「もう終わった」——わずか2試合前、レブロン・ジェームズが8得点に終わり、19年間続いた連続2桁得点記録(1,297試合)が途絶えたとき、多くのファンがそう感じたかもしれません。しかし、12月7日(現地時間)の76ers戦で見せたパフォーマンスは、そんな懐疑論を一蹴するものでした。第4クォーターで10連続得点を叩き出し、レイカーズをアウェイでの勝利に導いたのです。40歳を目前にしたベテランが、なぜここまでの爆発力を維持できるのか。この試合から見えてきたレイカーズの強さと、レブロンの凄みを紐解いていきます。
圧巻の第4クォーター:数字が物語るクラッチ性能
この試合のレブロンは、29得点・7リバウンド・6アシスト・1ブロック・1スティールという堂々たるスタッツを記録しました。特筆すべきはシュート効率で、フィールドゴール17本中12本成功(70.6%)、3ポイントも6本中4本を沈めています。
勝負を決めたのは第4クォーター終盤の約2分間です。102-98とリードを広げる得点から始まり、同点の場面ではルカ・ドンチッチからのパスを受けて3ポイントを決め、再びリードを奪取。そして残り1分を切った場面、クエンティン・グライムズのタイトなディフェンスを前に、左ウイングへドライブしてフェイダウェイジャンパーを沈め、110-105として試合を決定づけました。
この夜、ドンチッチも31得点・15リバウンド・11アシストのトリプルダブルを達成しましたが、クロージングの場面ではレブロンにボールを託しました。これこそが、2人のスーパースターが共存するチームの理想形と言えるでしょう。
1,297試合の重み:連続記録途絶後の心理的切り替え
わずか2試合前、レブロンはラプターズ戦で8得点に終わりました。この日はオースティン・リーブスが44得点の大爆発でチームを勝利に導きましたが、レブロン自身にとっては屈辱的な夜だったはずです。2005年1月以来、実に19年間途切れることのなかった2桁得点記録がストップしたのですから。
通常、ベテランがこのような「汚点」を経験すると、精神的なダメージを引きずることが少なくありません。しかしレブロンは76ers戦で、まるで何事もなかったかのように最高のパフォーマンスを発揮しました。この切り替えの速さこそ、20年以上トップレベルで戦い続けてきた精神力の証明です。
重要なのは、レブロンが「毎晩ベストを出せるわけではない」という現実を受け入れつつも、必要な場面では依然として試合を支配できる能力を持っているという事実です。
今後の展望:西地区2位のレイカーズが目指すもの
現在レイカーズは17勝6敗で、デンバー・ナゲッツと並んで西地区2位につけています。首位のオクラホマシティ・サンダーが23勝1敗という驚異的なペースで独走していますが、レイカーズのロスター構成を考えれば、この成績は十分に評価に値します。
注目すべきは、レイカーズが「複数の勝ち方」を持っているという点です。ドンチッチとレブロンの両輪が機能する試合、どちらかが不調でもリーブスが救う試合、そしてこの76ers戦のようにベテランがクロージングで仕事をする試合。この多様性こそが、プレーオフで生きてくる武器になるはずです。
一方で課題も見えます。サンダーとの差は依然として大きく、ロスターの層という点では西地区の上位チームに見劣りする部分もあります。レギュラーシーズンを通じて、ドンチッチとレブロンのケミストリーをどこまで深められるかが、ポストシーズンでの成否を分けることになるでしょう。
40歳を迎えようとするレブロンが、いつまでこのレベルのプレーを維持できるかは誰にもわかりません。しかし少なくとも、この76ers戦で見せたクラッチ性能は、「キング」がまだ王座を譲る気がないことを証明していました。
引用:sports.yahoo

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