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NBAスターティングラインナップを完成させる「5番手」の重要性──全30チーム徹底ランキング

目次

スターラインナップを支える縁の下の力持ち

NBAでは、スーパースターの存在が試合の勝敗を左右すると思われがちです。しかし、実際のバスケットボールは個人技だけでなく、チームケミストリーが大きな役割を果たします。スターティング5人それぞれが、チーム内のヒエラルキーを理解し、自分の役割を完璧にこなすことが勝利への鍵となります。

今回注目するのは、そんなスターティングラインナップの「5番手」です。1番手から4番手がスター選手で固まっているチームにおいて、5番手の選手がどれだけチームの穴を埋められるかが、プレーオフ進出やチャンピオンシップ争いの明暗を分けることになります。

昨シーズンを振り返ると、サンダー、ニックス、ティンバーウルブズといったスターティングラインナップが優れていたチームの3つがカンファレンスファイナルまで進出しました。この事実は、5人全員が機能することの重要性を物語っています。

5番手選手に求められる資質とは

では、理想的な5番手選手とはどのような存在なのでしょうか。5番手は、チームのスターティングラインナップを「まとめ上げる」役割を担います。トップ4の選手を並べたとき、何が不足しているでしょうか。ボールハンドリング能力でしょうか。サイズでしょうか。オンボールディフェンスでしょうか。シュート力でしょうか。ポジションの汎用性でしょうか。

5番手選手は、これらすべてを提供できなくても構いません。しかし、チームの穴を埋める能力が求められます。そうでなければ、すぐに交代させられるか、プラトーンシステムの中で起用されることになるでしょう。6番目の選手よりも優れている必要はありませんが、5人組としての機能性において最適な選択肢でなければなりません。

実際、5番手のスターティングポジションは流動的で、マッチアップによって頻繁に入れ替わります。複数のチームで5番手の座がまだ確定していないのも、この柔軟性が理由です。

トップ5:最高の5番手選手たち

1位:アイザイア・ハーテンシュタイン(オクラホマシティ・サンダー)

サンダーは、シャイ・ギルジャス・アレクサンダー、ジェイレン・ウィリアムス、チェット・ホルムグレン、ルー・ドートという長身で獰猛なディフェンシブラインナップをどのようにまとめ上げるのでしょうか。答えは、さらなるサイズとディフェンシブな強度です。

ハーテンシュタインは、リムプロテクターとしてリーグ最高レベルの選手であり、ホルムグレンも同様です。両者ともスペースでのディフェンスが可能で、ハーテンシュタインの存在により、ホルムグレンは自由に動き回る脅威として機能できます。オフェンス面では、ホルムグレンのシュート力がハーテンシュタインのインサイドでの活動にスペースを作り出し、優れたスクリーンセッターとパサーとしての役割を果たします。

データを見ると、その効果は明白です。ハーテンシュタインとホルムグレンの両方を起用したラインナップは、100ポゼッションあたり13.5点も相手を上回り、リーグ最高効率のオフェンスと4位のディフェンスを記録しました。ホルムグレンを外してハーテンシュタインだけを残しても、サンダーは100ポゼッションあたり11.7点で相手をアウトスコアし、リーグトップのディフェンスレーティングを維持しました。

プレーオフでは、サンダーがファイナルでハーテンシュタインの代わりに小柄なケイソン・ウォレスを起用する場面もありましたが、インディアナとの決戦ではマーク・ダイグノール監督はハーテンシュタインを信頼しました。

2位:クリスチャン・ブラウン(デンバー・ナゲッツ)

ブラウンは、ニコラ・ヨキッチ、ジャマール・マレー、アーロン・ゴードン、キャム・ジョンソンという明確なトップ4を擁するナゲッツにとって、完璧なフィット感を持つ選手です。ナゲッツに必要なのは、あらゆる機会にシュートを打ちまくるタイプのシューティングガードではありません。

彼らが求めているのは、オープンになったときに確実に3ポイントを沈められる選手(ブラウンは昨シーズン、1試合平均2.8本の3ポイント試投で40%を記録)、激しいディフェンスができる選手(ブラウンはプレーオフでシャイ・ギルジャス・アレクサンダーを含む相手チームのベストガードをマークすることが多かった)、そして瞬時にリムへカットしてヨキッチのターゲットになれる選手です。

昨シーズン、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープの退団により生まれた穴を埋めるべく起用されたブラウンは、得点平均を倍増させ、15.4点をキャリア最高の効率(58/40/83のシューティングスプリット)で記録しました。24歳で、驚異的なアスリート能力とスキルを持ち、純粋な勝者です。これ以上何を望むのでしょうか。

3位:ジェイレン・デューレン(デトロイト・ピストンズ)

