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ドリーム圧勝でフィーバー5連敗の重荷

インディアナ連敗脱出ならず。

アトランタ・ドリームがインディアナ・フィーバーを77-58で圧倒し、ケイトリン・クラーク不在のフィーバーが厳しい現実に直面しました。ドリームのアリーシャ・グレイが23点、ブリオナ・ジョーンズがシーズンハイ21点を記録し、第3クォーターの23-9という一方的な展開で勝負を決めました。

クラークの左大腿四頭筋負傷による5試合連続欠場が続く中、フィーバーは攻撃面での組織力不足が露呈し、東カンファレンスでの順位争いに暗雲が立ち込んでいます。

第3クォーターの決定的展開とグレイの活躍

試合の分水嶺は第3クォーターに訪れました。ハーフタイムを33-33の同点で折り返しましたが、第3クォーターでドリームがフィーバーを23-9と圧倒し、一気に勝負を決めました。アリーシャ・グレイが主導した11-0のランニングスコアで47-37とリードを奪うと、その後もグレイの3ポイントシュートで54-42まで差を広げ、試合の流れを完全に変えました。

グレイは10-16のフィールドゴール成功率(62.5%)で23点を記録し、ゲームハイの活躍を見せました。スティール1回、ブロック1回と守備面でも貢献し、カール・スメスコ新監督の戦術に完璧に適応した証拠を示しました。

ブリオナ・ジョーンズもシーズンハイとなる21点を記録し、コネチカット・サンからの移籍が早くも実を結びました。オフェンス・リバウンドとペイントエリアでの存在感を発揮し、ドリームの新システムへの適応能力の高さを証明しました。

一方、フィーバーは第3クォーターでわずか9得点に終わり、クラーク不在での攻撃構築の課題が明確に現れました。

ナターシャ・ハワードが15点10リバウンドのダブルダブルを記録し、主力としての責任を果たしましたが、チーム全体の攻撃停滞を一人で支えることはできませんでした。フィールドゴール成功率36.2%(21/58)、3ポイント成功率20.8%(5/24)というチーム全体の攻撃効率の悪さが勝敗を分けた最大の要因となりました。

クラーク不在の長期化が及ぼす深刻な影響

ケイトリン・クラークは5月24日のニューヨーク・リバティ戦で左大腿四頭筋を負傷して以来、5試合連続で欠場しています。ステファニー・ホワイト監督は段階的に練習復帰を始めているが完全にはクリアされていないと慎重な姿勢を示し、長期的視点での回復を最優先としています。

クラーク不在の5試合でフィーバーは2勝3敗の成績に留まり、特に組織的な攻撃面での課題が深刻化しています。負傷前の4試合では平均19.0点、9.25アシスト(リーグトップペース)を記録していたクラークの不在は、チーム全体の得点効率に直結しています。

興味深いことに、クラークはサイドラインからチームメートをコーチングする姿がSNSで話題となり、将来のヘッドコーチとしての評価も受けています。

ハーフタイムやタイムアウト中に積極的にチームに関与し、コーチと選手の架け橋として機能しています。

戦術面では、ドリームがペイント攻撃を重視し、ジョーンズとブリトニー・グライナーの内外コンビネーションが効果を発揮しました。リバウンドでも44-27と圧倒的な優位に立ち、守備からの速攻得点を量産しました。

特に重要な場面でのグレイの外角シュートが決定打となり、フィールドゴール成功率47.0%という高効率を維持しました。

一方、フィーバーはクラーク不在での組織的攻撃の構築に完全に失敗しました。代替ポイントガードのシステム適応不足が顕著で、特に第3クォーターでの集中力継続が大きな課題として浮上しました。ターンオーバー管理も重要な場面でのボールロストが失点に直結し、勝機を自ら潰す結果となりました。

東カンファレンス順位争いとプレーオフへの影響

この敗戦により、アトランタ・ドリームは6勝3敗(勝率.667)で東カンファレンス2位に浮上しました。一方、インディアナ・フィーバーは4勝5敗(勝率.444)で東カンファレンス4位に後退し、プレーオフ進出への道筋に暗雲が立ち込めました。

2025年シーズンは44試合制(従来40試合から拡大)となり、上位8チームがプレーオフ進出(カンファレンス関係なし)という新形式下で、この時期での連敗は致命的な意味を持ちます。フィーバーには今後のホームスタンド(7月3-13日の5連戦)での巻き返しが急務となっています。

この試合はコミッショナーズカップの一環として開催され、ドリームにとってはカップ戦での好位置確保につながる重要な勝利となりました。フィーバーは6月14日のニューヨーク・リバティ戦(ABC放送)でのクラーク復帰が期待されますが、医療スタッフとの慎重な判断が続いています。

この試合は、スター選手の負傷がチーム全体に与える影響の深刻さと、新体制でのチーム構築成功例(ドリーム)を同時に示した興味深い対戦となりました。フィーバーはクラーク復帰までの戦力維持と、依存体質からの脱却が急務です。

一方のドリームは、新監督カール・スメスコの下での戦力向上を証明し、東カンファレンス上位での地位確立へ向けた重要なステップを踏みました。

19点という大差での敗戦は、フィーバーにとって単なる一敗以上の意味を持ちます。クラークの早期復帰と、彼女に依存しないチーム戦術の確立が、今後のシーズン成功の鍵を握っています。

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