ロサンゼルス・レイカーズが2022年最優秀守備選手賞受賞者のマーカス・スマートと2年1100万ドル(約16億5000万円)で契約合意したことで、チーム内の勢力図に大きな変化が生まれようとしています。
一見すると、スマートの加入は「鉄壁のベンチガード」を獲得したように見えます。しかし、その守備的インパクトが実はスターティングラインナップに向けられているとしたら?八村塁にとって、これは予想外の挑戦となるかもしれません。
スマート獲得がもたらす連鎖反応
シャムズ・シャラニアの報道によると、スマートはワシントン・ウィザーズとのバイアウト後、ウェイバーをクリアし次第レイカーズに加入します。ロブ・ペリンカGMは財務面での調整が必要ですが、ハリウッドへの道は開かれました。
スマートの到着により、すでに多くの現レイカーズ選手に疑問符が付いています:
- ブロニー・ジェームズは2025-26シーズンに出場時間を確保できるのか?
- ゲイブ・ビンセントのトレードはいつになるのか?
- ルカ・ドンチッチのロサンゼルスでの将来は確実になったのか?
しかし、なぜか八村塁は最初の波を避けてきました。それは間違いです。2023-24シーズン中盤からスターティングラインナップの常連となっている八村ですが、その地位は今後も安泰とは言えないのです。
守備力の差が生む「3ガード体制」の可能性
八村は決して守備面で劣る選手ではありません。27歳の彼はコートのその側面でしっかりと自分の役割を果たしています。しかし、この議論は両選手が果たせる役割の種類についてのものです。
八村、ドンチッチ、レブロン・ジェームズ、オースティン・リーブス、デアンドレ・エイトンという予想されるスターティングラインナップに最も欠けているのは、ポイント・オブ・アタックの強力なディフェンダーです。
ジ・アスレチックのダン・ウォイクとジョー・バードンは数日前、ペリンカとフロントオフィスがその部門でのアップグレードを探していたと報じていました。彼らはスマートでそれを手に入れたのです。
ベンチの得点力問題:リーグ29位の現実
レイカーズは確かに上記のラインナップをスターティングユニットとして維持し、新しい守備的ガードをベンチからの最初の選手とすることもできます。しかし、その方程式から中間者を排除することも同じくらい簡単です。
八村がベンチに移ることで、そのユニットに切実に必要な攻撃力の向上がもたらされるでしょう。レイカーズは2024-25シーズン、ベンチからの1試合平均得点でNBA29位でした。彼らは1試合あたりわずか26.2得点という悲惨な数字しか挙げられなかったのです。
「3ガード体制」への懸念を持つ人もいるかもしれません。スマート、ドンチッチ、リーブスをフィーチャーしたラインナップです。しかし、現代NBAのポジションレスな性質と、ルカが効果的に3番としてプレーできることを考えれば、その懸念はかなり愚かに思えます。
八村の新たな役割:「スーパーシックスマン」の可能性
スマートがスターターになることで、ドンチッチとリーブスがコートを共有する際の守備的な懸念の一部をカバーすることができます。
興味深いデータがあります:
マーカス・スマートの守備力は過去数シーズンでも多くの分野で本物でした。
- ポイント・オブ・アタック・ディフェンス:エリートレベル
- スティール率:リーグトップクラス
- ディフレクション:優秀
- リバウンドが唯一の大きな弱点
一方、八村がベンチから出場することで:
- ベンチユニットに必要な得点力を提供
- 相手のセカンドユニットに対してミスマッチを作る
- 試合の流れを変える「インスタントオフェンス」として機能
レイカーズの決断が示す新時代
レイカーズにはこの選択肢を検討する時間があります。スターターを入れ替えることは、ロサンゼルスにとって確かに興味深い選択となるでしょう。
八村にとって、これは終わりではなく新たな始まりかもしれません。ベンチからの出場は降格ではなく、チームにとってより価値のある役割を果たす機会となる可能性があります。NBA29位という悲惨なベンチ得点を改善する救世主として、八村の攻撃力がより輝くかもしれないのです。
果たしてレイカーズは伝統的なラインナップを維持するのか、それとも守備力を重視した革新的な3ガード体制に移行するのか。八村塁の運命は、この決断にかかっています。

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