デューレンは、昨シーズン44勝を挙げたチームで、1試合平均26.1分の出場でダブルダブルを記録しました。そして彼は、レブロン・ジェームスがNBAに入った後に生まれています。まだ22歳になっていません。この6フィート10インチ、250ポンドのアスレチックモンスターの可能性は、このリストの誰よりも高いと考えられます。

デューレンは昨シーズン、フィールドゴールの69.2%を成功させ、そのほとんどがゴール下でのシュートでした。彼は219本のダンクを決めました。ボールを手にしてもそれ以上のことはしようとしませんが、実際には「それ以上」の価値があります。36分あたり5本のスクリーンアシストは、2000分以上プレーした選手の中で、ドマンタス・サボニスとルディ・ゴベールに次いで3位です。デューレンは通常のアシストも記録でき、1試合平均2.7本を追加しています。

ディフェンス面では、改善の余地が多くあります。36分あたり4.4ファウルを犯しており、相手はゴール下で彼に対して62.9%を決めており、これはシーズン平均に近い数字です。彼がコートを離れているときの方が、ディフェンスは100ポゼッションあたり3.7点良かったのです。しかし、彼はスペースでのディフェンスとリムプロテクションの両方を行えるサイズとアスリート能力を持っており、今シーズンは両方をうまくこなせると信じています。

4位:ミッチェル・ロビンソン(ニューヨーク・ニックス)

ロビンソンは健康なときには絶対的な野獣であり、プレーオフではそうでした。彼はディフェンディングチャンピオンのセルティックスに対して、コートの両端で大暴れしました。セルティックスは、リムプロテクターとしての彼の働きと、オフェンスリバウンドマシンとしての活躍に答えを持っていませんでした。彼のハッスルとアスリート能力は、プラスマイナスの神でした。

もちろん、ロビンソンは昨シーズンのニューヨークのプレーオフ18試合のうち、わずか4試合しか先発していません。ニックスは、カール・アンソニー・タウンズをセンターに置いた、優れたウイングであるジョシュ・ハートを起用した小さいラインナップを頻繁に使用しました。このラインナップはディフェンス面で苦戦し(100ポゼッションあたり115.8点)、わずかに相手を上回るだけでした(100ポゼッションあたり+4.1点)。

しかし、新ヘッドコーチのマイク・ブラウンは、プレシーズンの4試合中3試合でロビンソンをスターティングラインナップに組み込んでいるようです。とはいえ、ハートがこのリストで同じくらい高く、あるいはそれ以上にランクされるでしょう。しかし、6フィート4インチのハートにはできない方法で、ロビンソンは両サイドでの脅威レベルを高めます。

5位:ヤコブ・パートル(トロント・ラプターズ)

ラプターズはエリートレベルのスーパースターを誇っていないかもしれませんが、スターティングラインナップはタレントに富んでいます。文字通り、彼らは今シーズン、5人の異なる選手に1950万ドルから3870万ドルの間で支払います。そして、1950万ドルの給料を受け取るパートルは、トロントの5人のスターターの中で最も安く、最高のバーゲンと言えます。

パートルはキャリアで36分あたり平均14.4点、11.2リバウンド、2ブロックを記録しており、過去4シーズンは1試合あたりこれらの数字に近い成績を残しています。ディフェンス面でのピークからは衰えたものの、依然として高レベルのリムプロテクターであり、相手をゴール下でシーズン平均より5.6%低いシュート成功率に抑えています。彼がコートにいるとき、ラプターズは100ポゼッションあたり112.8点を許しており、これはシーズンを通じて平均できればトップ10に近いレーティングです。

オフェンス面では、パートルはシュート試投の約3分の2をゴール下で決め、ミッドレンジからは50%のシューターです。打つべきでないシュートは打ちません。これらすべてが、彼をより良いチームに素晴らしくフィットさせており、誰が知るでしょう──シーズン終了までに、彼はトロントか他の場所でそのようなチームにいるかもしれません。

6位から11位:次点の5番手選手たち

6位:アル・ホーフォード(ゴールデンステート・ウォリアーズ)

38歳のベテランセンターは、ステフィン・カリー、アンドリュー・ウィギンズ、ドレイモンド・グリーン、ブランディン・ポジェムスキーというウォリアーズのラインナップにおいて、経験と落ち着きをもたらします。長年のキャリアで培ったディフェンスのIQとミッドレンジシュート、3ポイント能力は、ウォリアーズのスペーシングに貢献します。年齢を感じさせないプレーと、若手を導くリーダーシップが評価されています。

7位:デニス・シュルーダー(サクラメント・キングス)

