アンソニー・デイビス

ピストンズがAD獲得か?マブスGM解任で加速するトレード議論の真相

ダラス・マブリックスがニコ・ハリソンGMを解任した衝撃は、NBA全体に大きな波紋を広げています。その中心にいるのが、アンソニー・デイビス。昨シーズンのルカ・ドンチッチとの衝撃的なトレードから約9ヶ月、マブスは再びADの去就に揺れています。そして最も有力な移籍先として浮上しているのが、今季東カンファレンス首位を走るデトロイト・ピストンズです。

マブス崩壊の序章:ハリソンGM解任の衝撃

今季3勝10敗という惨憺たる成績を残したマブリックス。ハリソンGMの解任は、昨季2月に実行したドンチッチとのトレードが完全に失敗だったことを認める形となりました。26歳のMVP候補を手放し、32歳のデイビスを中心に据えてディフェンス重視のチーム作りを目指した構想は、わずか1年で崩壊したのです。

デイビスは今季わずか5試合の出場に留まり、左ふくらはぎの負傷で長期離脱中です。マブス移籍後の通算出場試合数も14試合にとどまります。健康な状態では平均20.8得点10.2リバウンドと優れた数字を残していますが、そもそも「健康な状態」が続かないことが最大の問題となっています。

トレード実行時、マブスはデイビスを268ポンド(約121キロ)とリストアップしました。これはレイカーズ最終年から約15ポンド(約7キロ)増加した数字です。ESPNのティム・マクマホンによれば、マブスの新オーナー、パトリック・デュモンは怪我のリスクを評価するために詳細な医療記録を要求しており、複数の球団関係者はデイビスがトレード前に減量することを期待していると報じています。

ピストンズという選択肢:理想的なフィットか、リスクの高い賭けか

ブリーチャーレポートのザック・バックリーは、ピストンズへのトレード案を提示しました。その内容は、マブスがトバイアス・ハリス、アイゼイア・スチュワート、ジェイデン・アイビー、2026年と2028年の1巡目指名権、さらに2027年と2031年の2巡目指名権を獲得するというものです。

ピストンズにとってデイビスは魅力的な存在です。ケイド・カニンガム、オーサー・トンプソン、ジャレン・デュレンという若手核との相性は良く、デイビスが本来得意とするパワーフォワードのポジションでプレーできます。カニンガムへの負担を軽減しながら、エリートディフェンダーとしてハーフコートオフェンスに多様性をもたらすことができるでしょう。

しかしリスクも明白です。ピストンズは現在10勝2敗で東カンファレンス首位。ディフェンス、エネルギー、成長に基づいたアイデンティティが機能し始めた今、怪我がちな32歳のスターのために成功の方程式を変える価値があるのか。The Ringerのザック・ロウは自身のポッドキャストで疑問を呈しています。「デトロイトがあらゆる会話に出てくるが、正直なぜなのか理解できない」

マブスの選択:タンクか、それとも中途半端な競争か

マブスは2027年から2030年まで自前の1巡目指名権を保有していません。つまり2026年のドラフトで良い順位を確保することが極めて重要です。デイビスを保有し続ければ、負けたい試合で勝ってしまう可能性があります。18歳のクーパー・フラッグを中心にチームを再建するなら、デイビスのトレードはほぼ不可避といえるでしょう。

年俸5410万ドル(今季)、来季5850万ドル、2027-28年に6280万ドルのプレーヤーオプションを持つデイビス。クラッチ・スポーツのリッチ・ポールが代理人を務める彼をトレードするには、球団とエージェント側の協力が不可欠です。複数の報道によれば、マブスはデイビス陣営と協力してシーズン中のトレードシナリオを模索しているとのことです。

ピストンズ以外にも、ヒューストン・ロケッツ、マイアミ・ヒート、シカゴ・ブルズ、トロント・ラプターズなどが潜在的な移籍先として報じられています。ただし、デイビスの現在の価値は14年のキャリアで最低水準にあるとも言われており、マブスが期待するようなリターンを得られるかは不透明です。

2月5日のトレード期限に向けて

今季は開幕1ヶ月も経たないうちに、活発なトレード市場の兆候が見え始めています。デイビスだけでなく、ジャ・モラントの動向も注目されており、2025年2月5日午後3時のトレード期限に向けて、NBAは大きく動く可能性があります。

ピストンズにとって、デイビス獲得はハイリスク・ハイリターンの賭けです。成功すれば東カンファレンスの覇者候補になれる一方、失敗すれば数年分のドラフト資産と若手タレントを失うことになります。マブスにとっては、ハリソンGMの失敗から少しでも多くの資産を回収し、フラッグ時代へ向けた基盤を作ることが最優先課題となるでしょう。

引用:cbssports

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