WNBAで6年間プレーしてきたインディアナ・フィーバーのガード、ソフィー・カニンガムが一夜にしてファンの寵児となりました。そのきっかけは、なんと「ケンカと罰金」だったのです。
事の発端:チームメイト守った一件
先週火曜日のコネチカット・サン戦で、カニンガムは相手のジェイシー・シェルドンがレイアップを試みた際、後ろから引き倒すフレグラント2ファウルで退場処分を受けました。この行為は両チーム間の乱闘騒動に発展しましたが、カニンガム本人によると、これはチームメイトのケイトリン・クラークを守るための行動だったといいます。
そして、ファンはこの「義理人情」溢れるプレーを大絶賛したのです。
爆発的なSNSフォロワー増加
乱闘騒動の直後から、カニンガムのSNSフォロワー数が文字通り爆発しました。InstagramとTikTokを合わせて100万人以上が新たにフォローし、月曜日時点でInstagramは90万人超、TikTokは130万人超に達しています。
スポーツビジネス専門誌Sporticoによると、新しいブランドが同様のフォロワー数を獲得しようとすれば、100万ドル以上の費用がかかる可能性があるといいます。カニンガムが受けた400ドルの罰金と比べると、その経済的価値は計り知れません。
アパレルとトレーディングカード市場も沸騰
この人気爆発は、カニンガムのグッズ市場にも波及しています。
アパレル市場 アパレルブランド「500 Level」によると、過去1週間でカニンガムのTシャツを2,300枚以上販売したと確認されています。
トレーディングカード市場 さらに驚くべきは、カニンガムのトレーディングカード市場の変化です。6月19日と20日に、それぞれ2,000ドルと1,800ドルで取引される記録的な売上を記録しました。
これまでの最高落札価格は5月の798ドル(2024年パニーニ・プリズムWNBA FOTL Lotus)でしたが、一気に2倍以上の価値に跳ね上がったのです。
クラーク効果の恩恵を受ける
もちろん、カニンガムのカード市場はまだクラークには遠く及びません。クラークの最高落札額は36万6,000ドルで、これはWNBAカードおよび女性アスリートカードの史上最高記録です。
しかし、クラークの人気がWNBA全体と関連市場の成長を牽引する中で、カニンガムは単純に「チームメイトを守った」というだけで、リーグ最大の受益者の一人になる可能性があります。
「義理と人情」が生んだ奇跡
今回の一件は、スポーツ界における「チームワーク」や「仲間を守る」という価値観がファンにどれほど響くかを示す象徴的な出来事となりました。
カニンガムの行動は決して模範的とは言えませんが、クラークという若きスターを守ろうとする気持ちは多くのファンの心を掴みました。特にWNBAファンの間では、こうした「義理人情」を重視する傾向があり、それが今回の爆発的人気につながったと考えられます。
今後の展望
6年間のWNBAキャリアで着実に実績を積んできたカニンガムですが、今回の一件で完全に別次元の知名度を獲得しました。この人気が一過性のものか、それとも継続的なファンベース拡大につながるかは今後の彼女のプレー次第です。
しかし、一つ確実に言えるのは、WNBAの人気拡大において「スター選手を支える脇役」の価値も非常に高いということです。クラークという太陽の周りを回る惑星として、カニンガムは新たなポジションを確立したと言えるでしょう。
400ドルの罰金が100万ドル以上の価値を生む——これこそ現代スポーツマーケティングの醍醐味かもしれません。
引用:YAHOOSPORTS

WNBA FAN BLOG運営者/バスケットボールジャーナリスト
WNBA・NBAをこよなく愛し、バスケットボール歴30年以上。特にWNBAの魅力を日本に広げるため、2025年5月に WNBA FAN BLOG をスタートしました。試合結果や選手情報だけでなく、独自の視点による戦術分析や選手インタビュー、海外ニュースの速報翻訳まで幅広くカバーしています。
現在、日本国内では数少ないWNBA専門メディアとして、最新ニュースをどこよりも速く正確にお届けすることをミッションにしています。
得意分野
試合分析・戦術解説
選手のデータ分析(EFF、PER など)
海外ニュース速報翻訳(英語 → 日本語)
サイト目標
日本最大の WNBA 情報ポータルサイト構築
日本のバスケットボールファンコミュニティ作り
関連 SNS アカウント
X(Twitter):@WNBAJAPAN
フォローしてWNBA の最新情報をキャッチしてください!