ユーロバスケット準決勝で大きな番狂わせが起こりました。スペイン女子代表が2024年パリ五輪銀メダリストのフランスを65-64で破る快挙を達成したのです。この勝利の立役者となったのが、わずか19歳のアワ・ファムでした。彼女は21得点、3アシスト、9リバウンドの活躍を見せ、1989年以来となる20歳以下でのユーロバスケット女子準決勝20得点超えという歴史的記録を樹立しました。
この記録達成により、ファムは2026年WNBAドラフトの大きな台風の目となる可能性が急浮上しています。アメリカのバスケットボールファンにはまだあまり知られていない存在ですが、今シーズン中に状況が大きく変わるかもしれません。
既に実績十分の若きセンター
ファムは昨シーズン、スペインのリガ・フェミニーナでヘルニカでプレーして名を上げました。2022年にはU16で最優秀センターに選出され、2024年U20では大会MVPに輝いています。さらに驚くべきことに、わずか17歳の時点で既に大学時代のアライア・ボストンと比較されるほどの評価を受けていました。
今回のような爆発的な数字を毎試合残すわけではありませんが、信頼性と一貫性という、特に若い選手には珍しい特質を備えています。これこそがWNBAスカウトが最も重視する要素の一つです。
ファムはアメリカ人ではないためドラフト対象となり、今年のWNBAドラフトで2位と5位に指名されたフランスのドミニク・マロンガやリトアニアのユステ・ヨサイトのように、今シーズン強いパフォーマンスを見せれば2026年ドラフトに大きな影響を与える可能性があります。
注目すべき国際選手はファムだけではない
海外から驚きをもたらす可能性のある選手はファムだけではありません。中国代表の張子宇は、2027年にジュジュ・ワトキンスの予想される1位指名を脅かす存在として注目されています。
張が大きな注目を集めている理由は明確です。身長7フィート5インチ(約226cm)という驚異的なサイズで、実質的にガードが不可能な存在だからです。中国チームは彼女を「動く万里の長城」と呼び、女子アジアカップデビューでもそのサイズを有効活用しています。
両親がともにプロバスケットボール選手だったことが、彼女のコートでのスキルに大きく影響していると考えられます。ボスニア・ヘルツェゴビナのエミル・ハリミッチ監督は張を「今まで見た中で最高の選手」と絶賛し、日本の監督コーリー・ゲインズも「彼女を止める方法をもっと考える必要がある」と認めています。
WNBAでの国際選手の台頭は止まらない
近年のNBAとWNBAで見てきたように、国際バスケットボール界のスキルレベルは向上の一途をたどっており、両リーグとも海外選手の流入が続くと予想されます。ファムと張は、アメリカの観客がもっと詳しく知っておくべき数多くのアスリートのうちの2人にすぎません。
特に2026年WNBAドラフトクラスは非常に層が厚いとされていますが、ファムのような国際的な才能がその予想を大きく覆す可能性を秘めています。今夜の歴史的パフォーマンスは、その始まりに過ぎないかもしれません。

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