WNBAの労働協約(CBA)交渉が1月9日の期限に向けて佳境を迎えています。USAバスケットボールのトレーニングキャンプに参加したペイジ・ベッカーズとケイトリン・クラークが、交渉についてそれぞれの見解を語りました。リーグの急成長を牽引してきた2人の発言は、選手たちの強い決意を示すものでした。
交渉の現状と背景
2026年ワールドカップに向けたUSAバスケットボールのトレーニングキャンプが終了しました。このキャンプにはベッカーズ、クラーク、そしてエンジェル・リースといった若手スターが初めてシニアチームとして参加しています。
注目すべきは、彼女たちがまさにCBA交渉の「顔」となっている点です。この3人がWNBAへの関心を劇的に高めた立役者であり、だからこそ選手全員が適正な報酬を求める機会が生まれているのです。交渉期限は当初10月31日でしたが、11月に1度延長され、現在は1月9日が最終期限となっています。
ベッカーズの発言:毅然とした姿勢を崩さない
ダラス・ウィングスのベッカーズは、Sports Business Journalの取材に対して交渉への姿勢を明確にしました。
彼女は、交渉の両サイドを理解し、双方が望むものの中間点を見つける必要があると述べつつも、選手たちが信じるものに対して毅然とした態度を取ると強調しています。特に印象的だったのは、「私たちが稼いだもの、そして先人たちが稼いできたものを主張する」という言葉です。
ベッカーズは今年のオールスターゲームで、他の選手たちとともに「Pay Us What You Owe Us(私たちに相応の対価を)」と書かれたTシャツを着用してウォームアップに登場しました。ルーキー契約1年目でありながら、リーグで2番目にマーケタブルなスターとして、交渉の最前線に立っているのです。
クラークの発言:ビジネスとして妥協点を探る
一方、クラークはより大局的な視点から交渉を捉えています。
彼女は「これはWNBAが経験した最大の瞬間であり、台無しにしてはいけない」と述べました。選手として正当な権利を主張しながらも、ファンが求めているのはバスケットボールそのものだという現実も認識しています。
クラークの発言で特に注目すべきは、「結局のところ、コート上でのパフォーマンスがお金を生み、マーケット価値を高め、ファンを興奮させる」という部分です。ビジネスとして交渉を捉え、双方の妥協が必要だと冷静に分析しています。同時に「期限が迫ってきている」とも付け加え、交渉の緊張感を示しました。
今後の展望:1月9日に向けた攻防
CBA交渉は、WNBAの今後10年を左右する重要な局面を迎えています。
選手側が求めているのは、リーグの収益成長に見合った報酬体系への移行です。2024年シーズンは視聴率、観客動員数ともに過去最高を記録し、放映権料も大幅に増加しました。この成長の原動力となったのが、まさにベッカーズやクラークといった新世代のスターたちです。
一方、リーグ側も持続可能な経営を維持しながら、選手への還元を増やすバランスを模索しています。1月9日という期限までに合意に達しなければ、2025年シーズンの開幕に影響が出る可能性もあります。
ベッカーズが語った「先人たちが築いてきたもの」という言葉は重要です。現在の交渉は、単に今の選手たちだけでなく、長年にわたってリーグを支えてきた全ての選手への敬意でもあります。そして、この交渉の結果は、WNBAの未来を目指す次世代の選手たちにも大きな影響を与えることになるでしょう。
USAバスケットボールキャンプという場で、若きスターたちが交渉について堂々と発言したこと自体が、WNBAの成熟を象徴しています。1月9日に向けて、どのような結論が出るのか。女子バスケットボール界にとって歴史的な瞬間が近づいています。
引用:yardbarker

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