ドマンタス・サボニス、デアーロン・フォックス、デマー・デローザン、ケビン・ハーターというキングスのスターティングラインナップにおいて、シュルーダーはベテランガードとしての安定感を提供します。プレーメイク能力とディフェンス面での積極性が強みで、セカンドユニットを率いることもできる多用途性を持っています。国際大会での経験も豊富な、信頼できるポイントガードです。

8位:デレック・ライブリー2世(ダラス・マーベリックス)

ルカ・ドンチッチ、カイリー・アービング、クレイ・トンプソン、PJ・ワシントンという攻撃的なラインナップの中で、ライブリー2世は守備の要として機能します。デューク大学出身の若きビッグマンは、リムプロテクション能力に優れており、アリウープのターゲットとしても活躍します。昨シーズンのプレーオフで見せた成長は目覚ましく、将来性は非常に高いと評価されています。ダニエル・ガフォードとのローテーションも予想されますが、スターティングの座を確保しつつあります。

9位:ウォーカー・ケスラー(ユタ・ジャズ)

ラウリ・マルカネン、コリン・セクストン、ジョーダン・クラークソン、レイジョン・ロンドーというジャズのラインナップで、ケスラーはディフェンスの柱として機能します。オーバーン大学出身の7フッターは、リーグ屈指のリムプロテクターとしての才能を持ち、ブロック率は常にリーグトップクラスです。オフェンス面では限定的ですが、ピック&ロールのフィニッシャーとしての役割を果たし、オフェンスリバウンドでもチームに貢献しています。

10位:デアンドレ・ハンター(クリーブランド・キャバリアーズ)

ドノバン・ミッチェル、ダリアス・ガーランド、エバン・モブリー、ジャレット・アレンという強力なキャバリアーズのラインナップにおいて、ハンターは3アンドDのウイングとして重要な役割を担います。バージニア大学でNCAAチャンピオンに輝いた経験を持つ彼は、相手のエースウイングをマークできるディフェンス力と、コーナー3ポイントの安定性が武器です。怪我に悩まされた時期もありましたが、健康であればトップ20の3アンドD選手として機能します。

11位:ウェンデル・カーター・ジュニア(オーランド・マジック)

パオロ・バンケロ、フランツ・ワグナー、ジェイレン・サッグス、ジョナサン・アイザックというマジックの若く才能あふれるラインナップで、カーター・ジュニアは経験豊富なビッグマンとして安定感をもたらします。デューク大学出身の彼は、ミッドレンジシュートとリバウンド能力に優れており、ディフェンス面でもスペースを守れる機動力を持っています。オールラウンドなセンターとして、マジックの成長に欠かせない存在です。

12位から20位:中堅の5番手選手たち

12位:マイク・コンリー(ミネソタ・ティンバーウルブズ)

ベテランポイントガードのコンリーは、アンソニー・エドワーズ、ルディ・ゴベール、ジュリアス・ランドル、ジェイデン・マクダニエルズという強力なラインナップをまとめ上げる経験豊富な司令塔です。プレーメイク能力とディフェンス面での賢さが、ティンバーウルブズのスターティングラインナップに安定感をもたらします。

13位:ジェレミー・ソーハン(サンアントニオ・スパーズ)

ビクター・ウェンバンヤマを中心とした若いスパーズにおいて、ソーハンは多様性を提供します。ディフェンス面での激しさとリバウンド能力は、チームの成長において重要な要素となっています。

14位:八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)

レブロン・ジェームスとアンソニー・デイビスを支える八村は、昨シーズンからレイカーズのスターティングラインナップに定着しました。安定したミッドレンジシュートとディフェンスでの貢献が評価されており、プレーオフ経験も豊富です。

15位:ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ(メンフィス・グリズリーズ)

ナゲッツから移籍したコールドウェル・ポープは、3アンドDの典型的な選手として、ジャ・モラントやデズモンド・ベインとのバックコートで活躍が期待されます。チャンピオンシップ経験も若いグリズリーズには貴重です。

16位:ザッカリー・リサシェ(アトランタ・ホークス)

2024年ドラフト全体1位指名のリサシェは、トレイ・ヤング、デジャンテ・マレー、ジェイレン・ジョンソン、クリント・カペラというラインナップで5番手を務めます。フランス出身の多才なフォワードとして、守備面での成長が鍵となります。

17位:デリック・ジョーンズ・ジュニア(LAクリッパーズ)

カワイ・レナード、ポール・ジョージ不在後のクリッパーズで、ジョーンズ・ジュニアのアスレチック能力とディフェンスは重要性を増しています。ジェームス・ハーデンやノーマン・パウエルとともに、新しいアイデンティティを築く役割を担います。

18位:ドノバン・クリンガン(ポートランド・トレイルブレイザーズ)

ドラフト上位で指名された7フィート2インチのビッグマンは、リムプロテクターとしての才能を持っています。デアンドレ・エイトン、ジャーマイ・グラント、アンファニー・サイモンズとともに、再建中のブレイザーズの未来を担う存在です。

