WNBAの顔として女子バスケットボール界を牽引するケイトリン・クラークのオフシーズンに、再び注目が集まっています。2024年のルーキーシーズン後に実現しなかった、NBAスター御用達トレーナーとのトレーニングが、今オフシーズンこそ現実のものになるかもしれません。
クラークを巡るトレーニング計画の舞台裏
レブロン・ジェームズ、カーメロ・アンソニー、ケビン・デュラントといったNBAレジェンドたちを指導してきた著名プライベートトレーナー、クリス・ブリックリーがポッドキャスト「The Line with Dr Kristen Holmes」に出演し、クラークとのトレーニングについて語りました。
ブリックリーによると、クラークとは数年前から連絡を取り合っており、2024年のルーキーシーズン終了後にトレーニングを行う予定でした。しかし、実現には至りませんでした。その理由は極めてシンプルです。多くのチームが若手選手に対して「最初の3年間はチーム施設でトレーニングを行うべき」という方針を持っており、インディアナ・フィーバーも例外ではなかったのです。
ブリックリーはインディアナポリスまで出向く用意もあったようですが、最終的にクラークはチームの練習施設でのトレーニングを選択しました。「若手の時はチームの施設でトレーニングするべきだというのは理解できる」とブリックリーも尊重の意を示しています。
怪我に見舞われた2025年シーズンとリハビリの現状
2025年のWNBAシーズンは、クラークにとって試練の年となりました。期待されたルーキーからの飛躍は、怪我によって大きく妨げられ、レギュラーシーズンわずか13試合の出場にとどまりました。23歳という若さで女子バスケットボール史上最大のスターになったと評される彼女にとって、この挫折は大きな意味を持ちます。
現在、クラークはインディアナポリスでフィーバーのトレーニングスタッフと共にリハビリを進めており、完全な競技活動への復帰に向けて段階的にトレーニング強度を上げている段階です。怪我からの回復プロセスと来シーズンへの準備が、今オフシーズンの最重要課題となっています。
ブリックリーが語るクラークへの期待
「彼女がWNBAをここまで大きくした理由なんだ。ぜひ一緒にトレーニングしたい。素晴らしい才能を持っているし、彼女の競争心も大好きだ」とブリックリーはクラークへの称賛を惜しみませんでした。
LeBron、Melo、KDといったNBAを代表するスーパースターたちと日常的にトレーニングを重ねてきたブリックリーが、ここまで明確にクラークとの協働を望んでいることは注目に値します。これは単なるリップサービスではなく、クラークの持つポテンシャルと影響力を真剣に評価している証拠でしょう。
ブリックリーは今オフシーズンこそ、クラークがニューヨークの自身の施設に来てトレーニングすることを期待しています。2年目を終えたクラークに、チームがより多くの自由度を与える可能性は高まっています。
チーム方針と個人の成長のバランス
若手選手の育成において、チームが最初の数年間は自チームの施設でのトレーニングを義務付けるのは一般的な方針です。これにはいくつかの理由があります。第一に、チームのシステムやプレイスタイルへの適応を重視する点。第二に、若手選手をチーム医療スタッフの監督下に置き、怪我のリスクを最小限にする点。そして第三に、チームとしての一体感を醸成する点です。
しかし、クラークほどの特別な才能とWNBA全体への影響力を持つ選手の場合、この標準的な方針をどこまで適用すべきかは議論の余地があります。NBAの一流トレーナーとのセッションは、技術的な向上だけでなく、トップレベルの選手たちとの交流による精神面での成長も期待できます。
フィーバーのフロントオフィスが、クラークの長期的なキャリア発展のために、より柔軟なアプローチを取る可能性は十分にあるでしょう。
WNBAスターとNBAトレーニング文化の交差
近年、WNBAとNBAの境界は徐々に薄れつつあります。WNBA選手がNBAのトレーニングメソッドやプログラムにアクセスする機会は増えており、これは女子バスケットボール全体のレベル向上に寄与しています。
クラークとブリックリーのコラボレーションが実現すれば、それは単に一選手のスキルアップだけでなく、WNBAとNBAのトレーニング文化のさらなる融合を象徴する出来事となるでしょう。また、他のWNBA選手たちにとっても、オフシーズンのトレーニング選択肢を広げる先例となる可能性があります。
来季へのロードマップ
2025-26シーズンに向けて、クラークが直面する課題は明確です。まず怪我から完全に回復し、2024年ルーキーシーズンで見せたパフォーマンスを取り戻すこと。そして、さらなる高みを目指してスキルセットを拡張していくことです。
ブリックリーのようなトップレベルのトレーナーとのセッションが実現すれば、クラークのゲームに新たな次元が加わる可能性があります。彼がNBAスターたちに施してきたトレーニングメソッドが、WNBAのゲームにどのように適用され、どんな結果を生むのか、バスケットボールファンならずとも興味をそそられるテーマです。
今後数ヶ月のクラークの動向は、彼女個人のキャリアだけでなく、WNBA全体の進化と成長を占う重要な指標となるでしょう。インディアナポリスに留まるのか、それともニューヨークへ飛ぶのか。その選択が、次のシーズンのWNBAの景色を変えるかもしれません。
引用: yardbarker

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