2025年5月29日(現地28日)、WNBAレギュラーシーズンのインディアナ・フィーバー対ワシントン・ミスティクスの一戦がボルチモアのCFGバンク・アリーナで行われました。
フィーバーは前年の新人王ケイトリン・クラークを左太ももの負傷で欠き、代役メンバーで臨む厳しい状況です。第1クォーターは23-19でフィーバーが先行しましたが、第2クォーターになるとミスティクスが盛り返します。
シャキーラ・オースティンが前半だけで13得点を挙げる活躍もあって、ミスティクスが44-40と試合をひっくり返し前半を折り返しました。
後半、第3クォーターもワシントンが主導権を握り、リードを7点(60-53)に広げて最終クォーターに入ります。
第4クォーターではフィーバーも粘りを見せましたが、残り1分6秒でワシントンのブリトニー・サイクスがフィーバーのケルシー・ミッチェルのレイアップをブロックするビッグプレーを披露し、直後のフリースローも確実に沈めてリードを守りました。
フィーバーのデワナ・ボナーが終了間際に遠目から意地の3ポイントシュートを沈めましたが及ばず、83-77でミスティクスが勝利を収めました。
この白星でミスティクスは連敗を3で止めています。
注目選手とスタッツ
ワシントンではサイクスが21得点・9リバウンドの活躍で攻守を牽引しました。加えてキキ・イリアフェンも16得点を記録し、リバウンドでも8本を奪う存在感を示します。
オースティンとソニア・シトロンもそれぞれ13得点を挙げ、チームの得点源として貢献しました。
一方、インディアナではベテランのボナーがチーム最多の21得点をマークして奮闘しました。
ボナーはこの試合でWNBA史上初となる通算7500得点・3000リバウンド・1000アシストを達成しており、キャリアに新たな金字塔を打ち立てました。
ミッチェルも14得点を挙げ、ナターシャ・ハワードが11得点、アリーヤ・ボストンが10得点と続いています。
ボストンは7リバウンド・4アシスト・3ブロックも記録し、攻守両面で存在感を発揮しました。なお、クラークの代役として先発したシドニー・コルソンは4得点にとどまりました。
試合後のコメント
試合後、負傷欠場となったクラークもベンチからコートに姿を見せ、ファンへのサインや記念撮影に気さくに応じていました。
会場を訪れた多くのファンはスター選手との触れ合いを喜びつつ、9月に同じボルチモアで予定されている両チームの再戦でのクラーク復帰を心待ちにしています。
フィーバーのステファニー・ホワイト・ヘッドコーチは、エース不在について、
「チームが新たなアイデンティティーを築く絶好の機会」
と前向きに述べました。
さらに、
「長期的な視点を持ち、決して無理をさせない。シーズンを通して後々まで影響が残らないよう慎重に対応する」
と語り、クラークの回復を焦らず見守る方針を強調しています。
一方、連敗を止めたワシントンはこの勝利をチーム再浮上の弾みにしたい考えです。
フィーバーは翌30日に本拠地でサン(コネティカット・サン)と対戦し、ミスティクスも同日ホームでニューヨーク・リバティを迎え撃つ予定です。