2025年5月24日、ワシントン州シアトルのクライメートプレッジ・アリーナで行われたWNBAレギュラーシーズン、フェニックス・マーキュリー対シアトル・ストームの一戦は、ストームが77-70で接戦を制しました。
ストームはシーズン開幕戦(今月17日)でマーキュリーに59-81で敗れており、本拠地で雪辱を果たした形です。第1クォーターは両チームとも24点を取り合う互角の立ち上がりとなり、前半終了時点でもマーキュリーが44-42と僅か2点をリードする展開でした。
後半に入ると、第3クォーター終盤にマーキュリーがこの日最大の7点リード(61-54)を奪いました。
しかしその直後から約8分間にわたってマーキュリーのフィールドゴールが一本も決まらない停滞に陥ります。ストームはこの間に12連続得点を挙げ、一気に流れを引き寄せました。
第4クォーター残り4分46秒、マーキュリーの新人モニーク・アコア・マカニがレイアップと連続3ポイントシュートで合計8点を挙げ、スコアを70-70の同点に戻します。
しかし終盤は再びマーキュリーの攻撃が停滞し、最後の6本のシュートがことごとくリングに嫌われました。
その間、ストームは守備でガードのスカイラー・ディギンズ=スミスとフォワードのネカ・オグウミケが立て続けにブロックショットを見せ、相手の追い上げを阻止します。
オフェンスでは70-70から、ディギンズ=スミスが残り時間わずかで勝ち越しのジャンプショットを沈めました。
さらにオグウミケがディギンズ=スミスのアシストからレイアップを決めてリードを広げます。続けてオグウミケがもう1本レイアップを成功させると、残り28秒にはディギンズ=スミスがフリースローを加点して3ポゼッション差とし、試合を決定づけました。
試合を通して7度の同点と8度のリード変更が記録され、両チームの最大リードはいずれも7点と終始拮抗した展開でした。
最後はストームが地元ファンの前で粘り勝ちを収め、これで両チームとも今季の戦績は2勝1敗となっています。
注目選手とスタッツ
勝利したストームでは、新加入のガード、スカイラー・ディギンズ=スミスが24得点・14アシストのダブルダブルと大車輪の活躍を見せました。
14アシストは自身のキャリアハイであり、WNBA史上最多アシスト記録を持つスー・バードが保持していた球団記録に並ぶ快挙です。
フォワードのネカ・オグウミケもゲームハイタイとなる24得点を挙げ、攻守にわたりチームを牽引しました。また、先発のギャビー・ウィリアムズも11得点をマークし、勝利に貢献しています。
一方のマーキュリーでは、フォワードのアリッサ・トーマスがチーム最多の18得点・11リバウンドのダブルダブルを記録しました。
通算82回目のダブルダブルとなり、レベッカ・ブランソンを抜いてWNBA歴代10位に浮上しています。サトゥ・サバリーは15得点をマークし、終盤に同点となるシュートを含む活躍を見せた新人のモニーク・アコア・マカニはキャリアハイとなる14得点を挙げました。
試合後のコメント
試合後、ストームのヘッドコーチ、ノエル・クインは
「今日は選手たちが最後まで粘り強く戦い、特に終盤の守りが光りました。この勝利はチームにとって大きな自信になります」
とチームの戦いぶりを称賛しました。
一方、敗れたマーキュリーのヘッドコーチ、ネイト・ティベッツは
「勝てるチャンスはありましたが、第3Q以降シュートが落ち始めて攻撃のリズムを崩してしまった。あれだけオフェンスが停滞しては勝利は難しいです」
と悔しさをにじませました。