最悪のシナリオが現実となりました。
インディアナ・フィーバーのケイトリン・クラークが、鼠径部の怪我により、今週末のWNBAオールスターゲームと3ポイントコンテストへの出場を断念すると発表しました。
「3ポイントコンテストとオールスターゲームに参加できないことを、信じられないほど悲しく、失望しています。体を休める必要があります。それでもゲインブリッジ・フィールドハウスですべてのアクションを見守り、サンディ(ブロンデロ)がチームを勝利に導くのを手伝うのを楽しみにしています」
彼女の声明には、無念さがにじみ出ていました。
目次
「クラークのために作られた」オールスターが主役不在に
今年のオールスターゲームは、明らかにクラークを念頭に置いて計画されたものでした:
特別な意味を持つ大会:
- インディアナ州初のWNBAオールスター開催
- フィーバー26年の歴史で初めての栄誉
- クラークが投票数トップで選出
- チーム・クラークのキャプテンとして君臨
- 地元ファンの前での晴れ舞台
WNBAとその関係者たちが何ヶ月もかけて準備してきた計画は、主役不在という最悪の事態を迎えることになりました。
シーズンを通じて続く怪我地獄
クラークの今季は、まさに怪我との戦いでした:
2025年シーズンの負傷歴:
- 5月〜6月:左大腿四頭筋の肉離れで5試合欠場
- 6月下旬:鼠径部負傷で4試合欠場
- 7月16日(火):同じ鼠径部を再負傷
- 7月17日(水):シーズン前半最終戦を欠場
- そして今回:オールスター欠場
健康な状態でプレーできた期間の方が少ないという、異常な状況です。
成績も低迷…ターンオーバー数でリーグワースト
怪我の影響は成績にも如実に表れています:
クラークの今季成績:
- 平均5.1ターンオーバー(リーグ最多、2位に大差)
- 得点関連のほぼ全ての項目で昨季から後退
- 歴史的なルーキーシーズンから一転
それでも彼女がオールスター投票でトップだったことは、その人気と影響力の大きさを物語っています。
チーム・クラークに追い打ち!サバリーも欠場で戦力大幅ダウン
さらに悪いニュースが重なりました。チーム・クラークのスターティングフォワード、サトウ・サバリー(マーキュリー)も足首の怪我から回復できず、欠場を発表していました。
チーム・クラークの現状:
- キャプテンのクラークが欠場
- スターターのサバリーも欠場
- 残るスターター:アジャ・ウィルソン、サブリナ・イオネスク、アライア・ボストン
チーム力のバランスが大きく崩れ、コリアー率いる相手チームが有利になったことは間違いありません。
フィーバーの現実:12勝11敗でプレーオフ圏ギリギリ
オールスターの華やかさとは裏腹に、フィーバーの現状は厳しいものです:
チーム状況:
- 前半戦終了時点で12勝11敗(6位)
- プレーオフ圏外まで1.5ゲーム差
- 優勝を狙うはずが、プレーオフ進出すら危うい
昨季のプレーオフ進出を受けて、ナターシャ・ハワード、ソフィー・カニンガム、デワナ・ボナーといったベテランを補強しましたが、ボナーとの関係は破綻し、チームケミストリーも今ひとつです。
「体を休める必要がある」苦渋の決断の裏側
クラークの声明で印象的なのは「体を休める必要がある」という言葉です。
これは単なる怪我の治療以上の意味を持つかもしれません:
考えられる要因:
- 繰り返される怪我による身体的疲労
- 過度なフィジカルプレーへの対応による負担
- メンタル面でのリフレッシュの必要性
- シーズン後半に向けた戦略的休養
レギュラーシーズン終了まで2ヶ月を切った今、健康で効果的なクラークなしに、フィーバーがチャンピオンシップを狙うことは不可能です。
WNBAにとっての痛手…最大の「ドロー」を失う
クラークの欠場は、単にフィーバーだけの問題ではありません:
リーグへの影響:
- 視聴率への打撃(クラークは最大の視聴率ドライバー)
- チケット売上への影響
- スポンサーの失望
- 新ファン獲得の機会損失
WNBAが新時代の顔として売り出そうとしていた選手が、最も重要な舞台に立てない。これは長期的なマーケティング戦略にも影響を与えるでしょう。
それでも前を向く…コーチとしての新たな役割
悲観的な要素ばかりではありません。クラークは声明で、サンディ・ブロンデロHCを「手伝う」と述べています。
これは興味深い展開です:
- 選手としてではなく、コーチ的視点でゲームを見る機会
- チームメイトとの新たな関係構築
- 将来のリーダーシップへの準備
「すべてのアクションを見守る」という言葉には、諦めではなく、次への準備という前向きな意味が込められているのかもしれません。
インディアナポリスで初めて開催されるWNBAオールスター。その主役となるはずだったクラークは、観客席から仲間たちを見守ることになります。
これは確かに「信じられないほど悲しく、失望」する出来事です。しかし、この休養が彼女のキャリアにとって必要な充電期間となることを願うしかありません。
真のスターは、逆境からどう立ち上がるかで評価されます。ケイトリン・クラークの本当の勝負は、この休養後に始まるのかもしれません。
引用:YAHOO!SPORTS

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