オクラホマシティ・サンダーが、ビッグマンのチェット・ホルムグレンと5年2億4000万ドル(約360億円)の完全保証付きマックス新人延長契約に合意しました。これで、MVPのシェイ・ギルジャス=アレクサンダー、そして間もなく延長が予想されるジェイレン・ウィリアムズと合わせ、若き主力3選手に総額8億2200万ドル(約1233億円)という巨額投資を行うことが確実となりました。
怪我を乗り越えた「ユニコーン」への全幅の信頼
2022年ドラフト全体2位指名のホルムグレンは、プロ入り3年間で怪我に悩まされながらも、コートに立てば圧倒的な存在感を示してきました。
ホルムグレンのキャリアスタッツ
- 2022-23:足の怪我で全休
- 2023-24:82試合全試合出場、平均16.5得点、7.9リバウンド、2.3ブロック
- 2024-25:骨盤骨折で32試合出場、平均15.0得点、8.0リバウンド、2.2ブロック
3年間で246試合中114試合(46.3%)しか出場できていないという事実は懸念材料ですが、サンダーのサム・プレスティGMは迷いなく最大限の投資を決断しました。
新CBAの下での戦略的な契約構造
今回の契約は2026-27シーズンから発効し、初年度の年俸は当該シーズンのサラリーキャップの25%となります。現在の予測では約4800万ドルからスタートする見込みです。
興味深いのは、この契約に「デリック・ローズ・ルール」が含まれていない可能性が高いことです。通常、若手スター選手の延長契約には、オールNBA選出や最優秀守備選手賞受賞時に年俸が30%まで上昇する条項が含まれますが、ホルムグレンの契約にはその記載がないようです。
サンダーが直面する「贅沢な悩み」
2026-27シーズンのサンダーの予想給与総額は既に2億500万ドルに達しており、第1エプロン(2億900万ドル)に迫っています。ここにウィリアムズの延長契約が加われば、確実に超過することになります。
しかし、サンダーには以下のような柔軟性があります:
- アイザイア・ハーテンシュタイン(2850万ドル)
- ルー・ドート(1820万ドル)
- ケンリッチ・ウィリアムズ(720万ドル)
これら3選手のチームオプション(合計5400万ドル)を活用することで、必要に応じて給与を調整できます。
批判的な声もあるが…
コメント欄では厳しい意見も目立ちます:
「怪我がちな選手にマックス契約は大失敗」 「15得点8リバウンドで5000万ドル?」 「スレンダーマンへの大幅な過大評価」
しかし、別の見方もあります。現在のCBAの下では、30歳未満のトップ20選手は全員がルーキーマックス延長契約に値します。なぜなら:
- ルーキーマックス延長:キャップの25%
- ベテランスーパーマックス:キャップの約39%
つまり、若手スターを確保することは、将来的にベテランのスーパースターを獲得するよりもはるかにコストパフォーマンスが良いのです。
2027-28シーズンの財務見通し
ある詳細な計算によると、2027-28シーズンのサンダーの状況は:
- 予想サラリーキャップ:1億8200万ドル
- 予想第1エプロン:2億3100万ドル
- ビッグ3の合計給与:1億5450万ドル
- 第1エプロン下の余裕:7600万ドル
この数字が正しければ、サンダーはドートやケイソン・ウォレスなど他の主力選手を維持しながら、フルミッドレベル例外条項(1700万ドル)も使用できることになります。
王朝への賭け
「ドラフトが上手すぎることで罰せられる」という皮肉なコメントもありましたが、それこそがサンダーの成功の証かもしれません。過去にジェームズ・ハーデンを税金恐怖で放出した過ちを繰り返さないという決意が、今回の大胆な投資に表れています。
ホルムグレンへの2億4000万ドルは単なる契約ではなく、サンダーが本気で王朝を築こうとしているという宣言です。怪我のリスクはありますが、彼が健康でいる限り、サンダーの未来は限りなく明るいでしょう。
果たしてこの賭けは吉と出るか、凶と出るか。答えは時間が教えてくれるでしょう。
引用:HOOPSRUMORS

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