ポール・ジョージ

ポール・ジョージの開幕戦欠場が決定的に――76ersの再起は遠のくのか

昨シーズン、わずか41試合の出場に終わったポール・ジョージが、2025-26シーズンの開幕戦でもコートに立てない見込みとなりました。76ersにとって、昨年の悪夢が再び繰り返される予兆なのでしょうか。それとも慎重なリハビリが、長いシーズンでの成功につながるのでしょうか。

オフシーズン手術からの回復が遅れる

ジョージは7月にオフシーズン中のワークアウトで負傷した左膝の関節鏡視下手術を受けました。ESPNのシャムズ・シャラニアによると、開幕戦となるボストン・セルティックス戦への出場は見込めず、「レギュラーシーズン序盤」での復帰を目指しているとのことです。

ニック・ナース・ヘッドコーチは木曜日の練習後、ジョージの回復状況について語りました。「5対0の練習から少人数での実戦形式へ、そして今日は短時間の5対5に参加しました。正しい方向へ進めるよう努力しています」

開幕戦への出場可能性について楽観的かと尋ねられると、ナースは懐疑的な反応を示しました。「いや。昨日が初めての少人数での実戦形式で、今日も短時間の5対5だった。もう少し待つ必要があります」

昨シーズンの惨劇が影を落とす

2024-25シーズンは、ジョージにとっても76ersにとっても痛烈な失望の年でした。ジョージは複数の怪我に苦しみ、わずか41試合の出場で平均16.2点、5.3リバウンド、4.3アシストに終わりました。1試合平均16.2得点は、わずか8試合しか出場しなかった2014-15シーズン以来の最低記録です。

76ersは5月にジョージのシーズン終了を発表しました。ジョエル・エンビード(19試合のみ)とタイリース・マクシー(52試合)も長期離脱したことで、チームは24勝58敗という惨憺たる成績に終わりました。

3月17日、76ersはジョージが左内転筋と膝に注射を受け、少なくとも6週間欠場することを発表。これにより、彼の初年度は事実上終了しました。プレーオフ進出を逃したフィラデルフィアは、イースタン・カンファレンス12位でシーズンを終えました。

高額契約とケガのリスク

ジョージは昨夏、ロサンゼルス・クリッパーズとの4870万ドルのプレイヤーオプションを行使せず、4年2億1200万ドルの契約で76ersに加入しました。当時34歳だった彼は、エンビードとマクシーとともにビッグ3を形成し、優勝候補として期待されていました。

しかし、プレシーズンのアトランタ戦で左膝を過伸展させて負傷。開幕5試合を欠場した後、11月4日のフェニックス・サンズ戦でデビューを果たしましたが、15点5リバウンド4アシストの成績で118-116の敗戦に終わりました。

76ersは今後3年間、ジョージに平均5410万ドルを支払う契約を結んでいます。35歳を迎える彼の耐久性に疑問符がつく中、チームは夏にトレードを検討する可能性も浮上しています。

ワイドオープンなイースト、しかし健康が鍵

皮肉なことに、2025-26シーズンのイースタン・カンファレンスは近年まれに見る混戦状態です。昨季ファイナルに進出したボストン・セルティックスはジェイソン・テイタムのアキレス腱断裂で大幅に戦力ダウン。インディアナ・ペイサーズもタイリース・ハリバートンの長期離脱が決定的です。

一部のアナリストは、健康であれば76ersが50勝を挙げ、ホームコートアドバンテージを獲得できると予想しています。ザ・リンガーのハワード・ベックは「31歳のMVP、24歳のオールスター、そして35歳でもハイレベルなプレーができる9度のオールスター。昨季のトップルーキーと今年のドラフト3位指名選手も控えています」と評価しました。

しかし、現実は厳しいものです。エンビードも膝の関節鏡視下手術から回復中で、2シーズン連続で58試合しかプレーしていません。ジャレッド・マケインは右手親指のUCL断裂で11月初旬まで欠場が決定。クエンティン・グライムスは契約交渉が難航し、メディアデーを欠席しました。

若手への期待と不確実な未来

76ersは現在、二つのロスターを構築しています。一つは即座の優勝を目指すベテラン中心のグループ(エンビード、ジョージ、アンドレ・ドラモンド、ケリー・ウーブレJr.、カイル・ラウリー、エリック・ゴードン)。もう一つは数年先を見据えた25歳以下の若手グループ(マクシー、マケイン、VJエッジコーム、グライムス)です。

サラリーキャップの約70%をエンビードとジョージに費やしている以上、76ersは前者の構成に依存せざるを得ません。しかし、若手ガードたちとグライムスの長期契約も視野に入れており、チームは短期的な勝利と長期的な構築のバランスを取る必要があります。

ドラフト3位指名のエッジコームは、爆発的な運動能力と想定以上のプレイメイキング能力で期待を集めています。ナースはエッジコームとマクシーのバックコートコンビに好感を示しており、開幕スタメンの可能性も示唆されています。

結論:忍耐が試される76ers

ジョージの開幕戦欠場は、76ersファンにとって痛烈なデジャブです。昨シーズンは3勝14敗のスタートでシーズンが事実上終了しました。今季も同じ轍を踏むわけにはいきません。

ナースは金曜日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦でエンビードが出場する可能性を示唆しましたが、チームの成功はビッグ3の健康にかかっています。ジョージが「レギュラーシーズン序盤」に復帰できれば、イースト混戦の中で巻き返すチャンスは残されています。

しかし、過去2シーズンでエンビードが58試合、ジョージが41試合しか出場していない事実は重くのしかかります。76ersの2025-26シーズンは、医療スタッフとトレーニングスタッフの手腕が試される年になるでしょう。

プレシーズン最終戦を経て、開幕戦のボストン戦を迎える76ers。ジョージ不在のコートで、若手たちがどこまで奮闘できるか。そして何より、ビッグ3が揃ってプレーできる日がいつ訪れるのか――フィラデルフィアのファンにとって、長く不安な待ち時間が始まっています。

引用: cbssports

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