デイビスの体重増加が示す新たなリスク
ダラス・マーベリックスがルカ・ドンチッチとのトレードで獲得したアンソニー・デイビスに、早くも懸念の声が上がっています。チームが公表したトレーニングキャンプでの体重は268ポンド(約121.6kg)。これは昨シーズン、レイカーズ時代のキャンプ時から15ポンド(約6.8kg)も増加した数字です。
10月2日のプレシーズン開幕戦、オクラホマシティ・サンダー戦では7得点7リバウンドを記録し、チームは106-89で勝利しました。しかし、デイビスの体格は明らかに以前より大きく見え、ファンやメディアの間では「フィットネスの問題が再燃するのでは」という不安が広がっています。
この体重増加には理由があります。デイビスは昨シーズン、網膜剥離を抱えながらプレーを続け、オフシーズンに手術を受けました。手術は成功し、今後はキャリアを通じて保護ゴーグルを着用することになりましたが、回復期間中は数週間にわたって運動ができませんでした。
デイビス本人の戦略か、それとも警鐘か
デイビス自身は、この体重増加を意図的なものだと説明しています。「通常は255から258ポンドくらいです。プレー時の体重でキャンプに入りたくない。シーズン中に体重が落ちると小さくなりすぎてしまうからです。10から12ポンドはすぐに落ちます」とコメントしています。
確かに、多くのNBA選手がシーズン序盤に少し重めの体重でスタートし、82試合の長いシーズンを通じて自然に絞っていく戦略を取ります。しかし、デイビスの場合、その「少し重め」が過去の基準から10ポンド以上も上回っているのが問題です。255から258ポンドという彼の通常の「重め」設定と比較しても、今回の268ポンドは明らかに異常値と言えます。
ドンチッチとのトレードを振り返る
マーベリックスがドンチッチをトレードした背景には、若きスターのコンディション管理への懸念がありました。ドンチッチは昨シーズン、「260ポンド台後半」という報道もあり、フィットネスが大きな問題となっていました。キャリア通算の公式体重230ポンドから大きく外れた数字でした。
しかし皮肉なことに、現在ドンチッチはフィットネス雑誌の表紙を飾るまでに体調を改善しました。レイカーズでの体重は244ポンドと報告され、かつての問題から大きく前進したことが数字で証明されています。ドンチッチの昨シーズンの体重増加も、深刻なふくらはぎの肉離れで運動できなかったことが主な原因でした。選手がどれだけ優れたトレーニングルーティンを持っていても、怪我がそれを阻害すれば意味がありません。
一方、デイビスは6歳年上で、怪我の履歴も豊富です。マーベリックス加盟後の最初の試合で内転筋を痛め、その後19試合を欠場しました。ドンチッチのキャリア7年間での出場試合数は450試合ですが、同じ期間でデイビスは377試合。シーズンあたり約10試合少ない計算になります。2024-25シーズンはドンチッチにとって最も怪我の多いシーズンでしたが、それでもデイビスよりわずか1試合少ないだけでした。
マーベリックスの賭けは成功するか
マーベリックスのフロントオフィスは、デイビスの体重管理能力とシーズンを通じた耐久性に賭けました。デイビスが主張するように、体重を素早く落とせるかもしれません。実際、彼はシーズンが始まれば自然にコンディションを整えていく可能性もあります。
しかし、過去のデータが示すのは厳しい現実です。デイビスは素晴らしい才能を持つ選手ですが、怪我によってコートを離れ、結果的にコンディションを崩すサイクルを繰り返してきました。網膜剥離からの回復という正当な理由があったとはいえ、268ポンドという体重は、このサイクルが再び始まる可能性を示唆しています。
ドンチッチが問題児から模範的な選手へと変貌を遂げた今、マーベリックスは別の懸念材料を抱えることになりました。デイビスが体重を落とし、健康を保ち、フルシーズンを戦えるか。それとも、怪我と体重管理の悪循環に陥るか。今シーズンのマーベリックスの成否は、この問いへの答えにかかっています。
プレシーズンはまだ始まったばかりです。デイビスには、懸念を払拭し、トレードの正しさを証明する時間が残されています。しかし、時計は刻々と進んでおり、ファンとフロントオフィスの期待は高まる一方です。
引用: yardbarker

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