WNBAの生ける伝説、ナンシー・リーバーマンが現役選手たちに強烈な警告を発しました。2025年オールスターゲームの投票で、ケイトリン・クラークがファン投票1位(史上最多の129万3526票)を獲得したにもかかわらず、選手投票でガード部門9位に沈んだことを受け、67歳のホール・オブ・フェイマーは「純粋な嫉妬」と断言。マイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズが受けた仕打ちと同じだと指摘し、選手たちに意識改革を求めました。
目次
衝撃の投票結果が示す「内部分裂」の実態
7月1日に発表されたオールスター投票結果は、WNBAの深刻な内部分裂を浮き彫りにしました:
ケイトリン・クラークの投票結果
- ファン投票:第1位(129万3526票・WNBA史上最多)
- メディア投票:第3位
- 選手投票:第9位
この極端な乖離に対し、リーバーマンはTMZスポーツに対して率直に語りました。
「彼女が今、金のなる木(cash cow)だとしたら、それを抱擁しなさい。小さな嫉妬心を持つのはやめなさい。彼女は今、リーグで最高のガードです。彼女の数字がそれを証明しています」
「レディ・マジック」が語る歴史の教訓
「レディ・マジック」の愛称で知られるリーバーマンは、女子バスケットボール界のパイオニアとして、誰よりもこの問題の本質を理解しています。
ナンシー・リーバーマンの輝かしい経歴
- 1976年:17歳でアメリカ代表として五輪出場(史上最年少)
- 1980年:オールド・ドミニオン大学で全米2連覇達成
- 1986年:女性初の男子プロリーグ(USBL)でプレー
- 1997年:39歳でWNBA初年度にフェニックス・マーキュリーでプレー
- 2008年:50歳でデトロイト・ショックと契約(最年長記録)
- バスケットボール殿堂入り(1996年)
リーバーマンは、スポーツ界における新星への嫉妬は今に始まったことではないと指摘します。
「マイケル・ジョーダンやタイガー・ウッズも同じ扱いを受けました。でも最終的に、彼らの存在がすべての選手の地位を向上させたのです」
数字が物語るクラークの真の価値
クラークが選手投票で9位という評価を受けたことは、彼女の実績を考えると理解し難いものです:
2025年シーズンのクラーク(16試合中9試合出場)
- 平均18.2得点
- 平均8.9アシスト(リーグ2位タイ)
- 平均5.0リバウンド
- 平均1.6スティール
確かに、怪我で7試合を欠場し、3ポイント成功率も29.5%と低迷していますが、それでも彼女がもたらす影響は計り知れません。
業界関係者からも批判の声が続出
リーバーマンの発言に続き、各界から批判の声が上がっています。
ディック・バイタル(ESPNコメンテーター) 「WNBA選手がケイトリン・クラークを9番目に評価したのは、まったくの純粋な嫉妬だ。彼女がすべての選手のために何をしてきたか、いつか理解するだろう。チャーター機、給与増額、完売の観客、視聴率向上」
ギルバート・アリーナス(元NBA選手) 「君たちが食べていけるのは彼女のおかげだ。これが君たちが望んでいたことだろう。必要としていたことだろう。みんなが見たがる選手が現れたんだ。今こそ、君たちの才能を見せるチャンスだ」
元NFLプレーヤーのツイート 「ジョーダン、レブロン、パトリック・マホームズ、ラマー・ジャクソン、ウサイン・ボルト、トム・ブレイディ、メッシが現れたとき、みんなが彼らを好きだったわけじゃない。でも彼らの偉大さを認め、敬意を払いながら全力で戦った」
リーバーマンが示す「共存共栄」への道
リーバーマンは、エンジェル・リース、ペイジ・ブッカーズ、サブリナ・イオネスクなど他の選手たちも「信じられないほど才能がある」と認めながらも、今こそ互いを敵視するのではなく、お互いを祝福する時だと強調します。
「ただ出て行ってボールをプレーしなさい。ゲームをプレーしなさい!」
変革の時:WNBAが直面する岐路
クラークの存在がWNBAにもたらした変化は数字にも表れています:
- テレビ視聴率の大幅上昇
- 観客動員数の記録更新
- スポンサー契約の増加
- 選手の待遇改善(チャーター機利用など)
しかし、選手投票の結果は、これらの恩恵をもたらした張本人への感謝よりも、嫉妬や反感が勝っていることを示唆しています。
歴史は繰り返すか
リーバーマン自身も、男子プロリーグでプレーした際には多くの批判や偏見に直面しました。しかし、彼女はそれらを乗り越え、後に続く女性アスリートたちの道を切り開きました。
今、クラークも同じような試練に直面しています。しかし、リーバーマンの言葉は明確です。嫉妬や小さなプライドは捨て、リーグ全体の発展のために団結すべき時が来ているのです。
「もし彼女が今の金のなる木なら、それを抱擁しなさい」
この言葉は、単なる一人の選手への支持表明ではありません。WNBAが真のメジャースポーツとして成長するために必要な、意識改革への呼びかけなのです。果たしてWNBA選手たちは、この歴史的な機会を活かすことができるのでしょうか。それとも、内輪もめによって成長のチャンスを逃してしまうのでしょうか。
答えは、彼女たちの行動が示すことになるでしょう。
引用:TMZ

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