19位:ニコラ・ヨビッチ(マイアミ・ヒート)

セルビア出身の若手フォワードは、バム・アデバヨ、ジミー・バトラー、タイラー・ヒーローという確立されたビッグ3の下で、スペーシングとパッシングで貢献します。ヒートカルチャーの中での成長が期待されています。

20位:リード・シェパード(ヒューストン・ロケッツ)

ケンタッキー大学出身のルーキーガードは、ジェイレン・グリーン、アルペラン・シェングン、フレッド・バンブリート、ディロン・ブルックスというラインナップで経験を積みます。シュート力とディフェンスでの賢さが武器です。

21位から30位:発展途上の5番手選手たち

21位:AJ・グリーン(ミルウォーキー・バックス)

ヤニス・アデトクンボ、デイミアン・リラード、クリス・ミドルトン、ブルック・ロペスという豪華なラインナップにおいて、グリーンは3ポイントシューターとしての役割を担います。コーナー3が得意な彼の存在は、スペーシングに貢献します。

22位:ニーミアス・クエタ(ボストン・セルティックス)

ディフェンディングチャンピオンのセルティックスでは、ジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウン、クリスタプス・ポルジンギス、ジュルー・ホリデーが上位4人を占め、クエタはエネルギープレイヤーとしての役割です。アル・ホーフォードとの併用も予想されます。

23位:ライアン・ダン(フェニックス・サンズ)

ケビン・デュラント、デビン・ブッカー、ブラッドリー・ビール、ジャスティス・ウィンズローというスコアリング豊富なラインナップで、ダンは主にディフェンス面での貢献を期待されています。

24位:イヴ・ミッシ(ニューオーリンズ・ペリカンズ)

ザイオン・ウィリアムソン、ブランドン・イングラム、CJ・マッカラム、ハーブ・ジョーンズというタレント揃いのペリカンズで、ベイラー大学出身のビッグマンはリムプロテクションを担当します。

25位:ケリー・ウーブリー・ジュニア(フィラデルフィア・76ers)

ジョエル・エンビード、タイリース・マクシー、ポール・ジョージ、カレブ・マーティンという強力なラインナップの5番手として、ウーブリーはエネルギーと多様性を提供します。

26位:カイショーン・ジョージ(ワシントン・ウィザーズ)

再建中のウィザーズでは、ジョーダン・プール、カイル・クズマ、ジョナス・バランチュナス、マルコム・ブログドンとともに、ルーキーのジョージが経験を積む機会を得ます。

27位:アイザイア・ジャクソン(インディアナ・ペイサーズ)

タイリース・ハリバートン、パスカル・シアカム、マイルズ・ターナー、アンドリュー・ネムハードというバランスの取れたラインナップで、ジャクソンはエネルギーとリムプロテクションを提供します。

28位:エゴール・デミン(ブルックリン・ネッツ)

ミカル・ブリッジス、キャメロン・ジョンソン、ニック・クラクストン、デニス・スミス・ジュニアとともに、若手のデミンはネッツの再建プロセスの一部として成長の機会を得ます。

29位:ライアン・カルクブレナー(シャーロット・ホーネッツ)

ラメロ・ボール、ブランドン・ミラー、マーク・ウィリアムズ、マイルズ・ブリッジズという若いコアの中で、カルクブレナーはビッグマンとしての基本的な役割を果たします。

30位:アイザック・オコロ(シカゴ・ブルズ)

ザック・ラビーン、デマー・デローザン、ニコラ・ブーチェビッチ、コビー・ホワイトというラインナップで、オコロはディフェンス専門家としての役割を担います。オフェンス面での制約はありますが、守備でのインパクトは評価されています。

5番手の重要性が示すもの

このランキングが示すのは、NBAでの成功がスター選手だけで決まるわけではないということです。確かに、トップスターの存在は不可欠ですが、それを支える役割を理解し、完璧に遂行できる選手がいなければ、チームとしての機能は成立しません。

特に5番手の選手は、華やかなスタッツを残すことは少ないかもしれませんが、チームケミストリーを高め、スターティングラインナップ全体のバランスを整える存在として、計り知れない価値を持っています。ハーテンシュタインのようなディフェンシブアンカー、ブラウンのようなエネルギッシュな両面プレイヤー、デューレンのような将来性豊かな若手──それぞれが異なる形でチームに貢献しています。

今シーズン、これらの5番手選手たちがどのように活躍し、チームの勝利に貢献するかに注目です。もしかすると、プレーオフで最も重要な局面を制するのは、スーパースターではなく、この「縁の下の力持ち」たちかもしれません。

引用: sports.yahoo

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