーチが描いた最後のプレーは明快でした。「エイジャにボールを渡して、邪魔しないこと」とハモンは冗談交じりに語りました。エイジャがインバウンドパスを受け取り、1回ドリブルをつくと、ボナーとアリッサ・トーマスのダブルチームを前に素早くターンアラウンドジャンパーを放ちました。ボールは一度リムに当たり、少し跳ね上がりましたが、再びネットに落ちました。残り0.3秒。ボナーの最後のシュートは外れ、エーシズが90-88で劇的な勝利を収めました。

注目選手・スタッツ

・エイジャ・ウィルソン(エーシズ):34得点14リバウンド4アシスト3ブロック。ファイナルでのキャリアハイを更新し、連続して25得点10リバウンドを記録した史上初の選手となりました。プレーオフ通算9回目の30得点ゲームで、今季プレーオフでは4回目となり、いずれもWNBA歴代最多記録です

・ジャッキー・ヤング(エーシズ):21得点9アシスト。エイジャとのコンビネーションは抜群で、2人で72得点に絡み(得点またはアシスト)、ファイナル史上5番目の記録となりました

・ジュエル・ロイド(エーシズ):16得点。第1クォーターに4本の3ポイントを決め、試合の流れを引き寄せました

・デワナ・ボナー(マーキュリー):25得点10リバウンド。ベンチから出場し、チーム最多得点を記録しました

・カリーヤ・カッパー(マーキュリー):17得点。第3クォーターは6得点に留まりましたが、第4クォーターで11得点を挙げ、逆転の起爆剤となりました

・アリッサ・トーマス(マーキュリー):14得点12リバウンド9アシスト。トリプルダブルまであと1アシストでしたが、最後まで粘り強いプレーを見せました

・サトゥ・サバリー(マーキュリー):第4クォーター残り4分26秒、レイアップを試みた際にジャッキー・ヤングと絡み合い、転倒時にキアスタン・ベルの足に頭を強打して退場しました。脳震とうの疑いで評価中です

試合後のコメント

試合後、エイジャは「ベッキー(ハモン)の下では、これまでゲーム3で勝てたことがなかった。今日は私たちにとって必ず勝たなければならない試合だった。チームメイトに伝えた最大のメッセージは、1つずつ勝つこと。ポゼッションで勝ち、クォーターで勝てば、すべてがうまくいく」と語りました。また最後のショットについては「誰が目の前にいるかは見なかった。気にしなかった。ファイナルだから。バスケットを決めることだけが必要だった」と振り返りました。

ハモンは「私たちがパンチを繰り出すと、彼らが這い上がってきた。もちろん完璧な試合を望むが、彼らが勢いを取り戻し、最後に勝つチャンスを得たことは評価しなければならない。必死のチームだった。彼らはこの試合を勝たなければならなかった。私たちはその嵐に耐えることができた」とマーキュリーの粘りを称えました。

マーキュリーのトーマスは「勝利を掴むチャンスはたくさんあった」と悔しさを滲ませました。ティベッツは「私は誤魔化さない」と率直に語り、3連敗という厳しい状況を認めました。

エーシズは4年間で3度目のチャンピオンシップまであと1勝に迫りました。一方、マーキュリーはWNBA史上初の7戦制ファイナルで0-3から4連勝するという前人未到の挑戦を強いられることになりました。Game 4は10月10日金曜日、フェニックスで開催されます。

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