キャンディー・パーカー

キャンディス・パーカーが語る「エイジャ・ウィルソンの台頭と脇役を受け入れた瞬間」

WNBAのレジェンド、キャンディス・パーカーがポッドキャスト「All The Smoke」に出演し、2023年のラスベガス・エーシズでの優勝について振り返りました。足の手術によりプレーオフ全試合を欠場しながらも3度目のチャンピオンリングを手にしたパーカー。その言葉からは、スーパースターが「脇役」を受け入れるまでの葛藤と成長が見えてきます。これはベテラン選手が直面する普遍的なテーマであり、WNBAの世代交代を象徴するエピソードでもあります。

パーカーの輝かしいキャリアと2023年の転機

パーカーのキャリアは圧倒的な数字で彩られています。2008年にルーキー・オブ・ザ・イヤーとMVPを同時受賞するという史上初の偉業を達成しました。その後もロサンゼルス・スパークスで2016年と2017年に連続優勝を果たし、複数回のオールWNBA選出を誇ります。

しかし2023年、39歳を目前にしたパーカーはエーシズに所属しながらも足の手術を受け、チームのプレーオフ全試合に出場できませんでした。エーシズはエイジャ・ウィルソンを中心に見事に優勝を果たしましたが、パーカーにとってこの勝利は複雑な感情を伴うものでした。コートに立てなかった悔しさと、チームメイトの成功を心から喜ぶ気持ちが交錯していたのです。

「ボールを持たないバスケは楽しくない」—正直な告白

パーカーは番組内で、長年スター選手として活躍してきた自分が役割の変化を受け入れることの難しさを率直に語りました。ボールを持ち、ゲームをコントロールしてきた選手にとって、サポート役に回ることは想像以上に困難だったといいます。

しかし彼女は「サイドラインにいる方がチームに貢献できる」と悟ったと述べています。アドバイスを送り、励まし、若い選手たちの成長を助ける役割。それこそがエイジャ・ウィルソンのMVP級の活躍を支える道だと理解したのです。

この心境の変化は、多くのベテラン選手が直面する普遍的なテーマでもあります。身体的なピークを過ぎてもなお競技を愛し、チームに貢献したいという思い。パーカーはその葛藤と向き合い、新たな形での「リーダーシップ」を見出しました。

「アスタリスク付きの優勝」が教えてくれたこと

パーカーは2023年の優勝には「アスタリスク(注釈)がつく」と正直に認めています。プレーオフで1分もプレーしていないからです。しかし同時に、この経験から過去2回の優勝と同じくらい多くのことを学んだと振り返っています。

この発言は非常に示唆に富んでいます。真の偉大さとは、コートでの活躍だけではなく、チームにどのような影響を与えられるかにもあるということ。パーカーは出場していなくても、彼女の存在がエーシズのロッカールームに確かな価値をもたらしていたのでしょう。

エイジャ・ウィルソンは2023年シーズンでMVPを獲得し、WNBAを代表するスーパースターとしての地位を確立しました。平均得点22.8点、リバウンド9.5本という圧倒的な数字を残し、ファイナルMVPにも輝いています。パーカーのような経験豊富なベテランがそばで支え、知恵を共有してくれたことは、ウィルソンの成長に少なからず影響を与えたはずです。

WNBAの世代交代とレジェンドの新たな役割

パーカーの物語は、現在のWNBAにおける世代交代の象徴でもあります。ケイトリン・クラーク、ペイジ・ベッカーズといった若いスターたちがリーグに新風を吹き込む中、パーカーやダイアナ・タウラージといったレジェンドたちは新たな形でリーグに貢献しています。

引退後もアナリストやメンターとして若手を育てる道がある現代のスポーツ界。パーカーが2023年に経験した「コートの外からの貢献」は、まさにその予行演習だったのかもしれません。偉大な選手が最後まで偉大であり続けるために、役割の変化を受け入れる柔軟性が求められる時代になっているのです。

エーシズは2022年と2023年に連覇を達成し、WNBAの新たな王朝を築きつつあります。その中心にはエイジャ・ウィルソンがいますが、パーカーのようなベテランの存在がチーム文化を形成し、若手の成長を促してきたことも忘れてはなりません。

ファンへのおすすめ

パーカーやエイジャ・ウィルソンのプレーをもっと知りたい方には、WNBA公式のハイライト動画やドキュメンタリーがおすすめです。特にエーシズの連覇の軌跡を追った映像は、チームの団結力とウィルソンの圧倒的な存在感を堪能できます。また、パーカーが出演した「All The Smoke」のエピソードは、彼女の人間性や思考の深さを知る貴重な機会となっています。

引用:yardbarker

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