元NBAスターのセドリック・セバロスが、エンジェル・リースとケイトリン・クラークの比較について衝撃的な発言を行いました。「リースはいじめっ子で、誰かを殴りたがっている」と表現しながらも、最終的にはクラークよりもリースを高く評価すると明言。その理由は「勝利こそが全て」という哲学に基づいており、大学時代の全米制覇を成し遂げたリースを「勝者」として称賛しています。
マジック対バードの再来を予見していた
11年のNBAキャリアを誇るセバロスは、クラークとリースの対立構造が作り出されたものであることを早くから見抜いていました。バイロン・スコットの番組「Fast Break」で、彼は1980年代のマジック・ジョンソンとラリー・バードの伝説的ライバル関係との類似点を指摘しました。
「白人、黒人、これ、あれ、田舎者、都市の人間、延々と続けられる」とセバロスは語ります。「金持ち、貧乏人のライバル関係もある。マジックは貧しかったにも関わらず、華やかに見えた…ラリー・バードはジーンズを履き、汚いTシャツとカウボーイハットかなんかで現れた。それがその部分だった」
実際、1979年にマジックとバードが登場しなければ、NBAは崩壊の危機にあったとされています。セバロスは、WNBAが解散の危険に晒されることはなかったものの、クラークとリースが両方ともリーグの人気急上昇において重要な役割を果たしたと分析しています。
「いじめっ子」リースと「直球勝負」クラークの対比
セバロスは両選手のプレイスタイルの違いを鮮明に描写しました。
「ケイトリンは直球勝負だ。明らかに、射程距離は異常で、彼女のスキルは異常だ」とクラークを評価。一方で「リースはいじめっ子で、誰かを殴りたがっている」と表現しました。
さらに興味深いのは、メディアの扱いの差についての指摘です。「ケイトリンがやったことで批判されなかったことが驚くべきで、その後リースが彼女を攻撃すると、彼女が批判される」
この発言は、同じような行為でも選手によって異なる評価を受けるというメディアバイアスの存在を示唆しています。
「勝利こそが全て」の哲学
しかし、セバロスが最終的にリースを上位に評価する理由は明確です。それは「勝利」という絶対的な基準です。
「私は勝者だ、勝者が欲しい。私の最大の功績は勝利したことだ。フラートン出身の最高の人物。リングとゴールドメダルを獲得した2人の個人、勝利が全てだ」とセバロスは力強く述べました。
「(クラークに)それを与えることはできない。なぜなら彼女は何も勝っていないからだ。リースにその評価を与える。なぜなら彼女は勝った、全米選手権を勝ったからだ」
クラークの多才さでも覆せない「勝利」の重み
クラークは女子バスケットボールのあらゆるレベルで圧倒的な成績を残してきました。その多面的なスキルセットは誰もが認めるところです。しかし、セバロスの価値観では、チャンピオンシップのハードウェアを持たないことが決定的な差となっています。
リースは2023年にLSU大学で全米制覇を達成し、NCAA トーナメントMOP(最優秀選手)にも選ばれました。この「勝者」としての実績が、セバロスの評価において決定的な要素となっています。
作られたライバル関係の意義
セバロスは、このライバル関係が「アメリカ文化の決まり文句」であり、ある程度計画的に作り出されたものだと分析しています。しかし、それが必ずしも悪いことではないとも示唆しています。
マジックとバードのライバル関係がNBAを救ったように、クラークとリースの対立構造もWNBAの発展に大きく貢献している現実があります。
プロキャリアはまだ始まったばかり
「エンジェル・リースとケイトリン・クラークはプロとしての旅路を始めたばかりで、リーグでの長い戦いの基盤を築いている」とセバロスは指摘します。
両選手ともプロで通用することを既に証明しており、対戦時には火花を散らすことも辞さない姿勢を見せています。激しい競争心と相まって、このライバル関係は今後も冷めることはなさそうです。
セバロスの発言は物議を醸すかもしれませんが、スポーツにおける「勝利」の絶対的価値と、メディアの扱いの差という重要な問題を提起しています。両選手のプロキャリアが進展する中で、この評価がどのように変化していくかが注目されます。
引用:YARDBARKER

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